幸兵衛の小言

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 「もんじゅ」問題で、あらためて明らかになっているが、原発は、核燃料サイクルという実現性の低い仕組みを含め、とんでもなく「高い」のシステムだ。

 せっかく「もんじゅ」のことがニュースになっていることを契機として、メディアが原発のコストについてメスを入れないものかと思っていたら、東京新聞の社説で、久しぶり(?)に、いいことを書いていた。

 東京新聞の19日の社説の全文をご紹介。(太字は管理人)
東京新聞の該当社説

【社説】
原発ゼロへ再考を 原子力は高くつく
2015年11月19日

 きょうは原発推進の人たちにとくに読んでいただきたい。原子力発電は結局、高くつく。そろばんを弾(はじ)き直し、原発ゼロへと考え直してみませんか。

 やっぱり金食い虫でした。

 原子力規制委員会が日本原子力研究開発機構に示した、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営を「ほかの誰かと交代せよ」との退場勧告は、その操りにくさ、もろさ、危険さを、あらためて浮かび上がらせた。

 そして、本紙がまとめた「核燃料サイクル事業の費用一覧」(十七日朝刊)からは、もんじゅを核とする核燃料サイクルという国策が、半世紀にわたって費やした血税の大きさを実感させられる。

◆巨費12兆円を投じて

 原発で使用済みの核燃料からプルトニウムを抽出(再処理)し、ウランと混ぜ合わせてつくったMOX燃料を、特殊な原子炉で繰り返し利用する-。それが核燃料サイクルだ。

 その上もんじゅは、発電しながら燃料のプルトニウムを増やしてくれる。だから増殖炉。資源小国日本には準国産エネルギーをという触れ込みだった。

 それへ少なくとも十二兆円以上-。もんじゅの開発、再処理工場(青森県六ケ所村)建設など、核燃サイクルに費やされた事業費だ。

 国産ジェット機MRJの開発費が約千八百億円、小惑星探査機「はやぶさ2」は打ち上げ費用を含めて二百九十億円、膨らみ上がって撤回された新国立競技場の建設費が二千五百二十億円…。

 十二兆円とはフィンランドの国家予算並みである。

◆1日5500万円も

 ところが、もんじゅは事故や不祥事、不手際続きで、この二十年間、ほとんど稼働していない。止まったままでも一日五千五百万円という高い維持管理費がかかる。

 もんじゅは冷却に水ではなく、大量の液体ナトリウムを使う仕組みになっている。

 ナトリウムの融点は九八度。固まらないように電熱線で常時温めておく必要がある。千七百トンのナトリウム。年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上り、電気代だけで月一億円にもなるという。

 発電できない原子炉が、膨大な電力を必要とするという、皮肉な存在なのである。

 もんじゅ以外の施設にも、トラブルがつきまとう。さらなる安全対策のため、再処理工場は三年先、MOX燃料工場は四年先まで、完成時期が延期になった。MOX燃料工場は五回目、再処理工場に至っては、二十三回目の延期である。

