「ほっ」と。キャンペーン

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 今や、本当のこと、また、権力者が隠そうとしていることを知るには、特定のミニメディアかSNSしかなくなってきた。


 その貴重なメディアの一つと言ってよいだろう、LITERAの記事から。
LITERAの該当記事
 ポケモンGOを、政府与党が利用しようとしていることなどを指摘した後で、次のようなニュースを紹介している。
 先週、シリアで西側の支援を受ける活動家や反体制派の統一組織である「シリア国民連合」が、ポケモンのイラストを手に持った現地の子どもたちの写真を発表。可愛らしいピカチュウの絵の下には、「助けに来て」という叫びが刻まれていた。
 また、自身も難民であるシリア人グラフィックデザイナー、サイフ・ターハンさんは、ポケモンGOを模した架空のゲーム「シリアGO」の画面を作品として公開した。これは、先進国でポケモンを探す代わりに、衣料品や学習のための教科書など、いま実際にシリアで必要なものを紛争地で見つけ、モンスターボール(ポケモンを捕縛する玉)で捕まえるというゲームだ。

 これらはSNS で一気に拡散し、世界中で大きなニュースになった。欧米各国の主要メディアもこぞって、このメッセージを取り上げ、改めてシリアの子どもたちの惨状をクローズアップした。

 ところが、日本のテレビや新聞はこのメッセージをほとんど報じなかった。また、これらを取り上げたニュースも、多くは「シリアでもポケモン人気を使って子どもたちの惨状を訴える動きがあった」という表層的なものだった。

 しかし、シリアから発せられたメッセージは、たんなるポケモンを使ったPRなどではない。ポケモンGOブームへの批判的な意味合いも込められたものだ。たとえば、これを報じた英BBCは、ウェブサイトの日本向けの翻訳記事で、このように記している。

「ポケモンの絵を掲げた子どもたちの写真は、ソーシャル・メディアで多くの人が共有した。そこに込められたメッセージは次のようなものだろう。不思議な想像上の生き物を追いかける暇があるなら、なぜ、戦火の下で大きくなる子どもたちを助けに来ないのだと」

 このニュースは、BBCのNews Japanのページで日本語版を確認することができる。
BBCニュースの該当記事

「僕を助けに来て」 ポケモンGO人気をシリアの子供支援に
2016年07月22日
エド・メイン記者、BBCトレンディング
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内戦が5年以上続き、対立に終わりが見えないシリア。あらためて世界の関心を集めようとするのは至難の業だ。

たる爆弾や自爆攻撃、拷問や飢える市民についてのショッキングなニュースも、何度も繰り返されるうち、シリアから遠く離れた場所にいる多くの人の心を動かさなくなってしまう。

そんな状況を変えるため、シリアの活動家たちが取った手段は、ゲームアプリ「ポケモンGO」の世界的な大ブームを十二分に活用することだ。

拡張現実のゲームの中にいるピカチュウやゼニガメ、ビードルなどのモンスターたちが、戦争の残酷な現実を伝えるため、非公式に駆り出された。

「シリア革命軍(RFS)メディア・オフィス」という名の反体制派活動家たちは今週、ポケモンの絵を掲げるシリアの子どもたちの写真を発表している。

それぞれのポケモンの絵には短いキャプションが付けられ、絵を持つ子どもが、シリア北部の反体制派の支配地域にあるどの町や村にいるのかを教えてくれる。下の写真の絵には「イドリブ県のカフル・ナブルに住んでいます。助けに来て」と書いてある。
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 ポケモンGOの流行について、コメンテーターなる“にぎやかし”タレントの感想や、どうでもいいつぶやきのことなどで時間と空間を一杯にしている日本のメディアとは、まったく視点が違う。

 BBCの記事の引用を続ける。
シリア国外のアーティストたちも、ポケモンを使ってメッセージを伝えようとしている。記事冒頭の作品は、現在スウェーデンに住むシリア人のムスタファ・ジャノさんのものだ。ジャノさんがフェイスブックに投稿した作品群のひとつで、戦争を逃れた多くの難民が命の危険を冒して海を渡り、欧州での不確かな未来に向かっていく姿に、ポケモンたちが加えられている。

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ジャノさんのある投稿には、スウェーデンの小説家ヨナス・ガーデル氏の言葉が引用されている。「おじいちゃん、世界がひどいことになってた2016年の夏には何をしていたの? ああ、愛する孫たち、おじいちゃんたちは電話でポケモンを探していたんだよ」。

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デンマークでは、サイフ・ターハンという名前のシリア人グラフィック・デザイナーがポケモンGOの特徴的なインターフェースから着想を得て、現実には存在しないゲーム「シリアGO」をプレーしている様子を作品にした。ポケモンを探す代わりに、安全や教育、医療物資など、戦争に巻き込まれた市民たちに欠乏した生活必需品を探すゲームだ。

