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カテゴリ:原発はいらない( 275 )

 22日の朝の震度5弱以降、福島沖を震源とする地震が続いている。

 そして、22日の地震の影響で、福島第2で、核燃料プールの冷却ポンプが、一時停止した。
 日経から引用。
日本経済新聞の該当記事

福島第2、燃料プールの冷却1時間半停止
地震で水面揺れる

2016/11/22 11:04

 22日早朝に福島県などで起きた地震で、午前6時10分ごろ、東京電力福島第2原子力発電所3号機の使用済み核燃料プールを冷却するためのポンプが自動停止した。東電の増田尚宏・福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は東京都内で記者会見し「地震でプールの水が揺れた結果、水位が低下したと水位計が検知してポンプが止まった」との認識を示した。

 使用済み核燃料プールは水位低下などの異常を検知すると、自動的に冷却を停止する仕組みになっている。タンクや配管が破損して水漏れが生じるなど、冷却システムに異常が発生している可能性があるためだ。

 同7時47分には冷却を再開。核燃料の異常や水漏れなどは確認されていない。東電は冷却水を送る配管に異常がないかを確認した結果、冷却再開に約1時間半かかったと説明している。

 3号機のプールには2544体の核燃料が保管されている。冷却が停止した時の水温は29.3度で、ポンプの停止により一時は29.5度まで上昇した。運転管理上の制限値は65度だった。

 また福島第2原発では放射性物質を含む空気中のちりを観測する装置が1台停止したが、午前10時10分に復旧した。6時半すぎには福島第1原発と第2原発で高さ約1メートルの津波を観測したが、安全上の問題や作業員の被害は確認されていない。

 私は、「冷却停止」のニュースを最初に目にして、正直、冷汗をかいた。

 万が一・・・・・・。

 結果として冷却は再開したが、果たして、日本のメディア関係者のどれほどの人が、私のように冷汗をかいただろうか。


 この件に関して、東電およびその下請け業者の人たちが手を抜いていたとは思わない。

 しかし、こうした天災と人災の掛け合わせによる事故が、いつ起こっても不思議はない。

 原発とは、そういうものなのだ。

 原発という超巨大で危険なシステムは、人類の管理の範囲を超えているのであって、安倍晋三がオリンピック招致のために使った「Under Control」という言葉は、根本からウソなのである。

 もし、「管理下」にあるなら、想定できる地震で、なぜ今回のようなことが起こるのか、ぜひ説明して欲しい。


 少し古いが、2011年8月18日の記事と重複するが、再度、使用済み核燃料の問題、そして廃炉に関わる内容を、ある本からの引用を中心に紹介したい。
2011年8月18日のブログ

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石橋克彦編『原発を終わらせる』

 2011年7月20日発行の『原発を終わらせる』(石橋克彦編、岩浪新書)からの引用。

 目次を紹介。
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はじめに            石橋克彦
Ⅰ 福島第一原発事故
 1 原発で何が起きたのか  田中三彦
 2 事故はいつまで続くのか 後藤政志
 3 福島原発避難民を訪ねて 鎌田 遵
   
Ⅱ 原発の何が問題か-科学・技術的側面から-
 1 原発は不完全な技術     上澤千尋
 2 原発は先の見えない技術   井野博満
 3 原発事故の災害規模     今中哲二
 4 地震列島の原発       石橋克彦
   
Ⅲ 原発の何が問題か-社会的側面から-
 1 原子力安全規制を麻痺させた安全神話 吉岡 斉
 2 原発依存の地域社会        伊藤久雄
 3 原子力発電と兵器転用
   —増え続けるプルトニウムのゆくえ  田窪雅文

Ⅳ 原発をどう終わらせるか
 1 エネルギーシフトの戦略
   —原子力でもなく、火力でもなく    飯田哲也
 2 原発立地自治体の自立と再生    清水修二
 3 経済・産業構造をどう変えるか    諸富 徹
 4 原発のない新しい時代に踏みだそう 山口幸夫
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 “トリ”の山口幸夫“原発のない新しい時代に踏みだそう”から引用。
 小泉純一郎元首相も観た、ある映画のことが紹介されている。

10万年後の不安
 「オンカロ」(ONKALO)という聞きなれない言葉がある。フィンランドにつくられつつある地下岩盤特性調査施設のことだが、「隠された場所」という意味があるらしい。オンカロは首都ヘルシンキの北西250キロ、バルト海のボスニア湾沿岸に近いオルキルキト島にある。世界でただ一つの放射性廃棄物の地下処分場の予定地だ。工事は2004年に始まった。地下520メートルまで掘る計画で、2011年4月現在、440メートルに達した。操業開始は2020年、100年後の2120年まで使用する予定だ。その後、厳重に封鎖される。10万年後までの安全を見込んでいるという。
 明日のことも分からぬは人の世の常である。しかし、放射能は違う。放射能の半減期は放射性の核種に固有の値であり、その核種の放射能の量が半分になるまでの時間のことである。放射能は、時間とともに指数関数的に減ってはいくが、消え去ることはない。半減期の20倍の時間を、放射能の影響が実質的になくなる一応の目安にしてみよう。もちろん、放射能の量は放射性物質の総量によるので、それをもって、安全になるまでの時間とみなすわけにはいかない。ここでは、半減期の20倍を「待ち時間」と呼んでおこう。一半減期ごとに二分の一になるので、半減期の20倍の時間が過ぎると、1/2x1/2x・・・1/2と20回かけあわせて、放射能の量は、およそ100万分の1になる。
 福島第一原発から大量に放出されたヨウ素131の半減期は8.04日なので、その20倍は160日、およそ半年の「待ち時間」だ。セシウム137は、半減期30.1年の20倍の600年、プルトニウム239ならば、その半減期は2万4100年だから、ざっと50万年を待たなければならない。
 原発を運転すると、燃料のウランから、長短さまざまの半減期を持つ放射性物質がたくさんできてしまう。この後始末がじつに厄介なのである。原発で使い終わった燃料の中の放射能の害を無視してもよい状態になるまで、きちんと保管・管理しておかなければならない。ヨーロッパでは、この「待ち時間」を10万年とみなしているいる。オンカロはこの目的のためにつくられつつある。

絶対に触れないでください
 2009年に制作された国際共同ドキュメンタリー作品『100,000年後の安全』を見た。原題は、「Into Eternity」である。「永遠の中へ」という意味だろう。オルキルオト島の十八億年前に形成されたという頑丈な地層の中に、一大近代都市に似た、しかし殺伐とした地下構造物が建設されている現場が映し出される。地上では、雪の降り積もった針葉樹林の中をゆったりと歩むヘラジカが姿をみせる。絵に描いたような北欧の世界だ。まさか、その地下に、危険このうえもない放射性廃棄物が閉じ込められているとは、まさに「隠された場所」(オンカロ)である。10万年後までの安全を確保するというが、その頃、人類は存在しているにだろうか。仮に、人類が存在したとしても、標識に書かれた警告の言葉は通じるだろうか。ひょっとして、そのころの誰かが、ここを発掘するかもしれない。
 監督のマイケル・マドセンは、「未来のみなさんへ」と題するメッセージで映像をしめくくっている。

 未来のみなさんへ

ここは21世紀に処分された放射性廃棄物の埋蔵場所です。
決して入らないでください。
あなたを守るため、地中奥深くに埋めました。
放射性物質は大変危険です。透明で、においもありません。
絶対に触れないでください。
地上に戻って、我々より良い世界を作ってください。
幸運を。


 もはや、言うまでもないだろう。「10万年後」にも不安を抱かざるを得ない原発が必要か否かは。

 ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマを経ても原発に明確なノーと言えない国の国民であることが、なんともやるせない。