 研究や開発は否定しないが、事ここに至っては、もはや成否は明らかだ。これ以上お金をつぎ込むことは是とはされまい。

 核燃料サイクルが、日本の原子力政策の根幹ならば、それはコストの面からも、根本的な見直しを迫られていると言えそうだ。

 欧米で原発の新増設が進まないのは、3・11以降、原発の安全性のハードルが高くなったからである。

 対策を講ずるほど費用はかかる。原発は結局高くつく

 風力や太陽光など再生可能エネルギーにかかる費用は普及、量産によって急速に低くなってきた。

 国際エネルギー機関(IEA)の最新の報告では、太陽光の発電コストは、五年前より六割も安くなったという。

 ドイツの脱原発政策も、哲学だけでは語れない。冷静に利益を弾いた上での大転換だ。

 原子力や輸入の化石燃料に頼り続けていくよりも、再生エネを増やした方が、将来的には電力の値段が下がり、雇用も増やすことができるという展望があるからだ。

◆そろばん弾き直そう

 核燃料サイクル事業には、毎年千六百億円もの維持費がかかる。

 その予算を再エネ事業に振り向けて、エネルギー自給の新たな夢を開くべきではないか。

 電力会社は政府の強い後押しを得て、核のごみを安全に処理するあてもまだないままに、原発再稼働をひたすら急ぐ。

 金食い虫の原発にこのまま依存し続けていくことが、本当に私たち自身や子どもたちの将来、地域の利益や国益にもかなうのか。政治は、その是非を国民に問うたらいい

 持続可能で豊かな社会へ向けて、そろばんをいま一度弾き直してみるべきだ。

 まったく同感である。

 原子力ムラの政治家は、同じ穴のムジナたちへの便宜供与をすることで、金銭的な見返り、投票という形のキックバックを得ているのだろうが、原発の高コスト構造が国の財政を圧迫していることを直視すべきである。

 この社説にある「核燃料サイクル事業の費用一覧」(十七日朝刊)の記事からも、引用したい。
 『原発のコスト――エネルギー転換への視点』(岩波新書 2011年、第12回大佛次郎論壇賞受賞)の著者である大島堅一立命館大学教授のコメント。

東京新聞の該当記事

◆見切りつける好機

<大島堅一・立命館大教授(環境経済学)の話> 実現の見通しが立たない核燃料サイクルに、十二兆円以上が費やされてきた事実は深刻に受け止める必要がある。何も生み出さない事業に、今後も毎年千六百億円ずつ消えていくのは、民間企業ではあり得ず、異常な事態といえる。(もんじゅ問題は)核燃サイクルに見切りをつける大きな好機ではないか。国民も、自分のお金が税金や電気料金の一部として、見込みのない事業に使われている現実をよく考える必要がある。

 東京新聞は、原発問題に関し大島教授のコメントをたびたび紹介しており、拙ブログでも何度か引用している。

 大島教授のごく真っ当な指摘に対し、政府や電力会社など原子力ムラは、詭弁と数字の誤魔化しで「原発は安い」と、今でも抵抗しているが、これは、あらたな「原発神話」づくりをしている、ということだ。

 そんな馬鹿な歴史は繰り返して欲しくない、と思うのだが、集団的自衛権、南シナ海への自衛隊派遣、などの文句が新聞に載る今日の状況は、メディアの「大本営発表」回帰をも危惧させるではないか。


 さて、17日の東京新聞から、「12兆円」を説明する、「核燃料サイクル事業」の図も拝借。

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 「もんじゅ」はもちろんのこと、原発も核燃料サイクルなんて幻想も、まったく必要ない。

 危険であることに加え、財政的にも巨額の費用がかかり、国民を圧迫するシステムを早急にやめなければならない。

 その代わりに、長期的なエネルギー問題をしっかり議論し、ドイツを見習うなどで、再生可能エネルギーへの転換を実現するために日本の英知を集め、熱い心で挑戦しなければならないと思う。

 ノーベル賞だけで評価はできないものの、かつて自然と共生してきた我々日本人には、再生可能エネルギー中心の生活をするための「文殊の知恵」が、必ず浮かぶと思っている。

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by koubeinokogoto | 2015-11-20 12:57 | 原発はいらない | Comments(0)

 安倍政権がいかにアメリカに追従しているかが、「勲章」にまで表れている、という日刊ゲンダイの記事からご紹介。
日刊ゲンダイの該当記事


米国の“戦争屋”2人に旭日大綬章…安倍ポチ政権の恥知らず
2015年11月5日

 今年秋の叙勲受章者が3日に発表されたが、かつての勲一等、「旭日大綬章」の名簿に驚いた。受章した19人のうち日本人は7人。半数以上の12人が外国人だった。

 外国人の受章者数は過去最多。一番多いのは米国で5人が受章する。その面々にはさらに驚く。大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官とアーミテージ元国務副長官にまで、日本は勲章を贈るのだ。

 2人への叙勲を推薦したのは外務省儀典官室。授章を決めた内閣府は、「戦後70年の節目ということで、戦後日本の平和と発展の重要な基盤を形成した日米関係の増進に大きな功績のあった方々を特に推薦した、と外務省から説明された」(賞勲局の担当者)と言うのだが、ちっともピンとこない。2人とも「日本の平和と発展の基盤を形成」するどころか、ぶっ壊してきたではないか。

