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幸兵衛の小言

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無駄な税金投入や原発再稼動、東京電力」の再建計画は、許されない!

安倍がエネルギー基本計画の閣議決定を延ばし、「慎重な議論を」などと言っているが、そんなミエミエのポーズに騙されてはいけない。

 同計画で原発を「重要なベース電源」と明記していることを受けて、東電の再建計画(総合特別事業計画)は、税金のさらなる投入や、原発再稼動を前提にした、とんでもない内容になっている。

 この問題、朝日や毎日はあくまで計画の内容を掲載しているにすぎず、読売は原発再稼動を促す社説を出している。

 ここ最近は、東京新聞のみ、奮闘している印象がある。その東京新聞の記事の方から先に引用。(太字は管理人による) 東京新聞サイトの該当記事

東電再建 税金なし崩し 除染負担軽減で刈羽再稼働 
2014年1月16日 07時04分

 茂木敏充(もてぎとしみつ)経済産業相は十五日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を認定した。福島第一原発事故に伴う除染関連費を国費で賄うなど東電の負担を軽くした上で、柏崎刈羽原発(新潟県)を七月から再稼働、利益を出し被災者への賠償資金を工面するとの内容。東電の経営陣や株主らの責任は問わず、なし崩し的に税金を投入する計画への批判が高まりそうだ。

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 計画では、政府が原子力損害賠償支援機構を通じて貸し付けるお金の上限を現在の五兆円から九兆円へ拡大東電は返済に二〇一二年に値上げした電気料金などを充てる。さらに除染の際に出る残土を一時的に保管する中間貯蔵施設の整備を急ぐため、国が建設・運営費に一兆一千億円を負担。除染費用の一部の二兆五千億円を、政府が保有する東電株の売却で賄うことも明記した。これらにより東電の負担は軽減される。

 柏崎刈羽原発の1、5、6、7号機を稼働し高コストの火力発電を減らす方針も示した。しかし東京都知事選で「脱原発」の争点化が予想される上、新潟県の泉田裕彦(いずみだひろひこ)知事も再稼働には慎重で、経営の再建が計画通りに進むかは微妙。一方で、計画には柏崎刈羽原発の稼働が遅れた場合、今年秋にも家庭と法人向けを合わせ平均で最大10%の電気料金値上げが必要になるとも明記した。

 このほか予想を上回るコスト削減を達成した場合は、利益の一部を社員の年収アップにつなげる仕組みを導入することも盛り込んだ。福島第一原発事故前に六百五十三万円だった社員の平均年収は管理職で30%、一般職員で20%カットしているが、一六年度には全社員の年収を5%カットの水準に戻す青写真を描く。

 政府は原子力損害賠償支援機構を通じて一二年に一兆円の公的資金を投入し東電株を取得。今回の計画では株価が上がった場合、政府は保有する東電株を順次売却。議決権比率を現在の50・1%から段階的に下げ、経営の自由度を高める方針も盛り込んだ。(東京新聞)



 “柏崎刈羽原発の稼働が遅れた場合、今年秋にも家庭と法人向けを合わせ平均で最大10%の電気料金値上げが必要になるとも明記” するなど、これは国民への脅し以外のなにものでもない。

 次に同じ東京新聞の社説。 東京新聞の1月16日の社説

東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ
2014年1月16日

 政府が認定した東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)は国の支援を強化し、東電の事故負担の軽減を図って再建を確かにする狙いがにじむ。フクシマの反省や教訓はどこへいったのか

 いわば国と東電が二人三脚で作った再建計画である。エネルギー基本計画で原発を「重要なベース電源」と位置付ける政府と当事者である東電の合作では、なし崩し的に原発再稼働が盛り込まれるのは予想できた。だが、過酷事故を忘れてしまったかのような、あまりに無神経な計画の内容ではないか。

 再建計画では、被災者への損害賠償は従来通りに東電が支払うが、電力会社が除染など事故処理の費用をすべて負担する枠組みを見直し、国と東電の役割分担を明確化した。除染のうち、実施・計画済みの費用は国が保有する東電株の売却益を充て、東電の負担を軽くする。

 確かに、一企業では背負いきれない巨額費用を東電に押しつけるだけでは事故収束が進まないおそれがある。国も原発を国策として推進してきた以上、国費の投入はやむを得ないとの声はある。

 しかし、国費投入とは、原発と全く関わり合いがない沖縄県民も含め、国民負担が何兆円も生じることである。東電への融資や投資で利益を上げてきた金融機関や株主の負担を求めるのが本来の筋である。原発を推進した経済産業省などの関係者が誰一人として責任を問われていないのもおかしい。

 再建計画では、東電の収益体質の強化も柱の一つとしている。燃料調達の改善や海外投資などの改革も描くものの、切り札は相変わらず原発である。今年七月以降、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を順次目指すとした。

 福島原発の汚染水問題すら収束せず、今なお十五万以上の人に避難を強いていながら、収益優先で原発に固執する姿勢は到底理解を得られまい。

 汚染水の貯蔵タンクで溶接費を節約したばかりに大量流出を招いたように、東電がこのまま収益重視の経営を続ければ、安全対策はおろそかになろう。再稼働の議論より先に、フクシマの検証と総括もやはり必要だ。

 二〇一六年度からの電力小売り自由化をにらめば、ガス販売や原発に代わる新エネルギー事業へシフトし、原発は再稼働より廃炉に専念、国の支援もそこに力点を置く。それが福島事故を経験した東電の生き残る道ではないか。


