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幸兵衛の小言

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福島県の子供たちの甲状腺がん増加は「スクリーニング効果」のせいではない!

辺野古の問題も大事だ。
 しかし、目の前の問題にばかり心を奪われていると、その陰で進行している、別な悪事に目が届かない恐れがある。

 安倍政権を頭に抱く原子力村の悪行は進んでいる。

 たとえば、福島の子供たちの甲状腺がんの問題について。

 大手メディアは、原発との因果関係を否定する側の発言しか報道していないのではないか。

 ネットを検索していて、「福島原発事故後の日本を生きる」というサイトを発見した。

 福島の子供たちの甲状腺がんの最新の状況を、同サイトから発生地域マップを含めご紹介したい。
 やや読みにくい部分は、リンク先でご確認のほどを。
「福島原発事故後の日本を生きる」サイトの該当ページ

福島県の子供たちの甲状腺がん増加は「スクリーニング効果」のせいではない!_e0337865_16404846.jpg


 地図からも、原発事故の影響は明らかなのに、これまで山下俊一をリーダーとする‘もみ消し’グループは、原発由来を否定してきた。山下俊一の後任達も、見事なまでに原発事故と甲状腺がんとの因果関係を認めない発言を繰り返している。

 因果関係を否定する理由として使われる‘スクリーニング効果’について、矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授が明確に反論している。
 同サイトから引用する。
「福島原発事故後の日本を生きる」サイトの該当記事

■スクリーニング効果ではない

山下俊一福島県立医科大学副学長は、福島県で小児甲状腺がんがたくさん見つかったのはスクリーニング効果…つまり福島県の子供たち全員を対象に検査したことによって、潜在的な甲状腺がん患者がたくさん見つかったからだ。だから小児甲状腺がんは増えていないと言いますが、とんでもない。あえて言う、非科学的な物の見方だと思います。

というのは1998年に山下俊一氏自身がベラルーシまで出かけていって、調査をしているんです。調査の内容はこうです、チェルノブイリ原発事故があった1986年4月26日にすでに産まれていてヨウ素を吸い込み内部被曝をした子供達と、チェルノブイリ原発事故後しばらくしてから生まれヨウ素を吸い込まなかった子供達と、小児甲状腺がんの発症に違いはあるのか?

それぞれの子供達を1万人近くスクリーニングしてるんです。下記がそうです。

≪ベラルーシ/ゴメリ州・小児甲状腺がん≫
生年月日によるスクリーニングの結果の比較

           事故前に誕生 事故後に誕生
甲状腺がん         31人      0人
調査人数         9720人    9472人

チェルノブイリ原発事故当時に生まれてた子供達を、1万人近くスクリーニングした結果は31人甲状腺がんが見つかりました。

ところがチェルノブイリ原発事故当時に生まれていなかった子供達を、1万人近くスクリーニングした結果のほうは発がん者0人だったのです。

つまり小児甲状腺がんの原因である放射性ヨウ素を吸い込まなかった子供達を、いくらスクリーニングしても甲状腺がんの子供はいなかったんです。

それなのに山下俊一氏は今回、スクリーニング効果のおかげで今まで発見できなかったがんが見つかっただけだ、なんて突然言い始めている。

山下俊一氏自体はもちろん医師の免許は持っているけれども、医師の良心は全く持っていない。もはやドクターというのは肩書だけで、今や彼の頭の中は国家官僚として福島県民を切捨てる役割を今後どういう風に進めていくか?ばかりに終始しているように私の眼には映る。


 大手メディアは、「原発由来とは言えない」という原子力村の嘘ばかりを報道するが、それに反論することは、ほとんどない。
 矢ケ崎名誉教授が指摘する‘医師の良心は全く持っていない’人間の言動ばかりを、メディアは宣伝しているようなものではないか。

 何事においても、大手メディアは、安部晋三に牙を抜かれてしまった。

 もし、牙は抜かれたが、まだ、‘爪’が残っているのなら、ぜひ権力の首根っこに飛びかかって爪を立ててもらいたいものだ・・・・・・。

 山下俊一という人間について、2012年6月21日の記事から、あらためて紹介したい。
2012年6月21日のブログ

-----------2012年6月21日のブログより---------------------------------------
 あの山下俊一が、またとんでもないことをしている。週刊金曜日のサイトから紹介したい。
週刊金曜日ニュースの該当記事

異常数値が出る子どもを放置——山下氏の指示を黙認する政府に怒号
2012 年 6 月 20 日 5:56 PM

「放射能を年間一〇〇ミリシーベルト浴びても安全」などと、数々の問題発言を繰り返して福島県民の不信を買っている「県民健康管理調査」検討委員会の山下俊一座長が、子どもの甲状腺再検査を封じている問題で六月一日、衆院議員会館内で政府交渉が開かれた。