 ラムズフェルドはイラク開戦直後から自衛隊に再三「イラクの治安維持」への参加を打診。日本政府に集団的自衛権の行使をたき付けた人物だし、日本を飼い慣らす「ジャパンハンドラー」として知られるアーミテージは、もっと露骨だ。

 9.11テロ以降、「ショウ・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と恫喝し、日本政府に軍国化を迫ってきただけではない。3年前に公表した「第3次アーミテージ・リポート」では、日本の原発再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の撤廃を要求。安倍政権は言われるがまま、実現してきた。

「安倍政権が強引に成立させた安保法制も、リポートの中身を実現させたものです。アーミテージは『集団的自衛の禁止が日米間の障害』などと断定的に記しています。今や自衛隊は米軍の下請けとなり、安倍政権も元請けのオバマ政権への従属を隠そうとしない。叙勲制度を利用してまで、米国にゴマをするとは、独立国としての誇りを完全に失っています」(政治評論家・森田実氏)

 かつて「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近い」とホザいた太田誠一元農相まで旭日大綬章を受章するご時世だ。いくら勲章の価値が落ちているとはいえ、戦争屋2人にくれてやる必要はない。

「第三次アーミテージ・ナイレポート」については、7月に二度記事を書いた。
2015年7月16日のブログ
2015年7月21日のブログ

 ゲンダイの記事にもあるが、太田誠一なども含め、この秋に「旧勲一等」である「旭日大綬章」を受勲したのは次の人たち。
 アメリカ政府関係者を太くする。
 ちなみに、石原慎太郎は今春、受勲している。

 太田誠一(総務庁長官)
 清原武彦(産経新聞社会長)
 白川勝彦(自治大臣)
 細川律夫(厚生労働大臣)
 幕田圭一(東北電力会長)
 村田吉隆(国家公安委員長)
 横田尤孝(最高裁判所判事)
 ドナルド・ラムズフェルド(アメリカ国防長官)
 リチャード・アーミテージ(アメリカ国務副長官)
 ブレント・スコウクロフト(アメリカ国家安全保障担当大統領補佐官)
 サンディー・バーガー(アメリカ国家安全保障担当大統領補佐官)
 ジェイムズ・A・ベイカー(アメリカ国務長官)
 マリオ・モンティ(イタリア首相)
 アフターブ・セット(駐日インド大使)
 柳明桓(駐日韓国大使)
 ヤーノシュ・マルトニー(ハンガリー外相)
 ジュンイチ・サイトウ(ブラジル空軍司令官)
 ヘルマン・ファン・ロンパウ(欧州連合大統領)
 ジャック・サンテール(ルクセンブルク首相)

 2003年に栄典制度が変わってから、これだけ外国人が、とりわけアメリカ人が受勲するのは、初めてのことだ。
 
 ラムズフェルドは、アメリカの軍産複合体を体現する人物として日本に集団的自衛権を要求してきたことのみならず、世界中の人たちの健康を害する悪行をしてきた人物。
 彼は、1980年代に政治との関係を保ちながら、製薬会社GDサールの会長兼CEOを務めていた。彼はワシントンの人脈を利用して、食品医薬品局(FDA)に、危険な添加物との指摘の多い人工甘味料「アスパルテーム」の販売を許可させた男だ。ちなみに、GDサールは、遺伝子組み換え作物や農薬などの巨大企業モンサントの傘下。

 ラムズフェルドやアーミテージに勲一等を授与することからも、安倍政権がどこを見て政治を行っているかは明白。
 国民のことなど、安倍の視野には入っていない。

 どこまでも“アメリカ様”の思うままであり、それは、TPPしかりであり、辺野古問題にもつながっている。

 なぜ、日本を戦争ができる国にすべく行動してきたアメリカ人が、日本の最高勲章を受勲するのか。

 この問題を全国紙やテレビが取り上げない状況にも、あきれるばかりだ。

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by koubeinokogoto | 2015-11-06 20:27 | 責任者出て来い! | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