人気ブログランキング | 話題のタグを見る

幸兵衛の小言

koubeinoko.exblog.jp
ブログトップ

「核燃料サイクル」という“悪魔のサイクル”を進めようとする安倍晋三は、国賊。

来週オランダ・ハーグで開催される核安全サミットで、安倍晋三は、「核燃料サイクル」をすることを独断で表明しようとしている。東京新聞から引用。
東京新聞サイトの該当記事

首相 了承なく「推進」 核燃サイクル 与党協議の中
2014年3月21日 紙面から

安倍晋三首相が二十四、二十五両日にオランダ・ハーグで開かれる第三回核安全保障サミットで、原発の再稼働を前提に、使用済み核燃料から取り出した核物質プルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」の推進を表明することが分かった。核燃料サイクルを「推進する」と明記した政府のエネルギー基本計画案に対しては、与党内で反対論が根強く、まだ閣議決定がされていない。政府・与党の意思決定前に、世界に向けて日本が将来も原発を維持する方針を発信することになる。

「核燃料サイクル」という“悪魔のサイクル”を進めようとする安倍晋三は、国賊。_e0337865_16402511.jpg



 プルトニウムは核兵器の材料となるため、利用目的がはっきりしないまま大量に保有していれば、テロや核拡散を招くとして国際社会から疑念を持たれる。日本は長崎に落とされた原爆の五千発以上に相当する四十四トンものプルトニウムを保有している。

 首相は核サミットで「利用目的のないプルトニウムはつくらず、保持しない」との方針を表明。安全が確認された原発は再稼働させて、核燃料サイクルによりプルトニウムを使っていく考えを示す。

 ただ、大量のプルトニウムを消費するのに何年かかるかの見通しは立っていない。再利用を名目に長年にわたって原発を動かし続けることになりかねない。

 核燃料サイクルに関しては、取り出したプルトニウムを利用するはずだった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)はトラブル続きでほとんど動いていない。通常の原発で使用済み核燃料のプルトニウムを使うプルサーマル発電も、通常の核燃料に比べて二倍の高レベル放射性廃棄物が発生するなど問題が多い。


 これまでも何度か紹介してきたが、再度、日本独自の「プルサーマル」という無謀な計画の問題について、原子力資料情報室の声明を紹介したい。昨年、関電がMOX燃料輸送をする際の声明である。
「原子力資料情報室」サイトの該当ページ

MOX燃料は装荷せず、そのまま廃棄物とするべき
2013.6.26

NPO法人 原子力資料情報室
共同代表 山口幸夫、西尾漠、伴英幸


 関西電力のMOX燃料輸送に抗議する。関電は、国内での再処理-プルトニウム利用から撤退し、すでに抽出されたプルトニウムについてはプルサーマル以外の処分策、すなわち廃棄物としての処理・処分策を追求するべきである。


今回のMOX燃料輸送は「東北地方太平洋沖地震後の状況を踏まえ、延期」(関電プレスリリース)されていたものである。それを、この時期に実施することは、原子力規制委員会による新規制基準が7月から発効するのを睨んでのもので、高浜原発の運転再開を強引に迫る意味合いではないか。しかし、高浜原発の運転再開へ向けた合意は全くない。大飯原発の断層問題に示されたように、なりふり構わぬ強引さで運転再開を強行することは言語道断で、とうてい認められない。

過去のプルサーマルの安全審査や地元合意は、福島第一原発事故によって、とうに吹き飛んでしまっている。私たちは原発の再稼働を行うべきではなく、ましてやプルサーマルを行うべきでもないと考える。しかし、それでも関電が実施を推し進めようとするのであれば、まずは、改めて審査のやり直しを求め、その結果に基づく地元合意を取り直さなくてはならない。福島原発事故を受けての安全対策強化の中にプルサーマルをきちんと位置づけ、プルサーマル燃料を考慮した過酷事故対策を明らかにすべきである。

関電はこうした対応すら行おうとせず、従来通りの対応で終始するのは、福島原発事故を対岸の火事にしかとらえておらず、なんら反省していない証左であり、蛮行と言わざるを得ない。