 “隠された場所 オンカロ”に、全世界の放射性廃棄物を収容する能力などはない。もちろん、オンカロに閉じ込められた廃棄物が10万年に渡って安全であるかも、今日の人類には知りえることではない。当座の問題の時間稼ぎをしているにすぎない。

 原発が稼動している間、日々放射性廃棄物は増える一方である。海外にまで原発を売り込もうとしている人間には、事故への対策という問題とともに、「放射性廃棄物をどうするのか?」という疑問に対し、明確に答えてもらわなければならない。「時間が解決する」などと答える政治家こそ、10万年間地下に隠れていてもらいたいものだ。

 地震列島日本では、常に、原発事故という当座の問題を危惧しなければならない。

 そして、核燃料廃棄物への危惧は、10万年後、いや永遠に消えない。

 福島第2の冷却ポンプ停止は、あらためて「今そこにある危機」を思い出させてくれた、ともいえる。

 しかし、当座の危機を逃れるために、電力も人の労力もかけて冷やし続ける作業を続けなければならない。そして、その先には、何が待っているのか。

 40年以上稼働している「老朽化」原発まで、この国の為政者は動かそうとしている。

 かつて「経年化」という言い換えで誤魔化してきたように、政府は国民を誤魔化そうとしている。

 思い出そうじゃないか、オンカロのことを。

 核燃料廃棄物は、とても「Under Control」な対象ではない。

 しかし、メディアも、5年半前に味わった危機感を、失ってきた。

 ぜひ、今回の冷却ポンプ停止で、冷汗を書いたメディアの人が多いことを祈っている。

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 東電が、「炉心溶融」や「メルトダウン」という言葉を隠蔽していた、という調査報告が、今になって明かされている。

 なぜ、この時期に、という疑問は残る。

 拙ブログでも何度か紹介してるように、2011年3月12日には、当時の原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官がら、「炉心溶融」の可能性がある、と発言している。
2011年12月19日のブログ

 日経サイトでいまもリンク可能な記事を、またご紹介。
nikkei.comの該当記事
福島第1原発「炉心溶融が進んでいる可能性」 保安院
2011/3/12 15:30

 経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時、東京電力の福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたという。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。炉心溶融が事実だとすれば、最悪の原子力事故が起きたことになる。炉心溶融の現象が日本で確認されたのは初めて。

*写真(動画)のキャプション:記者会見する経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官(12日午後)

 保安院は同日午後3時半、圧力が高まって爆発による放射性物質の大量放出を防ぐため、格納容器内の減圧作業を実施した。圧力が「午後2時を境に急激に下がりはじめた」(保安院)という。

 周辺地域から検出された種類は、いずれも本来は金属容器で封じ込めている物質。炉心溶融で大量に放射性物質が出れば、被曝(ひばく)の被害が広がる恐れもある。

 保安院は今回の炉心溶融について「放射性物質の広がりを計算した結果、現時点では半径10キロを対象とする住民避難の範囲を変更する必要はないだろう」と話している。

 震災にあった1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がり、露出していたとの報告もあった。

 燃料を包む金属容器は高温に耐えるとされる。溶けたとなれば、燃料周辺が相当の高温にさらされたとみられる。金属容器ばかりか原発の圧力容器や格納容器を溶かせば、放射性物質が外に漏れ出す。

 原発の運転中は、炉心で核燃料が核分裂を起こしている。発熱反応が連鎖し、冷却水を蒸気に変えてタービンを回し、発電している。

 冷却水があるうちは熱が一定に保たれるが、本来の水位が下がると燃料が生む熱の行き場が無くなる。最悪の事態では、原子炉の心臓部である炉心溶融が起きる。

 この事態を受け、保安院は自衛隊に給水支援を要請した。大量の水を使って熱を冷ますためだ。

 過去の大きな原子力災害も、炉心溶融が原因のものがあった。1979年には、米ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原発にトラブルが発生。緊急炉心冷却装置が働かず、高温になった燃料が炉心を溶かす大事故につながった。

 さすがに、もう動画を見ることはできないが、3月12日のこの報告を正しく受け止めた上で、その後の対策を施していたら・・・と思わないではいられない。

 2012年2月の東京新聞に、この中村幸一郎氏への取材結果を含む記事があるので、ご紹介したい。
東京新聞の該当記事

事故翌日「スリーマイル超える」 震災当初の保安院広報 中村幸一郎審議官
2012年2月22日

 福島第一原発の事故当初、記者会見で「炉心溶融の可能性がある」と説明した後、経済産業省原子力安全・保安院の広報担当を交代した中村幸一郎審議官(52)が21日、本紙のインタビューに応じ、その経緯などを語った。事故は深刻で、発生翌日には、米スリーマイル島原発事故を超えると思ったと当時の認識を語る一方、交代は発言とは無関係だと強調した。

 交代の経緯は、政府事故調査・検証委員会の中間報告でも検証されているが、報道機関に詳細を語るのは初めてという。

 中村氏は、1号機の原子炉を覆う格納容器の圧力が上昇した昨年三月十二日未明には「難しい状況に入ってきているなと思った」と、当時の認識を説明。

 消防車で注水を始めたのに、原子炉の水位が低下している状況をとらえ「(過熱した)核燃料の溶融が始まっている可能性がある」と考えた。大学で学んだ原子力工学の知識も判断を下支えした。

 同日午前の会見で、「(核燃料を覆う)被覆管が一部溶け始めていることも考えられる」と、初めて溶融の可能性に言及した。

 午後の会見前には、「コア(幹部)の人たちはそういう(溶融の可能性があるとの)認識を持っていた」と、寺坂信昭院長(当時)らと認識を共有していたと説明。寺坂氏の了承を得て、会見で「炉心溶融の可能性がある。ほぼ進んでいるのではないか」と踏み込んだ経緯を説明した。

 その後、首相官邸側が保安院の説明に懸念を示しているとの情報を得た寺坂氏から、ほかの審議官を介して「発言に注意するように」と指示された。

 中村氏は同日夕の会見を最後に広報担当を交代した。その後、保安院の説明は「炉心が破損」など、「溶融」を使わなくなった。

 このため、溶融発言によって交代させられたと受け取られてきたが、中村氏は「一、二時間おきに計十数回、二十五、六時間寝ずに会見をし、長い仕事になると思ったので休もうと考えた」と、自ら願い出ての交代だったと強調した。


 あの事故に関する報道で重要な転換点は、中村氏は同日夕の会見を最後に広報担当を交代した。その後、保安院の説明は「炉心が破損」など、「溶融」を使わなくなったことである。

 さて、中村幸一郎氏が交代した本当の理由は、何だったのか・・・・・・。

 “首相官邸側が保安院の説明に懸念を示しているとの情報を得た寺坂氏から、ほかの審議官を介して「発言に注意するように」と指示”があった、官邸の圧力が真因か。 

 それとも、ご本人が強調するように “自ら願い出ての交代”だったのか。


 東スポの昨年3月の記事に、真相が明かされている。
 同記事の中心となるのは中村審議官の後を受けた西山審議官の“その後”を追ったもの。
 しかし、中村審議官交代についても、信憑性の高い調査報告の内容が含まれている。
東スポの該当記事

 保安院の事故対応会見については先月、政府の事故調査・検証委員会が関係者を聴取した「聴取結果書(調書)」の一部が追加公開され、中村氏更迭の経緯が明らかになっている。

 保安院の根井寿規審議官(当時)が証言したもので、中村氏がメルトダウンの可能性に言及した後、会見担当を外れたのは、「寺坂(信昭)院長に呼ばれ『官邸から中村審議官を会見から外すよう言われたので根井君から言ってくれないか』と言われた」と語っている。中村発言に懸念を示した首相官邸側の指示があったと認めた。