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 すべての文章と画像を引用しているのではないので、ぜひ、BBCの記事をご覧のほどを。

 SNSは、あくまで道具である。

 ポケモンGOに賛成だとか反対だとかつぶやいたりするのは、その人の自由だ。
 しかし、思いつきに近い舌足らずな発言をそのまま垂れ流したり、つぶやき同士で喧嘩を煽ったりするのは、メディアの仕事とは思えない。

 そのSNSという道具で、戦争の悲惨さを、ユーモア精神を失わずに伝えようとする人々が世界に存在する。
 そういう事実こそ、メディアは明らかにすべきではないのか。

 もし、日本の子供たちが、世界では自分と同じように遊ぶことができない子供が大勢いることを知ることができたら、それもポケモンGOを通じた効果なのかもしれない。

 “おじいちゃん、世界がひどいことになってた2016年の夏には何をしていたの? ああ、愛する孫たち、おじいちゃんたちは電話でポケモンを探していたんだよ”

 今、危険な街歩きに夢中になっている日本の若者が、将来、記事の中にあるこの会話を孫とすることになってもいいのか・・・・・・。

 まだ先のこと、なんて言っているうちに、そんな年齢には、すぐになってしまうんだよ、君たち。まさに、私がそうだったのだから。

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 都知事選は、宇都宮さんが出馬辞退した時点で、興味を失っていた。

 それにしても、「週刊文春」といい「週刊新潮」といい、そして、自ら調査することもなく週刊誌報道を拡散するだけのテレビなども含め、揃って鳥越叩きである。

 調査報道を主体とする、数少ない真っ当なメディアHUNTERが、まさに真っ当な疑問を呈しているので、引用する。
HUNTERの該当記事

東京都知事選 文春スキャンダル報道への疑問
2016年7月22日 09:50

 週刊誌に事を公にする場合の基準なり内規なりがあるのかどうか分からないが、“話題になって売れればいい”というのが本音だろう。
 21日発売の「週刊文春」が打ち上げた鳥越俊太郎氏の女性スキャンダルは、東京都知事選挙に立候補している同氏に“裏の顔”があり、大学生(当時)への淫行に及んでいたというもの。「疑惑」と断りながら、選挙期間中、しかも鳥越氏を含む主要候補が接戦を演じていることが報じられている中での記事は、なんと14年前の出来事を掘り返したものだった。
 鳥越陣営ならずとも、「選挙妨害」を疑わざるを得ない内容。問題の記事を子細に見てみると、いくつもの疑問点が浮かび上がってくる。


当事者の証言なし 補強は「関係者の話」

 問題の記事は、14年前の2002年、鳥越氏が私立大学の女子学生を別荘に連れて行き、みだらな行為に及んだというもの。タイトルに「疑惑」とあるが、記事の内容は鳥越氏をクロと断定した形となっている。文春に告発したのは、女子学生の元恋人で、現在は夫となっている男性ということになっている。

 一読して感じるのは、断定的に書きながら確かな裏付けがないということ。元女子大生の肉声は一度も出てこず、顛末を語っているが夫だという男性だけなのだ。文春側が元女子大生に会って話を聞いた形跡もなく、“裏をとった”と胸を張れる内容ではない。

 記事の補強材料として使っているのが、告発者が鳥越氏に出したというメールの画面と元女子大生が通っていたという「私立大の関係者」。さらに、鳥越氏の人格を否定するために、同氏の古巣である「毎日新聞OB」と「テレビ朝日関係者」の話を紹介している。週刊誌の記事に信頼がおけないのは、この「関係者」という表現を多用すること。情報源の秘匿だという言い訳が聞こえてきそうだが、告発者は別として文春報道に実名で登場するのは鳥越氏本人だけ。あとは、存在さえ怪しいというのがこの記事の実態だ。

 「テレビ朝日関係者」の話の前振りに≪こんな声も少なくない≫とあるが、「少なくない」とは「多い」と同義。しかし、テレビ朝日の内部で、鳥越氏は女好きなどという話など聞いたことがない。淫行疑惑報道の発端であるかのように書かれている「私立大関係者」のコメントにしても、この関係者がどのような立場で、いかにして鳥越氏と元女子大生の話を確認したのか不明。“関係者の話”で逃げを打つのは週刊誌の常套手段だが、捏造だとすれば極めてタチが悪い。