加えて、プルサーマル後の使用済みMOX燃料をどう処理・処分するのか、六ヶ所再処理工場に続く第二再処理工場の建設などは到底考えられず、結局、直接処分をするしかない。使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料よりもはるかに長い期間管理し続けなければならないし、処分するにしてもさらに厄介である。関西電力は発生者として、責任をもってこの厄介な使用済みMOX燃料に対応しなければならないが、そのような姿勢を全く示さないばかりか、国へ押し付けようとさえしている。実に無責任な対応の繰り返しである。

2011年3月の未曾有の原発事故を真摯に捉え、プルサーマル炉心の過酷事故時の対応と責任を冷静に推し量るなら、明らかにMOX利用に合理性がないと理解するはずだ。燃料使用などあり得ないはずである。


 安倍の行動は、国を滅亡させかねない、まさに“国賊的な蛮行”という表現が相応しい。

“使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料よりもはるかに長い期間管理し続けなければならないし、処分するにしてもさらに厄介である”のに、“関西電力は発生者として、責任をもってこの厄介な使用済みMOX燃料に対応しなければならないが、そのような姿勢を全く示さないばかりか、国へ押し付けようとさえしている。実に無責任な対応の繰り返し”を、安倍政権は庇護するだろう。

 美浜の会とグリーン・アクション連名の抗議文には、次のようにある。「グリーン・アクション」サイトの該当ページ

“使用済みMOX燃料の処理の方法は全く決まっていない。現状では、高浜原発の使用済み燃料プールに半永久的に貯蔵することになる。使用済みウラン燃料の最終処分も決まっていない中、行き場のないやっかいな核のゴミをこれ以上作り出すべきではない”

 “行き場のないやっかいな核のゴミ”について、以前にも紹介した本から、少し専門的な説明を引用したい。

 「MOX」は、プルトニウムそのものを燃料に使うことにより、例えば原子炉のブレーキに相当する制御棒が効きにくいなど原発稼動中の危険性も大きいが、その燃料を作る過程や再処理まで危険がいっぱいであることを、『新装版 反原発、出前します-高木仁三郎講義録-』(反原発出前のお店編、高木仁三郎監修、七つ森書館)から再度引用したい。どれほどMOX燃料を使うと“やっかい”なのか、重要部分を太字にする。
「核燃料サイクル」という“悪魔のサイクル”を進めようとする安倍晋三は、国賊。_e0337865_16393072.jpg

『新装版 反原発、出前します』(七つ森書館)

 MOX燃料を使うためには、ウラン濃縮度がいろいろ違った燃料を作らなくてはなりません。さらにプルトニウムの冨化度(濃度)もいろいろと違ったものを作らなくてはいけないのです。仮にそれを再処理するとなるとどういうことになるかを考えると、頭が混乱してきます。同じ組成のものは一度に再処理できますが、違った組成のものは一度に再処理できないので、原子炉からでてきた使用済み燃料を何通りにも分けなくてはなりません。このように核燃料サイクルがきわめて複雑になるのです。
 もう一つ、MOX燃料加工の場合に問題になるのは、プルトニウムn半減期の問題です。プルトニウム-239の半減期は2万4000年ですが、プルトニウム-240の半減期は6600年です。それからプルトニウム-241の半減期は14年で、プルトニウム-242の半減期は37万年です。このような放射能ができるのです。これが原子炉ごとに違ってくるのですが、問題はプルトニウム-241です。この半減期が短いので早く崩壊していって、アメリシウム-241になります。半減期が14年ですから、一年もすればけっこうたまってきます。アメリシウム-241はガンマ線を強く出しますので、取り扱いが面倒な上に核特性が違ってきます。燃料としては品質が劣化します。このアメリシウム-241がMOX燃料の加工をやっているうちに、たまってきてしまうと、強いガンマ線のために工場に立ち入れなくなることもあります。ですから、「プルトニウムを長い間置いておくな!」「プルトニウムは取り出したらすぐ使え!」といわれています。



 通常のウラン燃料さえ原発のゴミはやっかいなのに、MOX燃料の原発でできるゴミは、もっとやっかいだし、危険性が増すばかりなのだ。

 利用目的の不明確なプルトニウムを所有することが、核兵器保有につながる危険性があると非難されるので、核燃料サイクルをする、というのは悪魔のサイクルである。

 プルトニウムをこれ以上持たない、すでに出来てしまったプルトニウムの処理方法を真剣に考える、ということが3.11とFukushimaを経験した日本の選択であるべきだ。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by koubeinokogoto | 2014-03-23 19:56 | 原発はいらない | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