最後の、“保安院の根井寿規審議官(当時)が証言したもので、中村氏がメルトダウンの可能性に言及した後、会見担当を外れたのは、「寺坂(信昭)院長に呼ばれ『官邸から中村審議官を会見から外すよう言われたので根井君から言ってくれないか』と言われた」と語っている。中村発言に懸念を示した首相官邸側の指示があったと認めた”という内容が、真実だと思う。

 この「聴取結果書(調書)」の追加公開分を探してみたのだが、なかなか見つからない。

 以前の記事で、リンクしていた、最初の報告書も、リンク先が替わってしまった。

 私の探し方がよくないのかもしれないが・・・何らかの意図を感じている。

 昨日の東電社長の質問への答えが歯切れが悪かったのは、報告書に対して枝野がいち早く異を唱えたからかもしれない。

 勘ぐるならば、自民党がこの時期の報告者提出を画策したのではなかろうか。
 政府の圧力があった、当時の政府はどこか・・・ということである。

 もし、そうだとしても、あるいは、自民党が関与してないにせよ、菅も枝野も、過ちは過ちとして、しっかり認め、受け止めることが大事ではなかろうか。

 まず間違いなく、官邸の圧力を、少なくとも“感じて”、東電が「メルトダウン」「炉心溶融」という言葉をタブー化したのであろう。

 では、あれから五年余。

 状況は変わったのか。
 情報公開は改善されたのか。

 今、福島第一原発では、どれほどの放射能が発生し、どんな危険な作業が続いているのか。

 現在の原発情報に関する隠蔽体質は、大手メディアを巻き込んでさえいるように思われる。

 決して、原発報道に関する情報公開の環境は、改善されていないと思う。

 野党は、“今そこにある問題”に対して、声を大にして追求すべきことが山ほどあるはずだ。
 
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 運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機について、原子力規制委員会は、運転延長を認可するという暴挙に出た。関電は、2019年秋以降の再稼働をめざしている。

 なぜ、こんなことが起こるのか・・・・・・。

 かつて、原子力ムラは、「老朽化」を、「経年化」と言い換えて、一度つくった原発を、一年でも長く稼働させようという誤魔化しを続けてきた。

 しかし、そういった過ちを正すのが「規制」委員会の役割だったのではないのか。

 なぜ、40年も稼働してきた原発までも延長して稼働させたいのか・・・・・・。

 原子力規制委員会は、原子力ムラ寄生委員会と名を替えるべきだろう。

 原子力を「規制」する組織などではなく、関電を含む原子力ムラと一体化した組織であることは、もはや明白。

 委員長の田中俊一は、2011年4月1日に、こんな行動をしていた。
 NHK ONLINEの記事を元にした拙ブログ記事から再度引用する。
 当時リンクしていたNHK の記事は、とうにリンク切れなので、記事の中身のみ引用する。

2011年4月1日のブログ

原子力委員会元委員らが陳謝

 事態収束の兆しが見えない東京電力の福島第一原子力発電所について、国の原子力委員会や原子力安全委員会の元委員らが、1日、記者会見し、原子力の利用を先頭に立って進めてきた立場から国民に陳謝するとともに、政府は国を挙げて事態に対処する強力な態勢を作るべきだなどと訴えました。

 記者会見したのは、原子力委員会の元委員長代理の田中俊一氏や原子力安全委員会の元委員長の松浦祥次郎氏、それに東京大学名誉教授の石野栞氏の3人です。3人は、日本の原子力利用を支えてきた研究者や技術者16人を代表して、1日、文部科学省で記者会見し、「これまで原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を防ぎえなかったことについて、国民に申し訳なく思います」と述べました。
 そして、事態は次々と悪化し、収束の見通しは得られていないとして、電源と冷却機能を回復させ、原子炉や燃料プールを冷却し、大量の放射性物質の拡散を防ぐための対策を急ぐ必要があるとしました。具体的な対策としては、▽安定した冷却機能の復旧に向けて、24時間態勢で作業を進める一方で、作業員の人数を増やして1人当たりの作業時間を制限し、被ばく量を少なくすること、▽放射性物質の拡散を防ぐとともに、汚染の影響を評価し、避難している住民が帰れるまでの手順を示すことなどを挙げました。そのうえで、危機的な事態に専門家の知識や経験が十分に生かされていないとして、政府の下に、原子力事故の解析や放射線の計測評価など経験と技術を持った専門家を結集し、国民に情報を提供し協力を求めながら、国を挙げて事態の収束に当たることが重要だと訴えました。

 あの日、“今回の事故を防ぎえなかったことについて、国民に申し訳なく思います”と詫びたのは、田中俊一はじめとする面々の、エイプリルフールだったわけだ。

 “政府の下に、原子力事故の解析や放射線の計測評価など経験と技術を持った専門家を結集し、国民に情報を提供し協力を求めながら、国を挙げて事態の収束に当たることが重要だと訴え”たという言葉が嘘ではなかったのなら、原子力規制委員会委員長となった田中俊一は、高浜原発に関して、“経験と技術を持った専門家を結集”して、結論を出したのだろうか。

 とんでもない。
 
 反原発複数団体による共同声明を、FoE Japanのサイトから引用する。
FoE Japanサイトの該当ページ

 福島原発事故を受けて、原発の運転期間は「原則40年」と決めたはずです。原子力規制委・規制庁はこともあろうに、老朽化した原発の実態も把握せず、認可ありきで審査を急ぎ、審査ガイドを破ってまで、期限内の認可を強行しました。福島原発事故の教訓を葬り去り、事故を再び繰り返すことは断じて許されません。
 地震の活動期に入り、巨大地震がいつどこで起きてもおかしくない状況で、設計が古く、設備の劣化が進み、点検も不十分な状況で認可するなど、危険極まりない行為です。
 高浜1・2号の耐震性が不十分なことは、熊本地震に照らしても明らかです。熊本地震のようなくり返しの揺れを考慮した耐震評価は実施されていません。
 元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は、熊本地震のデータから、「入倉・三宅式」を用いて基準地震動を策定すると過小評価となり、日本の地震データを基にした「武村式」と比べて4分の1の過小評価となるため、「入倉・三宅式」は使うべきではないと警告を発しています。これはまさに高浜1・2号に当てはまる問題です。同時に、各地の裁判や運動の中で、市民が主張してきたことでもあります。規制委・規制庁は16日に島崎氏から意見聴取を行いました。しかし、その警告を無視するかのように高浜1・2号の運転延長を認可しました。
 老朽化した高浜1・2号の特有の危険性が具体的に明らかになっています。電気ケーブルの劣化により事故時に絶縁性が急低下し、制御ができなくなる恐れがあります。しかし、規制委・規制庁は具体的な判断基準も持たずに、関電のいいなりです。
高浜原発1号機は、全国の原発でもっとも原子炉圧力容器の中性子による脆性破壊が発生し易い原発です。廃炉が決まっている玄海原発1号より脆性遷移温度は高く、事故時にECCSの水を注入すれば、圧力容器が壊れる危険があります。やはり中性子の照射により炉心の金属板を留めるボルトにひび割れが生じている恐れがありますが、まともに検査すら行われていません。

 専門家を結集した検査など、まったく行っていないのである。
 
 田中俊一の五年まえ4月1日の嘘は、罪が深い。
 私などは、あやうく騙されそうになったのだ。

 そして、彼は、国民を裏切る罪を今も重ねようとしている。

 参院選の争点の一つとして、なかなか原発問題が取り上げられないが、明らかに政財界の原発推進派が、田中俊一の周囲や背後に取り巻いているのである。

 原子力規制庁の職員は発足当時(2012年9月)455名で、そのうちの351名が経産省出身者。
 加えて、あの原子力安全・保安院から横滑りした者が多いのだから、どっぷり原子力ムラに属した組織。
 アメリカの原子力規制委(NRC)が、政府からは完全独立した、4000人を超える専門家の組織であるのとは、大きな違いなのである。