証拠のメール画面に強要の疑いも

 補強材料の無理は、本筋の話が弱いことを意味している。元女子大生本人が出てこないのだから、“淫行”前後の話はほとんど伝聞に基づくもの。『……という。』表現ばかりが続く内容だ。力強く描かれているのは、告発者の男性が鳥越氏と会ったという場面だけ。甘利明元経済再生担当相を追い込んだ記事のような「動かぬ証拠」は皆無である。

 唯一の証拠というのが前述の告発者が鳥越氏に出したというメールの画面。告発男性は、2014年に自分が関わったイベントに鳥越氏が出演することがわかり、出演をキャンセルするようメールで頼んだというのである。不可解というしかない。12年前の出来事。しかも、鳥越氏はテレビ出演の機会が多く、顔を見ない時期は少なかったはず。告発男性は≪自分にとって大事なイベントを汚される気がした≫(文春の記事より)としているが、相手を困らせイベント出演を止めさせたとすれば、強要ととられてもおかしくない行為であろう。

 この記事でも指摘される「関係者」には、いろんな人が含まれていそうだ。
 
 昨今の「文春」としては、伝聞情報ばかりで信憑性に欠ける、何とも切れ味の悪い記事。

 なぜ、こんな記事が出たのか・・・何らかの力が背後で働いたと思うのが普通だろう。

 「日刊ゲンダイ」は、「小沢潰し」と同じ構造であると指摘している。

「日刊ゲンダイ」の該当記事

小沢事件と同じ構図…大メディア横並び“鳥越叩き”の異常
2016年7月25日

 ちょっとどころじゃない。かなり異常な事態だろう。都知事選に出馬している野党統一候補のジャーナリスト、鳥越俊太郎氏(76)に対する週刊誌スキャンダルで、一部を除く新聞・テレビが「疑惑」と称し、横並びで鳥越氏をガンガン叩きまくっていることである。

 候補者とはいえ、選挙に出馬表明し、“公人”となった以上、法令違反などが確認されれば批判にさらされるのはやむを得ない。辞職した舛添要一前都知事が連日、新聞・テレビにぶっ叩かれたのも、公用車の私的利用や、多額の政治資金の身内企業への還流――といった具体的な事実が確認されたためだ。

 しかし、今回の鳥越氏のケースは果たして舛添氏と同じなのか。腑に落ちないのは、そろって「根拠」は週刊誌報道だけという点だ。百歩譲ってメディアが都知事としての「資質を問う」意味で、鳥越氏を叩いているのであれば、日刊ゲンダイが繰り返し取り上げている小池百合子氏の不可解な政治資金の流れもキッチリ調べて報じるべきだろう。2代続けて都知事が「政治とカネ」問題で辞職したのだ。これ以上、同じ轍を踏まないためにも徹底的に追及するべきだし、フワフワした「疑惑」よりもよっぽど取り上げる意味がある。

 まったくゲンダイの指摘の通りだ。
 「生活の小沢一郎代表を叩きまくった『小沢事件』と同じ構図です。当時もメディアは検察リークに乗って小沢代表を犯人扱いして大々的に『疑惑』報道したが、結果、小沢代表は無罪でした。今回だって鳥越候補は事実無根と強調しているのに、構わず袋叩き。選挙期間中だけにイメージ低下は避けられないでしょう。鳥越氏側は東京地検に公選法違反の疑いなどで刑事告訴しましたが、結論が出るときには選挙は終わっている。これで本当に事実無根となったら、メディアはどう責任を取るつもりなのか」(司法ジャーナリスト)

 「デ・ジャブ」、なのだ。
 小沢の次は、鳥越なのである。

 「小沢潰し」については、2012年の4月に、兄弟ブログ「噺の話」において、カレル・ヴァン・ウォルフレンの『誰が小沢一郎を殺すのか?』文庫版から小沢一郎との公開対談の引用を含む記事を書いた。
「噺の話」の該当記事

 「週刊文春」2012年6月14日号で、小沢一郎が放射能が怖くて逃亡した、などという記事が載った。
 今ではほとんどすべてが嘘っぱちだったことが明らかになっているが、あの当時のイメージダウンは大きかった。
 いまだに、あの記事を信じている人さえいる。
 当時、小沢が東京にいて、ご本人はすぐにでも被災地に行きたがったが、現地の混乱を避けることと、周囲の反対で現地入りしなかったことが、多数の方から裏付けされている。小沢は達増岩手県知事と電話で話をして、被災地対策に関する彼の考えを伝えている。

 小沢一郎は、あの馬鹿げた週刊誌報道に、いちいち食ってかかる愚を避けて沈黙を守ったのだが、今や日本のメディアは週刊誌を中心に動いている、という認識が薄かったと言えるだろう。
 今の世の中、沈黙は金ではなくなった。言った者が勝ち、という風潮が蔓延っている。

