幸兵衛の小言

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インドネシアのパンク・バンド「マージナル」は“本物”だ!-NHK 「ドキュメンタリーWAVE」より。

 昨夜は、NHK BS1の「ドキュメンタリーWAVE」で「ジャカルタ・パンク インドネシア抑圧された人々の叫び」を見た。

 久しぶりに、強い刺激を受けた番組だ。NHKのサイトから引用。
NHKサイトの該当ページ
9月11日 日曜 BS1 午後10時00分~ 午後10時50分
ドキュメンタリーWAVE▽ジャカルタ・パンク インドネシア抑圧された人々の叫び

いまパンク・ミュージックがインドネシアの若者を熱狂させている。経済成長の陰で広がる貧困、押し寄せる開発の波。パンクがかき鳴らすのは、抑圧された人々の魂の叫びだ。

モヒカン刈りにタトゥーの男たちが奏でる音楽が、いまインドネシアの若者を熱狂させている。伝説のパンク・バンド「マージナル」だ。20年前、スハルト独裁政権に反対の声を上げようと結成。以来、弱い立場に置かれた人々のために歌い続けている。経済成長の陰で広がる貧富の格差、開発の波に翻弄される農民…。結成20年の今年、抑圧される人々の魂の叫びを歌にした。新曲が披露される夏のコンサートに向けた活動に密着した。

 今の日本の音楽家や芸能人が、時事問題には、せいぜい「つぶやく」程度で、確固とした政治的な主張をしない状況とは、好対照。

 結成20周年を迎えるパンク・バンド「Marginal」は、まさに生き方そのものが、パンクだ。

 彼らは、若者たちが自由に訪れることの出来るコミュニティを作っている。
 たとえば、日給90円で配送の仕事をして家族を支えてきた若者が、リストラに遭い、彼らのコミュニティを訪れた。
 一歩間違えば、いや、あの地なら、結構高い確率で犯罪の道に足を踏み入れても不思議のない若者だ。
 「Marginal」メンバーは、彼のような若者にウクレレを教え、ストリート・ミュージシャンとして食べていくための技術を伝授したり、Tシャツにデザインする版画の作り方、印刷の方法などを指導する。すべては、若者たちが自立するためだ。
 また、ルンバンという村に国営企業が十分な調査をせずセメント工場を建設しようとすることに反対する農民たちが、大統領宮殿前で座り込みを始めるのだが、バンドは、彼等を元気づけるために、路上でミニ・ライブを行う。
 暑さをしのぐためにテントの設営をしようとすると、柱を立てるのを禁じられたため、人が交代で横木を持つことになった。そのテントに農民たちが座り込んで一週間、なんと大統領と農民たちのの面会が実現した。大統領はセメント工場に対し改めて環境調査を行なうように指示、結果が出るまで建設を中断させる大統領令を下した。
 2年間訴え続けた農民たちの声がようやく国に伝わったのは、それを支援する「Marginal」の活動や、彼らを取材する国内外メディアのことも影響しているのだろう。その数日前に、政府広報官が農民たちに歩み寄り、「大統領に伝える」と約束していた。

 日本政府と沖縄を考えると、インドネシア政府の方が、まだ、まともではないか、と一瞬思ったぞ。

 マイクは言う。「皆それぞれ問題や悩みを抱えながら生きている。音楽を通じて人々はひとつになることができる。私たちができるのはきっかけになること。私たちの音楽が少しでも誰かの役に立つ限りこれからも歌い続ける」と。

 この放送を見て、「Marginal」というバンドとメンバーたちは、“本物”だと思った。

 再放送が9月26日にあるようだ。NHKのサイトから引用。
「NHK ドキュメンタリー WAVE」サイトの該当ページ

ドキュメンタリーWAVE▽ジャカルタ・パンク インドネシア抑圧された人々の叫び

9月26日月曜
NHKBS1
午後5時00分~ 午後5時50分


 調べたら、2年前、フォトジャーナリストの中西あゆみさんによる彼等のドキュメンタリー映画が上映されていた。
 「WEB DICE」に、当時、中西あゆみさんにインタビューした記事があったので、引用したい。
「WEB DICE」の該当ページ

──ジャカルタ・パンクの数あるバンドの中からなぜマージナルを追いかけようと決めたんですか?

ジャカルタ・パンクにはたくさんコミュニティがあって、いろいろなバンドに出会って取材してきたんですが、いまいちピンと来ていないところがあって。彼らがパンクになる理由は分かるんです。貧困や地域間格差が問題となっている国だし。でも自分がもっと突き詰めたところまでいけるんじゃないかと思っていたんです。その頃に「ほんとにジャカルタ・パンクを知りたいならやっぱりマージナルに会わないとダメじゃない?」と言ってくれた人がいたんです。

──それは現地の方ですか?

はい。現地ですごく仲良くなったスキンヘッドの軍団がいるんですけど。その人たちがマージナルを紹介してくれて、初めてマイクと会って話してみたら、ものすごいことを言う人だったので、衝撃を受けて。

──いままで出会ってきたパンクの人たちとは違う印象だったんですか?