 規制ではなく寄生の委員会による暴挙は、とても許されることではない。


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 タレントの不倫、あるお笑い番組の司会者交代、公私混同都知事の問題などに関するニュースで紙面や時間が埋まることは、為政者にとって実に都合のいい隠れ蓑になっている。

 大手メディアも、政府に忖度し、また放送法を持ち出しての恫喝に屈し、芸能週刊誌的な内容ばかりを追いかけるが、その裏で、とんでもない悪行が進んでいるのだ。

 たとえば、放射能汚染土のバラマキである。

 少し古い掲載記事だが、「FoE Japan」のサイトから署名を呼び掛ける記事を引用する。
FoEサイトの該当ページ

【緊急署名】全国に被ばくを強い、環境を汚染する
「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」方針に反対


 環境省は、3月30日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、放射性セシウム8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。
しかし、原子炉等規制法に基づく規則においては、原発の解体などによって発生したコンクリートや金属などの再生利用の基準は、放射性セシウムの場合、100ベクレル/kgとなっています。今回の環境省方針は、この80倍となります。
降雨、浸食、災害などによる環境中への大量放出も懸念されます。工事中においては、工事従事者も通行人も被ばくします。大地震が発生すれば、道路の陥没、崩壊などがあちらこちらで発生し、汚染土がむき出しになるでしょう。
まさに、子どもも含めて、日本中の人たちを被ばくさせるための、壮大な「ナショナル・プロジェクト」にほかなりません。

 新聞もテレビも、この暴挙については、まったく触れようとしない。
 
 こんな出鱈目な方針が、密室で決められている。

 同じページに、署名とともに環境大臣あてに提出される抗議内容が掲載されている。

環境大臣 丸川珠代 様

【緊急署名】全国に被ばくを強い、環境を汚染する
「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」方針に反対


環境省「中間貯蔵除染土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」は、3月30日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、「遮蔽および飛散・流出の防止」を行った上で、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。「周辺住民などの追加被ばく量は年間10マイクロシーベルトに押さえられる」としています。
しかし、原子炉等規制法に基づく規則においては、原発の解体などによって発生したコンクリートや金属などの再生利用の基準は100ベクレル/kgとなっています。今回の環境省方針は、この80倍となります。
この検討会のもとにおかれた「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」は、非公開で実施されており、議事メモも公開されていません。そもそも、この検討会は、最終処分量を減らすため、再生利用量を増やす、ということが前提となっています。現在の無理な「除染」「帰還」路線が前提で、そのためには、国民の被ばくもやむなし、ということなのでしょうか。
環境省は、「福島の復興、さらには東北の復興と日本の再生に向けた一大プロジェクトであるとともに、その成果は世界でも前例のない経験・知見として国際的な共有財産となる」と大見得をきっています。
しかし、「遮蔽および飛散・流出の防止」と書いたところで、そんなことは絵に描いた餅です。管理型の処分場でさえ、周辺や地下水の汚染は避けられないのに、ましてや通常の公共事業の構造基盤に使うというのでは、汚染を防ぐことはできません。。
降雨、浸食、災害などによる環境中への大量放出も懸念されます。工事中においては、工事従事者も通行人も被ばくします。大地震が発生すれば、道路の陥没、崩壊などがあちらこちらで発生し、汚染土がむき出しになるでしょう。
まさに、子どもも含めて、日本中の人たちを被ばくさせるために、壮大な「ナショナル・プロジェクト」にほかなりません。断じて許すわけにはいきません。

要請事項
1.放射性廃棄物を含んだ除染土を公共事業で利用する方針の撤回を求めます。
2.「除染」「帰還」を前提とした除染土再利用の政策を見直してください。
3.除染のあり方、除染土の処分のあり方に関しては、福島県内外の各地の幅広い人たちの参加のもとでの検討を行うようにしてください。
4.「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」のメンバー、議事録、全資料を公開してください。

 丸川という大臣は、かつてはジャーナリズムの世界にいたのではないのか・・・・・・。

 結局、マスコミで顔を売っていた“タレント”でしかなかったのだ。
  
 放射能で汚染された土が、全国で撒き散らされる。
 除染の度合いは、それぞれ違うだろうが、放射性セシウムで8000ベクレル/kgまでなら、再利用して良い、と国がお墨付きを与えているのだ。

 これが、「3.11」から五年が経過した、今の日本の実態なのである。

 熊本では、まだ被災者の皆さんの多くが、日常を取り戻すことができていない。
 今日は、函館で震度6-の地震。

 地震列島日本では、いつ、どんな大地震が起こっても不思議ではない。

 紹介した内容を使わせてもらうなら、“大地震が発生すれば、道路の陥没、崩壊などがあちらこちらで発生し、汚染土がむき出しになる”から、不特定多数の国民に被害が及ぶ可能性が高い。

 しかし、政治家や役人は、自分は大丈夫、と思っているのだろう。
 
 まず、国会議事堂や各官庁で、この土を再利用してもらおうじゃないか。
 大丈夫なんでしょう?!

 参院選の論点は、たくさんある。

 その中の一つに、この問題を含め、原発事故からの復興が進んでいない実態や、政府の怠慢。そして暴挙のことも含まれるべきだ。
 

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 HINTERの記事を読むと、この度の熊本を中心とする大地震においても、原子力規制委員会が稼働を認めている川内原発に対し、真っ当なリスクヘッジが為されていないことに、あらためて驚く。
 該当記事から引用。
 なお、この記事中の囲み部分(鹿児島四民と市との会話)は、イタリックにしてある。
HUNTERの該当記事

川内原発事故 鹿児島市避難計画の実情
2016年4月22日 08:50

 川内原子力発電所 熊本地方で14日から続く一連の地震を受け、改めて注目が集まっているのが原発の是非や災害避難の在り方。とくに、市域の一部が全国で唯一稼動中の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)から30キロ圏に入る鹿児島市では、万が一の場合の避難計画について、懸念を抱く市民が増えている。
 熊本の現状に危機感を持ち、鹿児島市に原発事故時の避難方法を聞いた鹿児島市在住の男性。返ってきた答えに愕然となったという。
 杜撰極まりない同市の避難計画の実態とは……。

 原発30キロ圏にある鹿児島市郡山地区から車で約15分。原発の40キロ圏付近に位置するところに、県が開発を進めてきた松陽台町がある。県住宅供給公社が販売した「ガーデンヒルズ松陽台」の土地を買った地元住民の反対意見を無視して、伊藤県政が県営住宅を大増設しているのがここだ。

 東日本大震災直後、鹿児島県は一方的に地区計画を変更。戸建住宅による街づくりという方針を放棄し、県営住宅大増設計画を発表した。地元住民は、避難所として利用できる施設がないことを不安視し、県や市に対策を訴えて来たというが、5年経った現在も進展なし。住民は増える一方なのに、小中学校はもちろん、集会場さえ整備されていない。

 熊本地震の地震域が次第に南下し、川内原発に近づいている状況。心配になった住民が、鹿児島市役所松元支所に問い合わせたところ、詳細は市危機管理防災課に尋ねるよう言われたという。以下は、記録を提供してくれた松陽台住民と市側のやりとりの概要である。