 それにしても、この国のメディアは、誰の味方なのか・・・・・・。

 そして、今回の鳥越の記事を含め、その背後にあるのはいったい何か・・・・・・。

 小池の政治資金規正法違反の疑いのみならず、増田寛也にしても、県知事時代に財政を大幅に悪化させたという、本来の首長としての評価の低さのみならず、探ればいくらでも追及すべきネタはある。

 たとえば、「ビジネス・ジャーナル」には、次のような記事がある。
「ビジネス・ジャーナル」の該当記事

 岩手県知事を務めた3期12年の間に、就任前に6000億円余りだった岩手県の公債費を1兆2000億円強にほぼ倍増させた挙句、低迷した財政の再建策を打ち出すこともなく東京に戻ったことから、「岩手を捨てて逃げた」と批判する声も多い。
 本来は、自治体の首長の選挙なのだから、同じような経験をしている増田について、過去の実績を確認するのは当然だと思うが、大手メディアでこのようなことは、まったく報じられない。

 もっと、問題なのは、次のことだ。
 増田氏は2010年11月に 内閣府原子力委員会新大綱策定会議構成員に就任し、福島第一原子力発電所事故発生後、被害者への損害賠償や廃炉を支援する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の運営委員を務めた。そしてその後、東電の社外取締役となった。東電は告示の前日である13日に、増田氏は7月8日付で辞任したと公表した。
 つい今月の8日まで東電の社外取締役だった男が、都知事になったら、果たしてどのような電力政策を立てるのか。
 
 脱原発とは、正反対の位置に彼は存在すると思われてならない。

 橋下が、やたらと鳥越に噛みついているツイッターでの単なる“つぶやき”を、産経が盛んに垂れ流しているが、もはや新聞とはいえない。

 確信犯とも言える産経、読売に限らず、「週刊文春」であれ「週刊新潮」であれ、もはや、国民の味方ではない。
 
 彼らは自分たちの雑誌が売れることが第一、そして同じ位に重要なこととが、お上に睨まれないことなのだ。
 産経、読売はもちろんのこと、文春や新潮だって、すでに、国家の犬に成り下がりかねない状況にある。

 歴史は繰り返す。小沢一郎を潰したことを考えれば、鳥越などは簡単、というのが、権力者の思いに違いない。

 そして、その策略は実りつつある。

 実に恐ろしい時代になったものだ。

 2012年4月27日の「噺の話」の記事を、私は次のように締めくくった。 
 これからの日本がどうなるのか、それは消されかけていた小沢一郎が政治の舞台で再生できるかどうかにかかっていると思う。大震災の被災地出身の小沢なら、今の日本における課題の優先順位を間違えることはないように思うが、まだまだ「画策者なき陰謀」は続くのだろうか。特に“ベテラン”と言われるマスコミ人に小沢は評判が悪い。それは、彼らが小沢一郎のダーティイメージをこれまで目一杯発信し続け、たとえば小泉を持ち上げてきたのだから当然とも言える。

 国民の“支持”と“人気”の、ビミョウな違いを峻別し、あくまで誰に任せたら日本が世界の中で馬鹿にされず、尊敬される国になるのかを、今こそ自分自身で考える、それが一人一人に求められているのではなかろうか。いざとなれば、自分の生命を国のために預ける、そんな了見を持った政治家が必要なのだ。

 小沢一郎が復権することはなかった。
 それは、彼の政治家としての実力がなかったからではない。
 私は、誰か一人、日本の将来を託したい政治家を選ぶなら、いまも小沢一郎を選ぶ。
 しかし、見事にメディアが団結(?)した“小沢潰し”が成功してしまった。 

 イメージの時代は、メディアによって特定の人物の虚像を作ることのできる時代、ということでもある。

 ニュースに対する審美眼、いわゆる、メディアリテラシーが国民にこれだけ求められている時代はないかもしれない。なぜなら、ほとんどのメディアの立ち位置は、庶民の側ではないのだから。
 

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 「LITERA」の記事で、亡くなった大橋巨泉さんが、「週刊現代」のコラム「今週の遺言」で、安倍首相批判を書いていたにも関わらず、大手メディアがほとんど無視していることを指摘している。

 一部引用する。
「LITERA」の該当記事

 本サイトでも以前、紹介したように、巨泉氏は「週刊現代」(講談社)7月9日号掲載の連載コラム「今週の遺言」最終回で、すでに病が身体を蝕んでいることを綴っていた。だが、それでも巨泉氏は〈このままでは死んでも死にきれない〉と綴り、直後に迫った参院選について、読者にメッセージを送っていた。

〈今のボクにはこれ以上の体力も気力もありません。だが今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずな事が連日報道されている。書きたい事や言いたい事は山ほどあるのだが、許して下さい。しかしこのままでは死んでも死にきれないので、最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです〉

