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幸兵衛の小言

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「安倍語」に関する毎日の記事から思う、メディアのいろいろ。

 最近、新聞の中で、毎日がいろいろと頑張っているような気がする。

 「安倍語」に関する記事も、良かったので、紹介したい。
毎日新聞の該当記事

特集ワイド:問題矮小化する「安倍語」 集団的自衛権行使を火事現場にたとえ 「理解進んでいない国民」もこれなら分かる?
毎日新聞 2015年07月30日 東京夕刊

 キミは分かってない、と言われたら、多くの人はイラッとするだろう。参院審議が始まった安全保障関連法案について「国民の理解が進んでいない」と評したのは安倍晋三首相である。最近はニュース番組に登場し、これなら分かるでしょとばかりに、法案がうたう集団的自衛権行使を、近所の火事にたとえ始めた。これで「理解が進む」人がいるのか。またまた「安倍語」を研究する。【吉井理記、堀山明子】

 これまでも集団的自衛権の行使を「アソウくんとアベくんが一緒に歩いている。不良がアソウくんに殴りかかる。私もこれを守る。これが今度の法制でできる」(7日、自民党のネット番組)と説明した安倍首相。このたとえが「軽い」と批判されたためか、20日に登場したフジテレビのニュース番組で、今度はご近所の「アメリカ家」「アメリカ家の離れ」と、道路を挟んだ「日本家」を登場させ、こんな説明をした。

 「アメリカの家が燃えて、離れに火が燃え移っても日本は何もしない。でも風向きで、離れの火が日本家まで来そうなら日本の消防士は道の上から離れの消火活動ができる」。「離れ」「道」などのたとえが、何を指すのか、よく分からないまま番組は終わってしまった。防衛のプロはどう見るか。

 「噴飯ものです。火事と、集団的自衛権や武力の行使を同列に語ることが、信じられません」と首を振るのは第1次安倍政権で内閣官房副長官補を務めた元防衛庁官房長、柳沢協二さんだ。

 「この法案は海外で武力を行使し、あるいは敵の標的となって撃たれ、テロ攻撃の対象になり得ることを自衛隊にさせる内容で、火事にたとえられるはずがありません。火は時に消防士を危険にさらしますが、日本そのものを燃やそうとの意図は持ちません。でも戦争は違う。武力行使された相手は、必ず自衛隊と日本に反撃するし、それは同時に国民に危害が及ぶ恐れがあることを意味する。なぜそんなリスクを国民や自衛隊が冒さなければならないのか、安倍さんの説明はそこがすっぽり抜け落ちているんです」

 では、このたとえ、日本語のプロにはどう映るのか。

 「そもそも比喩の成立条件を満たしていない。採点する以前の問題です」と両断するのは「日本語のレトリック」などの著書がある比喩表現の専門家、佛教大の瀬戸賢一教授だ。比喩の成立条件とは何か。手元の辞書を引くと「喩(たと)える=ある事柄の内容・性質などを、他の事物に擬して言い表す」(広辞苑第6版)とあるが……。

 「比喩の本質は抽象的な言葉を具体化することなんです。『受験戦争』という言葉から分かるように、戦争は具体的な現象・行為なので『たとえられる側』なんです。ですから、集団的自衛権の行使を火事にたとえるのはレトリックとして本末転倒で、実態を矮小(わいしょう)化して危険です」

 毎日新聞の世論調査(17、18日)では、安保法案への反対が62%に対し、賛成は27%である。各社の調査も同じ傾向だが、安倍首相は衆院での強行採決後も「参院で丁寧に説明をする」と繰り返し、立ち止まろうとはしない。

 安倍首相は21日のBS日テレの番組に出演した際、自著「新しい国へ」にも記される孟子の言葉「自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば千万人といえども吾(われ)ゆかん」を引用し、「しっかり議論をしながら、これはもう間違っていないという確信を得たら実行していこうということ」と、世論が反対しても法案を成立させる意思を鮮明にした。

 この孟子の言葉は千人万人の反対があってもひるまずに進むという意味だが、「正しければ」を示す「縮くんば」は、ひとりよがりの正義ではないと、中国思想史が専門の小島毅・東大教授は指摘する。「持論を押し通すのではなく、自分の意見が道理にかなっているかどうかを見つめるという意味です。君主は人徳を磨くべきだという話を、議会で選ばれた首相が自分と異なる意見を無視する論理として引用するのは、本来の趣旨から外れています」と首をかしげるのだ。

 本来の意味と異なるといえば、やはり安倍首相がよく引用する孟子の一節「至誠にして動かざる者 未(いま)だ之(こ)れ有らざるなり」も同じだという。小島教授によると「『誠』は、中国の儒学では宇宙の真理・法則に基づく正しい行為と解釈される。だから誰もが納得するという意味です」。しかし、安倍首相が尊敬する長州(現山口県)出身の思想家、吉田松陰らは「誠意を尽くせば必ず相手に通じる」と説き、さらに「政敵に誠意が通じない場合は無視してかまわない、という思想に変えてしまった」(小島教授)。安倍首相の政治手法も、孟子の教えより松陰流の解釈にのっとっていると見る。

 もう一つ気になる発言がある。国民の「反対」の声について「日米安保の改定の時も、PKO(国連平和維持活動)の時も批判があった」(20日、フジテレビ)。安保法案もいずれ国民は理解する、という趣旨のようだ。

 柳沢さんは「国民が安保改定やPKOに反対したのは、日本が海外で武力行使することに不安を覚えたからです。でも自衛隊は誰も殺さず、あるいは殺されないという実績を重ね、国民の理解を得てきた。安保法案はこれを180度転換し、長年の実績を壊す内容です。次元が違う」。普段は温和な声を、この時ばかりは荒らげるのだ。