 県ではこれまで、一八歳以下の県民三万八一一四人の甲状腺検査を実施したが、うち三五・三%にあたる一万三四六〇人に五ミリ以下の結節や二〇ミリ以下の嚢胞が認められた。さらに五・一ミリ以上の結節や二〇・一ミリ以上の嚢胞が認められたのは一八六人に上り、二次検査の対象となった。

 ところが山下座長は今年一月、日本甲状腺学会会員に対し、この一万三四六〇人は「細胞診などの精査や治療の対象とならない」という理由で、事実上次の二年半後の検査まで保護者の追加検査の要求には応じないよう指示した。

 このため県内では、「なぜ二年半もの間、成長期の子どもの検査を求めないのか」といった批判が出ている。これを受け、環境団体FoE Japanなど市民団体が中心となり、政府の原子力災害対策本部生活支援チームの医療班員を招いて交渉することになった。

 交渉には、福島からの避難者ら三〇〇人が参加。席上、市民側が「異常が出ること自体おかしいのに、なぜ一万三四六〇人もの子どもたちを『異常なし』とし、経過観察もないまま二年半も放置するのか」「山下座長のセカンドオピニオンを封じるような指示は撤回させるべきだ」など、一八項目に上る質問や意見を突き付けた。

 これに対し政府側は、「国として答える立場にない」「専門的なところは県の検討委員会で進めている」といった回答に終始。山下座長の行為についても無視を決め込んだ。このため、会場から「無責任だ」「子どもの命がどうなってもいいのか」といった怒号が飛び、一時騒然となる場面もあった。

(成澤宗男・編集部、6月8日号)


 この政府交渉について、大手メディアが取り上げた様子はない。

 FtoEは、6月1日の政府交渉に先立つ案内で、次にように呼びかけていた。

福島の子どもたちを守ろう!県民健康管理調査のあり方~甲状腺検査を例に

★5月30日に予定していた政府交渉は、6月1日に変更になりました。ご注意ください

県民健康管理調査のあり方が問題となっています。
最近発表された子ども38,114人を対象としたの甲状腺検査では、386人の子どもに結節(しこり)が認められましたが、5ミリを超えないものについては、2年半もの間、経過観察なしで放置されてしまいます。

また、画像や医師の所見などが患者にわたされず、あろうことかセカンド・オピニオンを封じるような通知が、山下俊一・福島医大副学長から発せられています。

そもそも、影響がないことを前提とした県民健康管理調査では、子どもたちの健康は守れません。
これらの問題を問うため、原子力災害対策本部に対する交渉を行います。ぜひ、ご参加ください。



FtoEは、質問事項として次の内容をリストアップしていた。

◆福島県健康管理調査についての質問事項:

<甲状腺検査について>
福島県健康管理調査の4月時点での発表では、子ども38,114人を対象としたの甲状腺検査について以下の結果となっている。

A1:結節やのう胞がみとめられなかった人:24,468人(64.2%)
A2:5.0ミリ以下の結節や20ミリ以下ののう胞が認められた人:13,460人(35.3%)
(結節 202人、のう胞13,379人)
B:5.1ミリ以上の結節や20.1ミリ以上ののう胞が認められた人186人(0.5%)
(結節:184人、のう胞1人)
(福島県「県民健康管理調査」検討委員会資料より)

B以外の99.5%を異常なしとしている。A2とされた子どもが再検査を受けられるのは2年半後である。また、診断結果としては「A1」「A2」「B」のいずれに属するかのみが通知され、エコー画像や医師の所見がわたされていない。山下俊一・福島医科大学副学長は、甲状腺学会の会員宛に、問い合わせがあっても「追加検査は必要ない」旨を説明する趣旨の文書をだしている。多くの親たちが不安をかかえ、疑問を感じている状況である。

1.A2を異常なしとしてしまってよいのか。ある大きさ以下は問題がないとしてもよいのか

2.5.0ミリ以下の結節でもB判定とされた1名について、判断基準は何だったのか。

3.2年半後に再検査としているが、その間に経過観察は必要ないのか

4.診断画像や医師の所見が、受検者にも知らされないのは問題ではないか。積極的にセカンド・オピニオンを受けられる状況にすべきではないか

5.甲状腺機能を確認する血液検査は実施しなくてよいのか

6.B判定の子どもがうける二次検査はいつ何を行うのか

7.山下俊一氏によるセカンド・オピニオンを封じるような甲状腺学会員宛の文書に関しては、これをただちに撤回し、むしろセカンド・オピニオンを奨励すべきだと考えるが、ご見解はいかがか。