 まさに、このメッセージが巨泉氏にとってほんとうに最後の遺言となってしまったわけだが、しかし、ワイドショーやニュース番組はこの巨泉氏の遺言をことごとく無視。ベテラン司会者としての仕事を紹介するに留め、『報道ステーション』(テレビ朝日)でさえ最後のコラムの〈今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずなことが連日報道されている〉という部分までしか紹介しなかった。安倍首相について言及した部分まで報じたのは、『NEWS23』(TBS)だけだ。

 肝腎な部分を、太字で再度。

 “最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです”

 参院選の結果は、ご存じの通り。

 記事掲載が先だった「LITERA」を最初に紹介したのだが、“週刊”ではなく“日刊”のゲンダイも、もちろんこの巨泉さんの遺言のことをテレビで共演した岡崎有紀のコメントなどと一緒に記事にしている。
「日刊ゲンダイ」の該当記事

 重複部分を避け、同紙のインタビューで巨泉さんが語っていたことを引用。
 14年5月の本紙インタビューでは「僕は、ポピュリズムの権化のような安倍首相をまったく信用しない」「彼にとって、経済はムードをあおる手段に過ぎず、本当にやりたいのは憲法改正であり、日本を『戦争ができる国』に変えることでしょう。法衣の下に鎧を隠しているような男の言動にだまされてはいけません」「マトモな批判さえ許さない戦前みたいな“空気”を今の日本に感じる」と警鐘を鳴らしていたものだ。

 ブラウン管からのイメージとは違う、骨太のジャーナリストだったことが分かる。

 残念ながら、巨泉さんの遺言は、参院選で生かすことができなかった。

 野党が統一名簿を作ることができず、みすみす与党の独走を許してしまった。

 その責任は、もちろん民進党にある。

 三年前よりはマシ、などと言っている場合ではない。

 民進党に右派が残っている状況で、とても共産党と協調できるはずもない。

 都知事選に蓮舫が出馬しなかった(できなかった)のも、民進党右派が、自民党の手先となって画策したのではないかと思っている。


 こうなったら、蓮舫に民進党代表になってもらい、自民党の手先のような連中を、バッサリ切ってもらうのを期待するしかないかなぁ。

 その時は、彼女に「戦争しなきゃだめなんですか!」と、彼らに迫ってもらおう。

 あらためて、巨泉さんの遺言。

 メディアは、大先輩の言葉を無視するな。
 
 もし、巨泉さんなら、都知事選について、どうおっしゃっただろうか。
 少なくとも、安倍に近い人物への投票に反対するに違いない。
 
 最後まで日本の現状を憂いながら旅立った大橋巨泉さんのご冥福をお祈りする。

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 参院選の結果は、ある程度は予想していたものの、日本の将来を懸念させるのは事実だ。
 野党が統一名簿を作成できなかった時点で、結果は見えていたのだが、それにしても、民進党の体たらくぶりには、いらだつばかり。
 
 メディアも、ほとんど真っ当な選挙報道をしたと思えない。

 そのことについて、遅ればせながら、日刊ゲンダイに岸井成格へのインタビュー記事が載ったので、前半の一部を紹介。全文は9頁に及ぶ。
「日刊ゲンダイ」の該当記事

元NEWS23岸井成格氏 「このままだとメディアは窒息する」
2016年7月10日

選挙報道が減ったのはイチャモンが面倒くさいから

 改憲派が3分の2を制するのか。天下分け目の参院選を前にこの国の報道の静かなこと。まともに争点を報じず、アベノミクスの検証すらやらない。この国のテレビはどうなっているのか? さぁ、このテーマを聞くなら、この人。毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏(71)しかいない。

――参院選の報道を見て、どう感じますか? 報道の量そのものが減ってしまったような気がします。

 その通りだと思いますね。集計していないのでハッキリわかりませんが、減っている印象です。2014年の衆院選の時も、テレビの選挙報道は減った。従来の衆院選の時に比べて半分くらいになった。そうした傾向が続いていますね。

――2014年の衆院選といえば、安倍首相が岸井さんの「ニュース23」に生出演して、文句を言った選挙ですね?

 アベノミクスについての街録で反対意見が多すぎる。局が恣意的に選んでいるんじゃないか。そういうことを言われたんですが、その2日後に自民党からテレビ各局に政治的に中立、公平な報道を求める文書が届いた。街録の人数とか時間とか具体的なことにまで踏み込んで要請文書が来たのは初めてでした。

――テレビ局がスクラムを組んで文句を言うかと思ったら、選挙報道そのものが減ってしまった。

 街録そのものもなくなっちゃった。

――なぜですか?