 最期の部分を、赤字で再度強調したい。

“ガス販売や原発に代わる新エネルギー事業へシフトし、原発は再稼働より廃炉に専念、国の支援もそこに力点を置く。それが福島事故を経験した東電の生き残る道” という主張はまったくその通りである。

  東電はフクシマの事故対応に真剣に取組むことと、他の原発の廃炉のために専念すべきである。もし、それができる体制にないのであれば、すみやかに会社を整理し、営利企業ではない事故処理と廃炉計画を進める国の直轄組織に編成し直すべきだろう。

 原発以外の電力業務を担う組織体と切り離さない限り、安全の論理ではなく経営の論理にしばられ、原発再稼動、さもなくば値上げ、などという悪魔のサイクルにつながるのである。

 東電を現在の延長戦上で“再建”しようとすることに、無理がある。

 税金を湯水のように投入して名目上の利益が出るようにしたところで何ら問題は解決しない。

 原料費の低減にしても、他の国のように国がまとめて価格交渉を行うなどのリーダーシップが必要である。

 以前に下記の中日新聞の記事を紹介したが、燃料費の高値買いは、国の怠慢がもたらしてきたようなものである。(中日のサイトの該当記事は、すでにリンク切れになっている)
2012年3月20日のブログ

電気値上げ 燃料高値買いは背信だ

 火力発電の主力燃料、液化天然ガス(LNG)を世界一の高値で買えば電気料金も自(おの)ずと高くなる。唯々諾々と産ガス国の言い値に従い、消費者にツケを回す電力業界の構造は限りなく背信に映る。

 東京電力は企業向け料金の値上げ発表に続き、家庭向けも国に値上げ申請する。原発が失った発電能力を火力で補っているため、燃料費が年八千億円以上増え赤字経営に陥るからだという。

 日本が保有する原発は計五十四基。福島以外の原発も周辺自治体の反対などで定期検査終了後も再稼働できず、今や動いているのはわずか二基だ。

 その結果、日本の総発電量に占める原発の割合は著しく低下し、火力発電は49%から72%へと膨らんだ。東電以外も遅かれ早かれ料金を引き上げるのだろうが、値上げ理由をうのみにはできない。

 火力発電にはLNGや石炭、石油が使われ、LNGが四分の三を占めるが、そのLNG調達には不可解な点があまりに多い。輸入LNGの六割は電力向けで、昨年十二月の購入価格は百万Btu(英国熱量単位)当たり約十六ドル。ところが、欧州は約十ドルで輸入し、米国は自国の地中に堆積した頁岩(けつがん)層からのシェールガス生産が始まり、三ドル前後と極めて安い。

 ドイツはパイプラインで輸入するロシア産と、LNGで輸入するカタール産などを競わせて値引きを迫れるが、日本には産ガス国との間を結ぶパイプラインがない。

 電力業界は高値の理由をこう説明しているが、同じ条件下の韓国は日本企業が投資したロシアのサハリン2から日本の半値以下で輸入し、三年後にはガス輸出国に転じる米国とも安値で契約済みだ。なぜ電力業界は、のほほんと大手を振っていられるのか。主たる理由は原燃料費調整制度の存在だ。

 産ガス国が値上げしても、為替変動で輸入価格が上昇しても、上がった分を電気料金に自動的に上乗せできる制度なので、過保護を見抜かれた電力業界は産ガス国の言い値で押し切られてしまう。

 産業界からの批判を避けるため、大口企業と割引契約を結んでいるともいわれている。中小・零細企業や家庭など、力の弱い需要家ばかりにツケを回し、声の大きい企業は割引で黙らせる。

 こんなあしき構造を許しては原燃料費調整制度を続ける政府も背信のそしりを免れない。円高を活用した海外ガス田の権益獲得など燃料調達も視野に入れた料金制度のゼロからの見直しを求める。


 電力会社を保護する原燃料費調整制度を放置しておいて、燃料費削減というスローガンのみ唱えてみても片手落ちである。総括原価方式だって野放しだ。原子力ムラを擁護する制度はそのままで、東電の見かけの利益づくりのために我々国民の血税を投入しようとするのが、安倍政権なのである。

 原発再稼動、さもなくば値上げ、という発想は、その他の国家努力を放棄しているに過ぎない。

 エネルギー基本計画についてもっと議論を深めるのであれば、その計画を是としての東電の再建計画は、少なくとも基本計画の後に立案されるべきであろう。

 安倍政権が進めようとしていることは、3.11とフクシマの経験にまったく学ぼうとしない暴挙である。

 まずは、都知事選で、国民の「ノーモア原発」の声を高らかに叫ぶことが直近の課題であろう。東京都の有権者の皆さん、よろしくお願いします!
Commented by YOO at 2014-01-17 01:14 x
まったくあきれてものも言えないですね。
金にしか物事の価値観がない神経のなせるわざでしょうか?
おそらく落語なんか理解できない頭なんでしょうね。私と同い年のあんな馬鹿が総理なんだから、それを持ち上げる財界もこの有様というのは本当に情けないことです。

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-01-17 23:47 x
私も、YOOさんや安倍とほぼ同年齢です。
安倍には、岸のDNAが色濃く継承されているのでしょう。
一時は巣鴨プリズンにいた祖父の孫ですから靖国参拝だって積極的なはずです。
都知事せんによって流れが変わることを祈るばかりです。

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by koubeinokogoto | 2014-01-16 18:22 | 原発はいらない | Comments(2)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