 ◇舞台を提供したのはメディア

 今のところ、安倍首相の登場した主要メディア(フジテレビ、BS日テレ、ニッポン放送)はいずれも、法案に賛成する新聞社の系列局だ。

 TBS執行役員で、報道番組「報道特集」キャスターの金平茂紀さんは「たとえが稚拙とかよりも、安倍さんにそういう舞台を提供することのほうが僕は深刻だと思う」と目を怒らせた。

 金平さんが思い出したのは安倍首相の大叔父・佐藤栄作首相。退陣会見で「新聞は嫌いだ。国民に直接話したい」と一人、テレビカメラだけに向かって話し続けた。「テレビは自分や政府の言いたいことを伝える道具としか思っていない。国営放送を宣伝機関に使う独裁国家と同じメディア観で、安倍さんも同じ」

 支持率の高い安倍政権にメディアが萎縮している、と言われて久しいが、金平さんは「違う。メディアが安倍政権に自ら隷従しようとしているだけです。安倍さんに、説明にならない説明をさせるために番組を長時間、提供してしまったことが証左です。国民の知る権利に資するメディアの役割を、これらの番組が果たしたか。答えは国民が一番よく分かっているでしょう」。

 「安倍語」の正体をえぐり出せるかどうか。追及する野党だけでなく、メディアも注視されている。


 私は、「安倍語」≒「幼児語」、であり、「安倍後」≒「もうじき」、だと思っている。

 毎日-TBS-報道特集/金平茂紀、というラインは、朝日-テレビ朝日-報道ステーション/古舘伊知郎、というラインより、よりリベラルでジャーナリスティックだと思う。

 古館は、古賀の件以降、多くの人から信頼を失っただろう。私もその一人だ。

 日刊ゲンダイの高野孟のコラムによると、NHKは、憲法学者のアンケート結果で安保法案について約九割が「違憲・違憲の疑いあり」だったという結果を、安倍政権に忖度し、適切に報道しなかったらしい。
日刊ゲンダイの該当記事

 NHK、読売グループ、産経グループは、そろそろ自分たちの将来を案じるべきだろう。

 安倍政権は、そう長くは持たない。

 確実に、NHKの受信料、読売と産経の購読者は減るはずであり、日本テレビ、フジテレビからは視聴者は離れる。


 国会議事堂を囲んでいるのは、特定の政党支持者や、団体から動員された人々だけではない。
 
 文字通り、老若男女、幅広い層の国民一人一人が、子供や孫、友人や近所の人々を戦争に巻き込ませないため、自らの意思で参加していることは、私が自らの経験で十分に感じたことだ。
 
 そういった国民の良心を反映できない、そして、権力にばかり寄り添っているメディアの命運は長くない。

 あの戦争で、大本営発表の反省をしたはずの新聞は、その思いをどこに忘れ去ったのだろう。

 敗戦から70年であって、終戦から70年ではない。

 今起こっていることを、どのメディアがどう伝えているか、あるいは、伝えるべきことを隠蔽しているか、多くの国民が凝視していることを、メディアの人々はどこまで分かっているのだろうか。

 「安倍語」などに騙されるようなやわな国民は、いない。
 多くの国民は、「安倍後」を望んでいるのだ。

Commented by YOO at 2015-07-31 23:45 x
落語にはあれほど始末に負えない馬鹿は出てきませんよね。ま、裏にはアメポチで悪知恵ばかり働くエリート?官僚がいるのでしょうが。
Commented by koubeinokogoto at 2015-08-01 08:47
>YOOさんへ

落語に出る殿様だって、もっと可愛げがありますよね。
すでに、安倍の命脈が尽きかけていることを霞が関も永田町の住人も感じてきています。
もはや安倍の権威もないに等しいので、ついて行く者も一人減り二人減りして、最後は裸の王様になることでしょう。
安倍の好きな言葉で言うなら、「絶対」安倍政権は近いうちに崩壊します(^^)
Commented by sheri-sheri at 2015-08-01 21:45
ほんとに頭を疑う安部首相。毎日新聞頑張る姿勢に拍手!
Commented by koubeinokogoto at 2015-08-02 08:50
>sheri-sheriさんへ

「絶対」を連発する安倍の最後だけは「絶対」もう目の前です。
あの男は、アメリカしか見ていません。
しかし、そのアメリカは、同盟国なんて感情は持っていない。
TPPなども含め、日本の市場や自衛隊を利用するだけ利用しようとしているのみ。
首相官邸の壁を白く塗って「ホワイトハウス別邸」とでもすればいいのに(^^)


Commented by sheri-sheri at 2015-08-02 15:01
全く同感です。顔も白塗りすればいいのにね。
Commented by koubeinokogoto at 2015-08-03 12:17
>sheri-sheriさんへ

顔の白塗りですか(^^)
気持ち悪そうですね!
Commented by ほめ・く at 2015-08-03 18:02 x
安倍は、幼稚な人間に権力を持たせるとどうなるかという典型です。北朝鮮のボンボン(そうゆやぁ、あっちも3代目)と同類ですね。
Commented by koubeinokogoto at 2015-08-03 21:51
>ほめ・くさんへ

そうですね、どっちも三代目。
「売り家と唐様で書く三代目」と言いますが、安部は日本という国に「For Sale」と書いてアメリカに大安売りしようとしているます。
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by koubeinokogoto | 2015-07-30 18:42 | 責任者出て来い! | Comments(8)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