 イチャモンをつけられるのは嫌だからでしょう。それに現場は面倒くさい。街録でアベノミクスに5人が反対したら、賛成5人を集めなきゃいけない。面倒だから報道そのものが減ったんですが、今回は参院選の争点も番組で扱わなくなっている。だから、何が争点だか、ぼやけてしまっている。舛添問題や都知事選の報道ばかりで、参院選を真正面から取り上げている番組が少ない。今度の参院選が盛り上がらないのは、権力側が争点隠しをやっていて、メディア側も与野党の相違点をきちんと報じないからですよ。
 まだまだ、記事は続いているので、ご確認のほどを。

 この記事、もう少し早く掲載して欲しかったが、今回の選挙の大勢に影響はなかっただろう。
 
 改憲についてメディアの報道や、選挙結果に関する記事には、どうしても違和感を感じてきた。
 「改憲派」と言ったって、それぞれ政党の言い分は違っており、温度差もある。
 また、国民投票に至るまでには、いくつかステップがあるのに、そういった事実をほとんどスルーしているのは、報道機関としては片手落ちだ。

 「3分の2」を確保したら、何でも出来るようなイメージを作っているとしか思えない。

 選挙後の記事も、まるで、憲法改正(改悪)が既定路線のような印象を与えるではないか。

 そんな疑問を感じながら、いくつかネットで検索していて、あるサイトに巡り合った。

「GoHoo」という、マスコミ誤報検証・報道被害救済サイトである。
「GoHoo」サイト

 楊井人文(やないひとふみ)という人が代表を務める日本報道検証機構が管理している。
 楊井さんは、産経新聞の記者を経て弁護士になり、2012年に、同機構を立ち上げた。

 このサイトから、楊井さんが書いたYahooニュースの記事にリンクされていたので、紹介したい。(太字は記事原文のママ)
「Yahooニュース」の該当記事

参院選 「改憲勢力3分の2」が焦点? メディアが報じない5つのファクト、1つの視点
楊井人文|日本報道検証機構代表・弁護士
2016年7月8日 6時53分配信

 「改憲勢力が3分の2を上回るかが焦点」ー参院選でメディアがまた横並びで、こんな決まり文句を唱えている。

 たとえば、毎日新聞は7月6日付朝刊1面トップで、参院選終盤情勢として「改憲勢力2/3の勢い」と題した記事を掲載。記事の冒頭には「安倍晋三首相が目指す憲法改正に賛同する自民、公明両党、おおさか維新の会などの改憲勢力は・・・」と書かれていた。

 一体いつから、どんなファクトに基づいて、公明党が「安倍晋三首相が目指す憲法改正に賛同」したと報じているのだろうか。自民党とおおさか維新の改正草案を読み比べたことがあるのだろうか。

 記事を書いている記者たちも、4党を「改憲勢力」と書くときの枕言葉に一瞬窮しているはずだ。でも、みんな同じ橋を渡っているのだから、他紙の表現も参考に…という感覚かもしれない(例外的に、読売新聞は「3分の2」という切り口での報道に慎重であることは特記しておく)。

 こうした事実に基づかない報道から距離をおき、今回の選挙における憲法改正の位置づけについて冷静に考えたい人のために、基本的なファクト・視点をまとめておきたい。

1.公明のスタンスは民進に近い 生活の改憲案は具体的

 メディアが当たり前のように使っている「改憲勢力」という表現。自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党(以下「こころ」)の4党を指しているが、それぞれ憲法改正に関する立場にはかなり違いがある。まず、各党が改憲に積極的かどうかは、参院選公約に限らず、党是や過去の発表も含め、具体的な改憲案を示しているかどうかを見なければならない。

 自民、こころ、おおさか維新の3党は、それぞれ具体的な改正案を提示しており、改憲に前向きな勢力といえよう。ただ、おおさか維新の改正案は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の3項目であり(マニフェスト、憲法改正草案)、自民党の憲法改正草案とも、こころの憲法改正草案とも共通項がない

 公明党は、従来から「加憲」という立場だが、具体的な改正項目は示していない。むしろ「改正ありき」「期限ありき」ではないとわざわざ強調し、慎重なスタンスだ(参院選:憲法改正)。自民党よりむしろ民進党の立場に近いのではないか。

 民進党は、参院選の公約では「平和主義を脅かす9条改正に反対」と掲げているが、もともと基本政策合意で憲法改正を目指すと明記しており、公約でも「未来志向の憲法を国民とともに構想する」と言っている。具体的な改正項目には言及せず、早期の改憲に積極的でないとみられるが、「改憲自体に反対」の立場でないことも明らかだ。