まったくもう、天地の差でした。人格者としてもそうですけど、こんなことを言う人たちがいるんだ!という衝撃を受けて。もしかしたらこの人たちに出会うために私はインドネシアに来たのかもしれないという勝手な使命感が生まれて、そこからですね。

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 同記事にある写真を借用(『マージナル=ジャカルタ・パンク』より © AYUMI NAKANISHI)

 同映画上映に合わせて、「Marginal」のメンバーであるマイクへの取材などを含めて「8bit.news」サイトに記事が載っていた。こちらも引用。
「8bit.news」の該当記事
大衆と共にある音楽パンク ジャカルタから来日したマージナルと日本のパンクシーン

「パンク」な生き方とはなんだろうか?現在来日中のインドネシアのパンクバンドマージナルは、スハルト軍事独裁政権の抑圧的な政治環境の元結成され、大衆から爆発的な支持を得ている。政権のもたらした恐怖や貧困や理不尽の真っただ中で彼らは自由や子供達や大衆の為に、生きてゆくための手段としてパンクを始めた。彼らは場所を選ばず無料でコンサートをやり、子供達がストリートで演奏してお金を稼げるようにウクレレの弾き方を教え、バンドのグッズなどを売って得た収入は共に生活する身寄りのない子供達と自分たちの生活を支えるのに足りるか足りないかいつもギリギリのライン。

そんなマージナルの活動を追い続けている写真家の中西あゆみさんによるマージナルのドキュメンタリーが5月から渋谷アップリンクで公開されている。残すところ上映は6月11、12、13日の3日間。上映後には中西さんのトークと、マージナルのアコースティックライブがある。

映画館でもライブハウスでも、来日して以来マージナルは日本で熱烈に歓迎されている。映画館やライブハウスにマージナルを見にくる日本の人々は、独裁と貧困の中で勇気と愛を持ってまさにパンクに生きている彼らに対して、極めて好意的で、ある種の特別な感情や期待を持っているようにも見える。マージナルはとても暖かく、真っ直ぐでポジティブで親密な空気をつくり出す。
 あら、二年前、このバンドのことや映画のことなど、まったく知らなかったなぁ。

 引用を続ける。
マージナルのマイクにインタビューをした際に、彼が繰り返し言ったのは、重要なのは情報をシェアしたりメッセージを伝えたり、お互いから何かを学ぶことだということ。例えばどういった場所でライブをやるかとか、そういったことは全く重要ではない、と彼は言った。

マージナルの持つ真っ直ぐさに対して、ひょっとすると日本のオーディエンスは憧れの感情も持っているのではないだろうか。インドネシアにはあからさまで厳しい貧困や独裁があり、反逆するいくつもの明らかな理由がある。日本はどうだろうか?表面的には非常に豊かな日本だが、日本にも貧困や差別や現政権の嘘や横暴があり、決して健康な状態ではなく、反逆するに値する物事は実際多く存在する。

都内のライブハウスでのマージナルのライブ後、その晩ライブハウスにいた人々に安倍政権についての意見を求めた。

あるバンドのメンバーの男性は「ちゃんと人のことを考えてくれ。守るって言うなら、守って。福島のこととか、被災者のことをとにかくちゃんと考えて」と穏やかな口調で話しだした。彼は日本の政治家や他の国でも政治家は国民のことを考えていない。今までもずっと政治はひどかったけど、安倍総理は頭が悪いし坊ちゃんだから、今はそれがわかりやすく露骨に出ているだけで、それでも事態の深刻さに気づかない国民だって悪いと彼は言う。オリンピックに大金を使うよりも、仮設住宅で孤独死するような人々のことを考えるべきだと言う。彼はデモに行って捕まった経験もあり、今デモに行っている人達は、「反体制」というよりかは、本当に国を愛しているから安倍政権に文句を言ったりデモをしているのだと思うと彼は言う。暴走する安倍政権に対して反応の無い日本には何が足りないのか?と聞くと「死ぬ覚悟が足りないんじゃない。死なないと思っているんじゃない?人間は死ぬんだということがわかってない」と彼は言う。

 この記事で指摘しているように、インドネシアのような、あからさまで厳しい貧困や独裁など、反逆するいくつもの明らかな理由がなくても、日本にも、貧困や差別や政権の嘘や横暴がある。そして、その横暴は激しさを増すばかりではないか。

 ゲームアプリに興じているより、もっとやるべきことがあることを、「Marginal」から学んだ若者がいると信じたい。

 SEALD'Sの活動は、いったん休憩のようだ。
 しかし、彼らは、また呼びかければすぐ集まれるだけの、「発言し行動する若者」の土台をつくったのではなかろうか。

 ジャパン・パンクが、そういった若者の活動への“きっかけ”になったり、あるいは、その活動の中心的存在になっても、決して不思議のない政治状況にあると思う。
 
 日本の「Marginal」よ、出でよ!

 ご興味のある方、ぜひ再放送をご覧のほどを。もう一度確認の意味で。
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ドキュメンタリーWAVE▽ジャカルタ・パンク インドネシア抑圧された人々の叫び

9月26日月曜
NHKBS1
午後5時00分~ 午後5時50分
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 昨夜、そろそろ寝ようかと思っていた私だったが、この番組を見入っていて、「目を開け!」と叫ぶ彼等の歌で、眠気が吹き飛んだのだった。


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Commented by sheri-sheri at 2016-09-19 20:26
9月26日午後5時からですね。必ず観ます。お知らせ下さってありがとうございます。
Commented by koubeinokogoto at 2016-09-20 18:57
>sheri-sheriさんへ

ぜひご覧のほどを。
彼等の見た目で少し引けてしまうかもしれませんが、実に立派な人たちだと思います。
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by koubeinokogoto | 2016-09-12 22:55 | 責任者出て来い! | Comments(2)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


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