8.対照群(コントロール)をとるべきではないのか。

9.この検査結果に関して事故の影響の有無を検討しているか。

10.「9」を判断するにあたり、結果を地図に落とすマッピングであると考えられるが、そのような作業を行っているのか。その結果を開示させていたっだきたい。

11.子どもだけでなく、大人の検査も必要ではないか


 これらの質問に、政府側はまともな回答をしなかったようだ。

 成長段階にある子どもの放射能による被害の進行の速さは、すでに多くの日本人が知るところだろう。
 なぜに二年半も時間を空ける必要があるのか。コストセーブという言葉が思い浮かぶ。その政府の目論見を、山下俊一という人間をつかって操作しているのが、今の政府の実態なのではないか。そもそも山下俊一という男が、福島医大副学長に就任し、「県民健康管理調査」検討委員会の座長に未だに座り続けていることが、不思議なのである。
----------------2012年6月21日のブログ引用はここまで------------------------

 「健康管理調査委員会」検討委員会の座長は二年前に降りたが、この人が行ったことの弊害は小さくない。

 このブログを書いた当時は、民主党政権だった。
 安部自民党政権は、民主党政権から、自分たちに都合の良いことは継承し、都合の悪いことを捨てている。

 3.11から4年。
 
 状況は改善されているどころか、悪化の一途なのではないか・・・・・・。

 FtoEサイトから、今年一月に掲載された内容を引用したい。
FtoEサイトの該当ページ

原発事故に伴う健診対策  環境省専門委の「中間取りまとめ」 の13の問題
「甲状腺がんの深刻な実態、被ばく影響の研究踏まえ、施策の見直しを急げ」
2015年1月13日

昨年末、環境省の「原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」が「中間取りまとめ」を発表。 これにもとづき、環境省は健康管理に関する「当面の施策」をとりまと め、1月21日までパブリック・コメントにかけています。

FoE Japanが事務局をしている「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」では、この環境省の中間取りまとめに対して、福島原発事故後 の子どもたちの深刻な甲状腺がんの実態を踏まえていないなど、13の問題点を指 摘するカウンターレポートを取りまとめ、環境省に提出しました。


 その13の質問を紹介。

1.「基本的な考え方」ではUNSCEAR2010年報告、ICRP2007年勧告の内容を意図的に曲解し、100mSv以下のリスク評価を行っている
2.現在、福島県県民健康調査において明らかになってきている事象、とりわけ甲状腺がんについての疫学的な分析や、個々の症例についての分析・考察が行われていない
3.福島県で行われている甲状腺検査について、「疫学追跡調査」へ見直すよう提言。個々人の健康管理が蔑ろにされた
4.「専門家会議」では、実態を検討せず、一般論に基づき「偽陽性」「過剰診断」の議論が繰り返された
5.放射線による健康影響について、甲状腺がん以外の癌や、非がん疾患について検討していない
6.福島県内外で被ばく量を比較することは非科学的である。県外の被ばく量は低いとして、県外における健診を切り捨てることは認められない
7.甲状腺の初期被ばく線量評価は、プルームや短半減期核種のデータが限られていることを前提とすべきである。「中間取りまとめ」では、 甲状腺スクリーニング1080人のデータが非常に不確かなのにもかかわらずそれを採用している。
8.国際機関の評価として、WHOとUNSCEARのみに依拠しているが、内容に関する検証を行っていないばかりか、原典に書いていないことが引用されていたり、恣意的に引用されたりしている。また、WHOとUNSCEARにおける警告的な部分を十分踏まえていない
9.福島原発事故における発がんリスクを「統計的な有意差を検出することは困難」とし、低線量被ばくにおける発がんリスクの有意性を示す多くの論文を無視している
10.会議に招聘した外部専門家の意見を検討していない
11.被害当事者の聞き取りをしておらず、そのニーズを踏まえていない
12.被爆者援護法による総合的な保健・医療・福祉政策を手本にすべきである
13. 中間取りまとめは、あくまで「中間」であり、最終報告書ではないにもかかわらず、なぜそれに基づいた施策(案)が出されるのか


 
 こういった質問などを、政府側はほとんど考慮しない。

 早く原発事故は「終わったこと」にしようとしている。

 まだまだ、大震災と原発事故の被害から、とても復興したとは思えない。
 現行政権による原発再稼働への前のめり状況を考えると、原発稼働に不利な情報は、大手メディアではほとんど隠されてしまうのではなかろうか。
 
 せめて、ネット上から、真実を捜し歩いて、拙ブログで紹介していくつもりである。
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by koubeinokogoto | 2015-03-26 00:22 | 原発はいらない | Comments(0)

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by 小言幸兵衛