 この後に他の政党のことも紹介されており、最後に次のように指摘している。
 こうしてみると、憲法改正に積極的といえるのは自民、こころ、おおさか維新の3党。具体案を出している勢力は生活を含めて4党。民進、公明、改革は、具体案は出していないが必要とあれば何らかの改憲を認める立場であり、これらを含めて広義の「改憲勢力」と呼べば、とっくに衆参両院で「3分の2」を超えている。改正項目や内容について一致点が見出されておらず、改正発議の前提条件が整っていない点では、広義の「改憲勢力」7党も、メディアが「改憲勢力」と称する4党も、同じなのである

 この後に、政党ごとの立ち位置が図で紹介されているので、ご参照のほどを。

 次に、国民投票で、自民党原案を一括で問うことなどできないということを、この記事から引用する。
2.国民投票法上、憲法の全面改正はできない

 自民党の憲法改正草案は、全面改正案である。明治憲法体制、戦後憲法体制に代わる、第3の新憲法体制を打ち立てようという発想(いわゆる自主憲法制定論)が基底にある。こころの改正草案も同様である。

 ところが、2007年に制定された国民投票法は、改正項目ごとに賛否を問う個別投票方式を採用したため、事実上、全面改正が不可能になった。(*3)かつて「改憲vs護憲」の対立は「自主憲法制定(全面改正)vs自主憲法反対・現憲法護持」の対立だったが、この不毛な対立軸は、現行の国民投票法のもとでは無意味化している。つまり、「自主憲法制定」を前提とした自民党やこころの改正草案は、そのままでは現行法上「原案」となる資格がないのである。

 もちろん一度の改正発議で複数の項目・条文を対象にすることは可能だが、個別に賛否を問わなければならない。一度に国民投票にかける項目数も事実上限定されている(国民投票法案の審議で、せいぜい3~5項目とされている)。したがって、自民党の憲法改正草案の一部分だけ取り出して「原案」として提出することは可能だが、草案全体をパッケージにして提案することはできない。

 こういうことを、全国紙では、ほとんど説明しない。
 記事の中からは、自民党サイトの憲法改正草案や国民投票に関する政府広報などへのリンクもあるので、ご確認のほどを。

 他にも、与野党が憲法審査会再開で合意していることや、憲法改正には「各議院の総議員の3分の2以上の賛成による発議」と「国民投票での過半数の賛成」以外にも、「審議する改正項目の確定」「改正案の作成、提出。発議」という4つのハードルがあるが、まだ、どれ一つのハードルも超えていないことや、憲法改正のための具体的なステップなども図示されていたりするが、それは実際に読んでいただくとして、この記事の最後にある<視点>を引用したい。

<視点>党議拘束を前提とした「数の論理」でよいのか

 憲法改正権力は国民にある。国会の勢力図によって決まるものではない。いくら国会で「3分の2」で改正の発議をしても「提案」できるにすぎず、国民投票で過半数が賛成しなければ実現しない(日本国憲法96条)。

 憲法改正問題は本来、超党派で議論すべき事柄であるのに、「改憲勢力が3分の2を取るか」にこだわってよいのか。党派的な「数の論理」を持ち込めば、党派を超えた議論の基盤を損なうのではないか。そのことをメディアは自覚しているだろうか。

 この点については、安倍晋三首相にも大きな責任がある。1月10日のNHK討論番組で、与党だけでなく、改憲に前向きな野党も含めて「未来に向かって責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい」と述べた(読売新聞ニュースサイト)。これでは、「改憲の中身」より「数の論理」を優先する本音が出てしまったと言われても仕方がない。しかし、野党側も「3分の2の阻止」と応じ、メディアも同じ土俵に乗って報道してしまっているのである。

 そもそも「3分の2を取る/取らせない」という発想は、政党の「党議拘束」を前提としている。本来超党派で議論すべき問題なら「党議拘束」を外して各議員の良心にしたがって採決すべき、という議論が出てきてもよい。「党議拘束なし」を前提とすれば「3分の2」を取ってから議論をスタートさせる、という発想は出てこないはずである。「3分の2」はあくまで超党派の審議、熟議の末のゴールにすぎなくなる。(*5)

 与野党ともに「党議拘束」を前提とした「数の論理」に拘泥すればするほど、「3分の2」vs「3分の1」の攻防が先鋭化し、再び不毛な論議に陥るおそれがある。そうした危険性に警鐘を鳴らすでもなく、むしろ率先して「数の論理」に加担するメディアの罪は、あまりにも大きい。