住民:松陽台町住民の避難場所は、歩いて30分もかかる石谷の仁田尾中公民館で間違いないか?
市側:間違いない。
住民:仁田尾中公民館には何人の受入が可能なのか?
市側:40人。長期滞在者向けである。
住民:40人?松陽台地区だけでも1,000人はいる。石谷の住民もいる。全然足りない。では、短期滞在者というか一般の避難者はどこに行けばいいのか?
市側:仁田尾中公民館をはじめ、市が指定している避難所は可。
住民:松陽台の住民は具体的にはどこに行けばいいのか?
市側:それぞれに判断して、安全な場所に移動していただければよい。
住民:具体的な指示は市が出すのか?
市側:市として指示を出すことはない。
住民:避難所の指定もなしに、鹿児島市の避難勧告を受けて、市民は、後は勝手に逃げろということか?
市側:……。
住民:放射能は人ではないので、原発から30キロの線でピタッと止まることはない。鹿児島市は喜入地区を除いて、ほとんどが50キロ圏内に入ると思うが、郡山の30キロ圏以外の市民はどう逃げればいいのか?避難計画はあるのか?
市側:……。
住民:仁田尾に移動するよりも、岩盤は強いし、松陽台にいる方が安全だと思うが。
市側:仁田尾よりも松陽台の方が安全だと思う。
住民:わざわざ坂道を上る必要もなく、高低差のない、松陽台に隣接する松陽高校への避難はなぜできないのか?高校によっては、避難所に指定されている所もあるのに、なぜ松陽高校は避難所に指定されていないのか?
市側:鹿児島市には現在240の避難所があり、これ以上増やす予定はない。これ以上は職員を配置できない。
住民:職員の都合か?ということは、松元、松陽台は見捨てられるということか?
市側:……。


 市側の対応を確認した松陽台住民の気持ちは察するに余りある。鹿児島市は、原発の事故が起きても知らん顔。市民は勝手に避難しろという姿勢なのだ。夫人と子ども二人がいる上、平日は市外の勤務地にいる彼としては、無いに等しい避難計画に不安が募るばかり。他人事のように答える市側の対応に、怒りがこみ上げてきたという。

 鹿児島県の避難計画を巡っては、緊急避難時に住民輸送にあたるとされてきたバスが、実際には運転手が浴びると予想される放射線量が「1ミリシーベルト以下」の場合にしか出動しないことが判明。さらに、唯一稼動する予定の鹿児島市交通局の市バス乗務員には、原発緊急避難の運用について何の説明もなされていないことが分かっている。県や鹿児島市の避難計画は、まさに机上の空論。松陽台住民と市側のやり取りで、鹿児島市民が「原発棄民」であることを裏付けた格好だ。

 これが、原子力規制員会の田中委員長が、「稼働することに問題はない」という状況なのか!

 地震大国日本に地震が起こるたびに「原発は大丈夫か?」と近隣の人々が心配しなければならない生活は、とても「日常」的なものとはいえない。
 ましてや、何か起こった時、近隣の住民の人々が、どの避難所に避難すべきかという明確は施策を持ち合わせていない県や市の行政機関には、原発を立地させる資格などない。

 真っ当な避難計画がないことは、再稼働の前から、多くの団体や市民から指摘があったことである。
 そして、それは、裏付けるのが、紹介した記事だ。

 いち早く川内原発は止めるべきである。
 「福島のようなことは、起こらない」と原子力ムラの住民が言うのなら、その証拠をはっきし示して欲しいものだ。

 何か起こってからでは遅い、ということは、我々日本人は、五年まえに学んだはずではないのか。
 
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 原子力規制委員会は「原子力ムラ寄生委員会」に堕ちてしまったが、それにしても、酷い事実が判明した。
 
 共同通信の記事を引用。
47NEWSの該当記事

川内原発の放射線測定、性能不足
監視装置の半数で

2016/3/14 11:40

 昨年再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)周辺の放射線監視装置(モニタリングポスト)のうち、ほぼ半数の48台中22台が事故発生時の即時避難の基準となる高い放射線量を測定できないことが14日、同県への取材で分かった。監視態勢が不十分なまま、再稼働したとの批判が出そうだ。

 国の指針では重大事故時、被ばくのリスクが高い5キロ圏の住民はすぐに避難。5~30キロ圏はまず屋内に退避し、ポストの数値で避難の必要性を地域ごとに判断する。毎時500マイクロシーベルト以上は即時に避難、毎時20マイクロシーベルト以上が1日続いた場合は1週間以内に避難させる。

 県への取材で判明、ということは、鹿児島県も九州電力とグルになっていた、ということか。

 万が一のことは、起こってはいけないが、それに備えなければならないのが、原発という、人類が本来管理できない巨大で危険なシステムなのである。

 前回の記事で紹介したが、福島第一原発の事故を防ぐ機会は、いくらでもあった。

 原発そのものを稼働させない、ということは除外するにしても、10メートルを超える津波は想定できていたのに、対策を怠ったのも大事な機会損失であり、失態である。
 
 もし事故が発生した場合、放射能汚染の状態を測定・管理して適切に地域住人を避難させるのも、当然の義務。放射能を的確に測定するのは、基本の基本なのである。

 いくら放射能が漏れているか分からないのでは、事故現場に行くことさえためらわれる。

 何を規制委員会は検査したのか。何をもって鹿児島県は再稼働を認可したのか。

 あれから五年・・・しかし、歴史の悲劇を学ばない人が、たくさんいるのだ。

 彼らの犠牲になるなんて、まっぴらごめんである。

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 「あれから五年」という言葉がメディアを賑わわせているが、決して、大震災も福島第一原発事故も、復興には遠い地点にとどまっている。

 五年経とうが、十年経とうが、決して忘れてはならないことがある。

 原発事故の原因は、決して「天災」ではなかった、ということだ。

 岩上安見さんの「IWJ(Independent Web Jornal)」に、福島第一原発事故が「人災」である証拠が見つかった、というスクープ記事が掲載されている。

 まず、前半部分を引用したい。
IWJの該当記事

【スクープ速報!】「想定外の巨大津波」は、実は想定の範囲内だった! 震災から5年、東電が「巨大津波」を予測できていた「新証拠」について、福島原発告訴団・代理人の海渡雄一弁護士が岩上安身のインタビューにこたえて証言!

※公共性に鑑み、ただいま全編公開中!

 事故当時、東電は巨大津波を予測できていた――そんな新証拠が存在するという。

 福島第一原発事故をめぐり、2016年2月29日、検察審査会から「起訴議決」を受けた東京電力の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人について、検察官役の指定弁護士が業務上過失致死傷の罪で強制起訴を決定した。

 起訴状によると、3人は原発の敷地の高さである10メートルを超える津波が襲来し、建屋が浸水して電源喪失が起き、爆発事故などが発生する可能性を事前に予測できたのに、防護措置などの対策をする義務を怠ったとしている。

 実は、起訴状の中身を裏づける、当時の東電が巨大津波を予測していた決定的な「新証拠」があるという。告訴団代理人の海渡雄一弁護士が2016年3月10日、岩上安身のインタビューで明かした。

 東電は福島第一原発事故の主な原因を「想定外の巨大津波」であると結論づけているが、新証拠が事実であれば東電の従来の主張は覆り、「想定外の原発事故」は予測できた「人災」だったことになり、東電幹部らの刑事責任は避けがたいものとなる。

 2月29日に、ようやく強制起訴となったが、検察審査会での起訴議決は、2014年夏のことだった。
 当時、東京新聞を引用して記事を書いたが、その時点でも、「人災」の疑いは十分に匂っていた。
 当時の記事を再掲載したい。なお、東京新聞のリンクは、すでに切れている。
2014年8月1日のブログ

-------------2014年8月1日のブログから引用----------------------

東京新聞の該当記事

大津波の恐れ報告 東電元会長出席の会議
2014年8月1日 07時09分

 東京電力福島第一原発の事故が発生する約三年前、東電の勝俣恒久元会長(74)が出席した社内の会議で、高さ一四メートルの大津波が福島第一を襲う可能性があると報告されていたことが、三十一日に公表された東京第五検察審査会の議決で分かった。これまでの東電の説明では、勝俣氏は大津波の可能性を知らないとされ、本人も検察に同趣旨の供述をしていたが、検審は「信用できない」と否定、起訴相当と判断した。東京地検は同日、議決を受け、再捜査することを決めた。 (加藤裕治、加藤益丈)

