幸兵衛の小言

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安倍晋三という男は、“グローバル”という言葉が好きなようで頻繁に使うが、その“グローバル”な視点から言っても、昨日の彼の靖国参拝は、まったくの間違った行動である。

 今年の“昭和の日”に書いた内容と重複するが、なぜ靖国参拝が“グローバル”視点で間違いかを再度記したい。
2013年4月29日のブログ

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東郷和彦著『歴史認識を問い直す-靖国、慰安婦、領土問題』(角川ワンテーマ21)

 東郷和彦著『歴史認識を問い直す-靖国、慰安婦、領土問題』(角川ワンテーマ21、2013年4月10日初版発行)から、中国の靖国に関する考え方、いわゆる「周恩来テーゼ」について記されている部分を紹介。

 日本人一般がこのテーゼを一番初めに広く耳にしたのは、1972年9月25日、日中国交正常化の調印のために田中角栄首相一行が北京についた夜の歓迎夕食会で行われた周演説のようである。
「1894年から半生記にわたり、日本の軍国主義者による中国侵略によって、中国人民は重大な災害をうけ、日本国民もまた、大きな損害をうけました。
 先に起きたことを忘れず、後に起こることの手本とするという言葉がありますが、このような経験を我々はしっかりと覚えておかねばなりません。
 中国人民は、毛沢東主席の考えに従い、ごく少数の軍国主義者と日本国民を厳格に区別します」(『中国語ジャーナル』2002年9月・10月号)
 事柄の重要性にくらべ、この演説の存在はあまり知られていないようである。この夕食会で、田中首相が日中戦争に関して「迷惑をかけた」という表現を使ったことが中国側の不興を買い、翌日の公式会談で問題提起がなされる事態に大方の関心がいってしまったことによるかもしれない。
 しかしながら、この演説に出てきた考え方は、遡ること20年に及ぶことが解った。ノンフィクション作家の保阪正康氏が、2005年雑誌『現代』において、次のような指摘をしている。
「52年、中国ハルビンで日本のスケート選手を招待しようという計画が持ち上がった際、戦争で傷つけられた人たちの怒りが激しく、招待計画が中止になった事件が起きた。これを契機に周首相は、『こうした状態が続けば将来大変なことになると考え、そういう人たちに、日本人兵士もまたひとにぎりの軍事指導者に騙されていた犠牲者だと説得した』という」(『現代』「周恩来の『遺訓』を無視する首相の靖国参拝」2005年7月号、84~93ページ)
 (中略)
 結局中国の考え方は、①靖国神社には、日中人民の共通の敵である日本軍国主義者の代表たるA級戦犯が祀られている、②靖国神社に参拝するのは、A級戦犯に参拝することになる、③だから、靖国神社の参拝は許せないということになる



 中国政府が、周恩来テーゼを継承しているなら、現在の日本人に戦争責任を求めることはない。あくまで、過去の“軍国主義者”によって、日中両国の国民が犠牲になったのである。

 そして、この考え方をアメリカも追認していると考えてよいだろう。また、靖国に関しては韓国も同様の見解を持っていると察せられる。

 安倍政権が好きな言葉、“グローバル”な視点とは、地球的視野で未来志向で考えるということだとするなら、実はこういう中国側の、あの戦争への“けじめ”のつけ方にこそ“グローバル”という言葉があてはまるのではなかろうか。

 せっかく、「過去のことは水に流そう」と言ってくれているのに、安倍は「村山語録」を見直そうとしたり、憲法改正を言い出し、靖国参拝を強行する。

 せっかく“けじめ”をつけて前に進もうとするアジアの隣人にとって、安倍の態度や行動は、歴史を逆行させようとする行為としか映らない。中国や韓国から見れば、まさに安倍は軍国主義者日本の象徴なのである。

 そして、安倍の靖国参拝は外交面のみならず、経済活動においても影響している。せっかく素晴らしい日本の製品を中国や韓国の現場の人たちが評価し上申しても、最終的には発注に至らないケースが頻出している。経営者の忖度であったり中国政府筋からの明確な指示があるのだ。こういった産業面での悪影響があることを安倍政権の政治家や官僚はどこまで当事者として認識しているのだろうか。残念ながら経団連などの産業界の組織は、安倍の暴走を引き留める役割を果たしていない。

 安倍の周囲には靖国参拝を奨励したり是認する者しかいないのだろうか。そうだとしたら、彼等には“グローバル”などと言う言葉を軽々しく発言して欲しくない。安倍と彼を取り巻く連中は、永田町と霞が関という狭い地域にのみ生息する、まったく“ローカル”な“井の中の蛙”なのである。
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by koubeinokogoto | 2013-12-27 06:38 | 戦争反対 | Comments(2)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