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 議決によると、この会議は二〇〇七年七月の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発(新潟県)が被災したのを受け、〇八年二月に開かれ、福島第一の津波想定を七・七メートル以上に変更する資料が配布された。出席した社員から「一四メートル程度の津波が来る可能性があるという人もいて、考える必要がある」との発言もあった。

 検察側の捜査資料にあった会議のメモなどから、検審はより詳しい報告や議論もあったと判断。出席していた勝俣氏は大津波の可能性を知りうる立場にあり、「東電の最高責任者として各部署に適切な対応策を取らせることも可能な地位にあった」と結論付けた。

 これまでの東電の説明では、大津波の可能性は原子力部門で試算され、武黒一郎元副社長(68)でとどまり、勝俣氏や他部門の幹部には知らされなかった、としていた。

 この会議には武黒元副社長も出席。報告を聞き「(東北電力)女川(原発)や(日本原子力発電)東海(第二原発)はどうなっている」と尋ねていたことが議決から明らかになった。

 東海第二原発は〇七年に茨城県が公表した津波想定に基づき、ポンプ室の側壁の高さを四・九メートルから六・一メートルにかさ上げ。東日本大震災で五・四メートルの津波が襲ったが、冷却に必要な電源を確保でき、福島第一と明暗を分けた。

 歴代幹部のうち勝俣、武黒両氏と、武藤栄元副社長(64)の三人が起訴相当と議決された。津波の情報を知っても、判断する立場にない二人は不起訴相当、対策を決める権限がない一人は不起訴不当と議決された。

 起訴相当の三人については、仮に地検が再び不起訴としても、別の市民による検審が起訴議決すれば、強制起訴される。(東京新聞)


 この件、東京新聞は社説でも扱っている。一部引用する。ちなみに、朝日、毎日も社説はこの件だったが、当然のように読売は違うネタ。
東京新聞の該当社説
 東北電力の女川原発(宮城)は津波に備えて、三十メートル近くに「壁」をかさ上げしたのとは好対照だ。東電が対策を怠ったのはなぜなのか。市民はこう考えた。

 「原発の運転停止のリスクが生じると考えたとうかがわれる」「東電は対策にかかる費用や時間の観点から、津波高の数値をできるだけ下げたいという意向もうかがわれる」−。この推察は、国会事故調査委員会が「シビアアクシデント(過酷事故)対策を経営上のリスクとしてとらえていた」と指摘したこととも響き合う。

 東電は〇六年段階でも、津波によって非常用海水ポンプが機能を失い、炉心損傷に至る危険性があることや、全電源喪失の危険性があることも分かっていた。それを市民は議決文に書き込んだ。

 東電幹部六人のうち、津波の情報に接していても、判断できない立場の二人は「不起訴相当」にし、一人は「対策の決定権がなかった」とし、「不起訴不当」にとどめた。冷静さが感じられる。「起訴相当」としたのは、情報を知りつつ、判断できる立場の幹部に絞り込んだわけだ。

 業務上過失致死傷罪での刑事責任を問うテーマをふたたび検察が負うことになった。東電を強制捜査もせずに、「想定外だから罪は問えない」と一蹴した判断をそのまま維持するのか。被災者らは注視している。「人災」なのか、その真相に肉薄してほしい。

 ようやく、責任を明確にするための動きが出てきた。
 福島第一原発事故は、紛れもなく、“人災”であった。
 もちろん、大地震、大津波という自然災害が関係はしているが、地震大国日本で原発を稼動させる以上、その対策を講じるのは当然の企業責任であり、東電はそれを怠った。
--------------------引用ここまで--------------------------------------------

 かつて、原子力発電所の活用が、国策であったことは事実だろう。
 しかし、その安全対策のすべてを国の責任に帰すことはできない。
 東電をはじめとする電力会社は、国の庇護の元で大きな経済的な恩恵を受けてきた。
 安全確保は、民間企業の責任として当然行われるべきものだったし、今後も継続して安全を最優先にすべきである。

 それだけ、制御するのが難しい、巨大なシステムなのだ、原発は。

 IWJの記事に戻る。岩上安見が、海渡弁護士にインタビューしている内容。
 動かぬ「証拠」の存在が明白だ。
 
岩上「2月29日、福島第一原発事故をめぐり、検察審査会から基礎議決を受けた東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の3人について、検察官役の指定弁護士が業務上過失致死傷の罪で強制起訴されました」

海渡「告訴事件では僕はこの被害者側の代理人をしています。実は7月に開催された2回目の検察審議会議決内容が画期的なものでした。東京電力は2007年12月の段階で、福島沖でも大きな地震と津波が起きる可能性を踏まえ、対策を取らなければならないという方針を決めていたのです。津波対策を預かっている部局がそう決めていたのです。武藤氏も加わった状態で決めていました。

 翌年の2008年の3月にシュミュレーションをやって、福島第一に15.7mの津波が来ると言う計算結果が出ていました。これに基づいて、2008年の3月末に耐震バックチェックの中間報告があり、最終報告までには津波対策をきちんとやりますと説明することになっていました。証拠として、県に説明するためのQA資料が残っています。これは、つまり社の方針です。

 2008年の6月、津波対策案がまとまり、土木調査グループが武藤氏にその案を持っていきます。案では、10メートルの地盤の上に10メートルの防潮堤を立てる計画が立てられていました。しかし、武藤氏はその1か月後に、防潮堤建設をやらないと決めました」

岩上「知らなかった、どころではなく、津波対策の計画が実際にあり、それを東電のトップが却下したのですね」

 この経営陣の誤った判断を修正しようと努めた東電社員がいたことを、海渡弁護士は、次のように語っている。
海渡「この話は司法記者クラブで何度も話しているんですけどね。2008年9月10日の資料です。東電では、同年7月31日に津波対策をやらないことに決めました。その1か月後の耐震バックチェック説明会での議事録にこんなことが書かれています。

 まず、『津波は機微事項だから回収 議事メモには残さない』と記載されています。そういうことで配られたメモです。

 このメモには、『予備津波に関する学識経験者のこれまでの見解および推本の知見を完全に否定することが難しいことを考慮すると現状より大きな津波高を評価せざるをえないと想定され、津波対策は不可避』と書いてあります。つまり、武藤氏は津波対策を先延ばしにしろと言ったわけですが、現場の担当者はやる必要があると、あきらめきらないで粘り、訴えた人もいたということです。

 東電の当時の経営陣は、もう逃げられない。

 彼らは、法の裁きを受けるべきだし、あの原発事故により避難生活に苦しんでいる人や、甲状腺ガンを発症した若者たちに、永久に東電として補償しなければならない。

 「安全神話」を世間にまき散らし、「事故は起こらないこと」になっているとして、不可欠な自然災害への対策を講じなかった責任は、あまりにも大きい。

 「人災」を「天災」と誤魔化すことは、「天」が許さない。
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 「電力自由化」に関連するCMを、あちらこちらで目にするようになった。

 騙されてはいけないが、この「自由化」は、原子力ムラにとっての隠れ蓑でもある。
  日刊ゲンダイから引用する。(太字は管理人)
日刊ゲンダイの該当記事

値下げ競争の裏に原発再稼働 電力自由化に騙されるな
2016年3月9日

 来月から家庭向けの電力小売り自由化がスタートする。ガス会社や石油会社、商社など、全国で100社以上が新たに参入予定で、大手通信会社は携帯料金とのセット割を打ち出すなど、ド派手なCM合戦が連日、繰り広げられている。

 電気代が少しでも安くなるなら……と、乗り換えを検討している家庭も多いだろうが、電力自由化のお祭り騒ぎの裏には、経産省と原子力ムラの深謀遠慮があることを知っておくべきだ。

経産省は電力自由化後も、原発の廃炉費用を電気料金に転嫁する方針です。発電事業者が電力を各家庭に届けるため、自前でインフラ整備をすることは難しいので、既存の大手電力会社の送電網を使う。その際、電力会社に『託送料金』を支払いますが、そこに廃炉費用や電源開発促進税が上乗せされる。つまり、自由化で再生可能エネルギーを選んだ人も、一律に原発関連費用を負担することになるのです。どう見ても、原発再稼働ありきでつくられた仕組みで、完全な自由化とは程遠い。自由化で電力が安くなるといっても、せいぜい5%程度、電力大手の独占体制が崩れるわけでもない。消費者にとってのメリットより、電力会社が生き残ることを優先した仕組みにしか見えません。経産省と電力会社の間で、電力自由化を導入する代わりに、原発再稼働を強力に進めるという密約があったともいわれています」(ジャーナリスト・横田一氏)

 この度の電力自由化のどこが「自由」なのか。

 廃炉費用や電源開発促進税が上乗せされることを、大手メディアはほとんど伝えようとしない。

 3.11を目前にして、「あれから、五年」といった特別番組があちこちで組まれているが、この五年間で、いったい何を日本は学んだのか。

 たしかに、変わったこともあった。
 たとえば、「世界一きびしい規制」という、新たな“神話”が生み出されたことではないのか。

 実際には、規制は以前より緩くなったとしか思えない。
 一例として、「免震重要棟」は、まったく“重要視”されていない。

 そもそも、再稼働には「免震重要棟」の設置が大前提だった。新たな規制基準には「基準地震動による地震力に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにする」と明記されているが、それすら守られていない。九電は川内原発の再稼働後に、免震重要棟の新設計画を撤回してしまった。コスト削減のためだ。再稼働さえしてしまえば、後は何でもアリということか。こういうフザケた態度に出ても、原子力規制委は再稼働の許可を取り消そうとはしないのだから、やりたい放題になる。

 福島第1原発は、免震重要棟があったことが不幸中の幸いだった。事故対応の拠点として機能したことは周知の事実だ。にもかかわらず、コストを理由に電力会社は設置を見送る。免震重要棟は高浜原発にもないが、規制委は再稼働に「OK」を出したのだ。

免震重要棟が、安全基準ではなく『コスト』の問題として語られる。福島の悲惨な事故から何の教訓も得ていないのかと情けなくなります。海外に原発を売りまくり、倫理よりも利益を重視する安倍政権だから、こういうデタラメな論理がまかり通ってしまう。廃炉や核のゴミ処理、万が一の事故対応まで含めたら、原発のコストは本来、他のどの発電より莫大なのです。だから、国のエネルギー基本計画にも『運転コストが低廉』としか書かれていない。老朽原発を次々に動かそうとしているのも、新規に造るよりも既存の原発を動かした方が、当面の運転コストが安いという理由なのでしょう。コストを重視すれば、安全性はおざなりにされる。国民を危険にさらしてまで、コスト重視で再稼働に走るのは本末転倒です」(環境ジャーナリストの天笠啓祐氏)


 いまだに全国で避難生活を送る人が、2月末時点で17万人余りもいる状況では、とても復興したとは言えない。

 高浜原発の稼働には待ったがかかったが、原子力ムラは、手をこまねいて待っているわけではない。油断はできないのだ。

 「3.11」は、「当面のコスト」ではなく「長期的な安全」を選択する契機になるはずだったのではないか。

 いったい、この五年間は何だったのか・・・・・・。

 それを、あらためて問い直すことからしか、本当の復興、日本再生は始まらない。
 「電力自由化」という耳障りの良い言葉の影で、原発コストを国民に押し付ける原子力ムラの“自由”を、許すわけにはいかない。

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 老朽化原発まで再稼働させようとする安倍政権。

 その暴挙に対して、89歳の工学博士で絵本作家が、訴える声を届けたい。
 東京新聞から引用。
東京新聞の該当記事

原発、別の道ないのか 89歳加古里子さん「若者よ考えて」
2016年2月26日 14時05分

 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)が二十六日午後、再稼働する。「これでいいのか、一人一人が考えてほしい」。福井県出身で、工学博士の絵本作家、加古里子(かこさとし)さん(89)=神奈川県藤沢市=は本紙を通じ、若者たちにそう呼び掛ける。 (聞き手・高橋雅人)

 政府や電力会社は楽天家なんでしょう。こんど原発の事故が起きたら、とは考えないんでしょうね。

 かつて勤めていた化学メーカーが原子炉で使う重水をつくっていました。優秀な部下たちが、一生懸命に研究しましたが、とんと目鼻が付かなかった。

 原子力って産業としてはなかなか成り立たないんです。原料のウランから取るのは熱だけでエネルギー効率は悪い。温水を出すから環境にも良くない。安価といわれますが、事故が起きたときのことを考えれば決して安くない。ない、ない、ないの三拍子そろっている。

 それなのにどうして止められないのか。原子力の技術を高めながら、同時にプルトニウムも手に入る。研究者の間で、核兵器を持つことが狙いだろうって話が出たこともあります。

 私は十九歳で敗戦を迎えました。軍国少年の私は飛行機乗りになりたかった。大人の言うことを信用しきって現実を見ていなかったんです。

 敗戦で、大人たちは信用ならないと思った。多くの大人たちは勉強もしなければ、問題を解決しようともしない。それではもう未来はないと思って、子どもたちに(大人を妄信するという)私のような過ちはしてくれるなと訴えて生きてきました。

 今も似ています。大人たちが過去から学ばず、苦しいこと、嫌なこと、つらいことを後世に残そうとしている。原発で出た使用済み核燃料を(無害になるまでの)十万年置いておくと言うけれど、十年先だって分からないのに、十万年なんて…。偉い大人が真剣に考えて(使用済み核燃料を処理する)土地の皆さんを説得するか、原発を止めるかしないといけないけれど、突き詰めて考える姿勢が一つも見えない。

 だから若い人たちには未来を見つめてほしい。これでいいのか。もっと、いい道がないのか。多少、つらいこともあるかもしれないが、一歩一歩、小さいけれど、一ミリずつでもより良い道を探っていくのが一番の早道になるんじゃないか、と。

 何もしないのは見過ごすことと同じ。風力や太陽光発電を増やしながら、原発を一つずつでもなくしていく。できるはずです。身近な人と話をしたり、グループをつくったり、少しでも何かをしていこう。一人一人の自覚が高まれば未来は開けます。

 <かこ・さとし> 1926(大正15)年、福井県国高村(現越前市)生まれ。東京大工学部卒業後、化学メーカーに勤務する傍ら、福祉向上の活動に取り組む。59年に絵本「だむのおじさんたち」でデビュー。73年に退社し、創作活動に専念。代表作は「だるまちゃんとてんぐちゃん」などのだるまちゃんシリーズ、「からすのパンやさん」など。菊池寛賞など受賞多数。(東京新聞)

 今一度、肝腎な部分を。

“原子力って産業としてはなかなか成り立たないんです。原料のウランから取るのは熱だけでエネルギー効率は悪い。温水を出すから環境にも良くない。安価といわれますが、事故が起きたときのことを考えれば決して安くない。ない、ない、ないの三拍子そろっている”
 
 まったく、加古さんがおっしゃる通りだ。

“原子力の技術を高めながら、同時にプルトニウムも手に入る。研究者の間で、核兵器を持つことが狙いだろうって話が出たこともあります”

 世界は、原発にしがみつく日本の原子力ムラに対し、そういう目、要するに日本が原爆を作りたがっている、とみなしている。

“敗戦で、大人たちは信用ならないと思った。多くの大人たちは勉強もしなければ、問題を解決しようともしない。それではもう未来はないと思って、子どもたちに(大人を妄信するという)私のような過ちはしてくれるなと訴えて生きてきました”


 加古さんのような“大人”が少なすぎるのだ。

 “今も似ています。大人たちが過去から学ばず、苦しいこと、嫌なこと、つらいことを後世に残そうとしている”

 フクシマは、そのうち「負の世界遺産」に選ばれるかもしれないが、このままでは、その候補地が増えるばかり。

 今だけ、そして、金儲けだけ、という大人たちは、89歳の本当の大人の声に耳を傾けるべきだろう。

 原発は、いらない!

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 川内に続き、高浜原発の再稼働の恐れが出てきた。
47NEWS(共同通信)の該当記事
高浜原発再稼働認める
福井地裁が仮処分取り消し
2015年12月24日 14時17分

 福井地裁(林潤裁判長)は24日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を取り消した。地元同意の手続きも終えており、関電は1月下旬から順次運転を始めたいとしている。原子力規制委員会の審査に合格した原発では、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)に次ぐ再稼働となる見通し。

 福井地裁の樋口英明裁判長(名古屋家裁に異動)は4月14日、規制委の新規制基準を事実上否定、高浜3、4号機の再稼働を禁じた。関電は決定を不服として、福井地裁に異議を申し立てていた。


 直前に県知事が再稼働を同意する発言をして、司法決定の後押しをした。

 馬鹿な歴史が、また繰り返されようとしている。
 
 なぜ国も立地地域も、再稼働を望むのか・・・・・・。

 「人の命」より「金」の方が重くなるのが、相も変らぬ原発の構造的な問題だ。

 交付金という「麻薬」から地元が抜け出せないような仕組みそのものにメスを入れなければならないのだが、国(経産省)は、その「麻薬」切れの患者をいじめるような施策を実施している。

 要するに、原発を再稼働をしないと交付金を減らす、という脅しをかけているのだ。
 東京新聞の記事を引用。
東京新聞の該当記事

再稼働で交付金増減 自治体財政に「アメとムチ」
2015年8月12日

 経済産業省は二〇一六年度から、原発を抱える自治体に配る「電源立地地域対策交付金」を減額する方針を固めた。一五年度予算では再稼働した原発のある自治体に配る交付金を新設しており、政府は再稼働の有無によって自治体の財政を揺さぶり、再稼働への同意を促す狙いとみられる。露骨な「アメとムチ」に、識者から批判の声もあがる。

 同交付金は国が原発の稼働実績に応じて立地自治体に配分してきた。東京電力福島第一原発の事故後に全国の原発が停止した後も、国は地方財政への影響を和らげるため、全ての原発が「最大限十三カ月フル稼働して三カ月の定期検査を受ける」という理論値(稼働率81%)に基づき交付金を配ってきた。一五年度予算も、ほぼ前年並みの九百十二億円を計上している。

 しかし震災前の原発の稼働率は平均70%で、事故前より交付金額が増えた自治体もある。

 また、九州電力川内原発が再稼働したため「交付金の趣旨に従って」(経済産業省関係者)稼働していない原発と差をつける必要があると判断した。宮沢洋一経済産業相は十一日の記者会見で「現在の81%という割合はかなり高く、稼働実績などを踏まえて見直したい」と話した。

 一方、経産省は一五年度予算でも、原発の再稼働など「環境変化」(同省)した自治体に配る十五億円の交付金を新設。再稼働したら「アメ」、停止なら交付金減額の「ムチ」という姿勢を強めている。自治体が財政への影響を懸念し、交付金ほしさに原発の再稼働を求める可能性がある。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「カネで原発の再稼働を促せば、かえって原子力政策への反発を呼ぶ」と批判。福島大経済経営学類の清水修二特任教授(財政学)は「交付金は原発を維持推進する政策誘導に使われてきたが、今後は地元自治体が廃炉を選択しても交付を受けられるようにして、本格的な『廃炉時代』に移行するべきだ」と語った。 (吉田通夫)

 電源立地地域対策交付金は、かっての電源三法交付金の仕組みが2003年10月1日に法改正されて一つにまとめられたもので、原発立地地域への「迷惑料」であり、原発を稼働させなかればならないようにする「麻薬」であることに変わりはない。
 
 同交付金について、東京新聞は昨年12月に分かりやすい解説記事を掲載していたので、そちらからも「Q&A形式」の内容を引用したい。

東京新聞の該当記事
Q 電源立地地域対策交付金って何。
A 一九七四年に田中角栄内閣がつくったんだ。当時の中曽根康弘通商産業相は「原発をつくるところの住民に迷惑をかけているので還元しなければならない」と説明した。火力などすべての発電所のある自治体に配られるけど、制度の趣旨は原発という「迷惑施設」の受け入れを促すためだ。原資は電気料金に一世帯あたり月平均で約百円ずつ上乗せされる「電源開発促進税」の一部だ。

Q 私たちも負担しているわけね。国は自治体にどのぐらい渡しているの。
A 二〇一四年度当初予算では総額九百八十七億円だった。自治体が原発受け入れを決めると翌年度から支払いが始まり、運転開始後は発電実績に応じて額が決まる。経産省の一一年の最新パンフレットで、出力百三十五万キロワットの最新型原発を設置すれば五十年間で計約千三百六十億円もらえると紹介している。

Q 自治体はどんなことに使っているの。
A ほぼ自由で、保育園や消防署の人件費やごみ収集費など住民生活に欠かせない費目にも充てられている。原発がなくなると交付金をもらえなくなるから、自治体からは古い原発を廃炉にするのではなく建て替えを求める声も上がる。「原発マネー」はいったんもらうと抜け出せず、「麻薬」に例えられる。問題視する専門家もいるけど国も地方も改革の意識は薄い。

Q 今回、経産省は交付金制度を見直すはずだったのでは。
A 見直すといっても先祖返りにとどまる恐れがあるよ。すべての原発が停止しているが、政府は一二年度からすべての原発が81%稼働しているとみなして渡してきた。それを従来のように、原発が稼働する自治体に重点配分しようというんだ。原発マネーをほしがる地方自治体に、再稼働を急がせる思惑もありそうだ。

Q アメをぶら下げて自治体を動かそうというわけか。原発関連の補助金、交付金はほかにもあるの?
A 原発について広報するための交付金などたくさんある。自治体は原発に「核燃料税」という独自の税金もかけていて、やはり私たちの電気料金に上乗せされている。国はエネルギー基本計画で「原発への依存度を可能な限り下げる」と言っている。それなら廃炉になる原発を抱える自治体への交付金を増やして、廃炉を求めやすくするなど交付金の在り方も変える必要がある。
 なかなか良い記事だと思う。

 しかし、今日の福島地裁の記事、東京新聞の第一報は共同の配信記事だったなぁ。

 朝日も、東京も、政府に忖度せず、頑張ってくれよ!

 FIFAの汚職を暴くきっかけが、英国サンデー・タイムズの記者の勇敢な行動であったことを、ぜひ日本の新聞記者も考えて欲しい。


 何度も書いているが、第一に、長期的なエネルギー政策をどうするのかというビジョンを国は掲げなければならない。

 放射性廃棄物は日々増えるばかりで、その処理方法さえ決まっていない原発。
 人間性を無視した放射能が充満した場所での危険な労働を強いる原発。
 原発を稼働させるために、火力発電による大量の電気を必要としている事実。
 何より、大地震や津波、人為的なミスで巨大事故発生の可能性の高い原発。
 厳密に計算すれば、決して他の仕組みと比較して安いと言えない原発。

 長期的展望に立てば、原発が選ばれる可能性は、きわめて低い。
 
 そして、その長期計画に沿って、電源立地地域対策交付金などという「麻薬」を早急に断ち切り、立地地域が、原発に頼らずに再生できる方策を検討し、国や県は支援すべきである。

 なぜ、福島第一原発事故がいまだに収束していない状況で、他の原発の再稼働に踏み切るのか・・・・・・。

 日本は、過去に何も学ぶことのできない国であってはならない。
 
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