 まったく、本記事の指摘通りだと思う。

 言葉を大事にするはずのメディアに、「改憲派」とは何か、確認したいものだ。

 あまりにも多くの形容詞や注釈を省略して、言葉を使っているように思う。

 全国紙やテレビの「3分の2」に関するニュースには、十分に気を付けるべきだ。

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 ISというテロ組織の残虐行為は、許せない。

 しかし、ISという組織にのみ注意を払っていると、中東問題の本質を見失いかねない。

 現在の混沌とした状況を生み出した「サイクス・ピコ協定」から、今年はちょうど100年になる。

 今年4月からNHKのBSで始まった「国際報道2016」で、同協定が締結されてちょうど百年目の5月16日に、この協定のことを取り上げていた。
NHKサイトの該当ページ

 ワシントン支局長などを歴任した田中淳子と、「ニュースウォッチ9」のレポーターを務めていた児林大介などがキャスター。
 当日の内容から引用したい。
 なお、専門家として出演した池内恵(さとし)さんは、落語などの芸能にも造詣が深いドイツ文学者の池内紀(おさむ)さんのご子息である。

特集
2016年5月16日(月)
「サイクス・ピコ協定」締結から100年

映画『アラビアのロレンス』。
第1次世界大戦のさなか、イギリス軍の工作員・ロレンスが、オスマントルコからの独立を目指していたアラブ人義勇兵を支援する物語です。
劇中、イギリスが結んだある密約が問題となります。

“サイクス・ピコ条約を知らんのか?”

「サイクス・ピコ協定」です。
イギリスやフランスなどが、中東の分割を秘密裏に決めていたのです。
大国の利害を優先したサイクス・ピコ協定。
今も中東で続く混乱の原因とも言われます。

田中
「今からちょうど100年前の今日、5月16日に締結された『サイクス・ピコ協定』。
今日の特集は、この協定を手がかりに、混沌とする今の中東情勢を読み解きます。」

児林
「『サイクス・ピコ協定』とは、第1次世界大戦のさなかに、イギリスとフランスなどが、中東の分割を決めた密約です。
両国の外交官、イギリスのサイクス氏と、フランスのピコ氏の名前から、こう呼ばれています。
当時、この地域を支配していたオスマントルコ帝国が崩壊する中で、両国は、自国の利権を確保することを目的とした、新たな秩序を作ろうとしました。

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こちらが当時の分割案です。
地図にある『A』がフランス、そして『B』はイギリスのもとで支配するとしました。
そしてこちらの赤い線が、現在のシリアとイラクの国境です。
当時引かれた黒い線が、今のシリアとイラクの国境の原型になったことがわかります。」

サイクス・ピコ協定 なぜ今?

田中
「ここからは、中東情勢に詳しい、東京大学准教授・池内恵(いけうち・さとし)さんにお話を伺います。

池内さんは最近、サイクス・ピコ協定について1冊の本にまとめ、来週出版されます。
本も書かれているということで、今、改めて100年前のこの協定に注目する意義というのはどこにあるんでしょうか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「サイクス・ピコ協定そのものを見たり、その前後の中東の動きを見ると、中東問題というものはどうしてこんなに難しいのか、なぜ難しいのかというのが、かなり明らかになるんですね。
それで、同じ問題を今も引きずっていますから、そういう意味でサイクス・ピコ協定を見直してみることに意味があると思いますね。」

田中
「そうしますと、今のいろいろ混とんとしている中東情勢、ここに原因があったと?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「原因というよりは、当時と今と、おそらく、かなり同じ問題に直面していると。
サイクス・ピコ協定そのものは、当時の超大国・イギリスとフランス、英仏が中心になったと。
 当時の帝国だったロシアとか、あるいはイタリアなども一緒になって、中東をどう分割しようかというのを考えたわけですね。
ただ、それは大国の思惑で考えたもので、結局は、そのままでは実現しなかったんですね。
ですから、それが原因を作ったというわけではないんですが、しかし外側から欧米諸国が植民地主義によって中東に介入してつくりかえようとする、その問題を今も引きずっていますから、中東では。
そういう意味で、このサイクス・ピコ協定というのは欧米の植民地主義が中東に与えた影響ということで、非常に象徴的なんですね。」

田中
「悪名高き協定となっていましたよね。」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「そうですね。
日本の学校教育、世界史の教科書などで教えられて覚えていらっしゃる方もいると思いますし、世界的にも非常に有名で、外交文書としては、おそらく最も有名なもの、また最も悪名高いものだと言えると思います。」

田中
「今につながる問題だというのを、地図で具体的に説明していただけますか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「なぜ悪名が高いかといいますと、とりあえず線を引いて、ここはイギリス、ここはフランスが仕切るよというふうにして…。

実際にはこの辺りにロシアとか、そういった勢力圏があったんですが…。

この線が、現地の民族とか宗教・宗派に合致していないというところが、ずっと批判されてきたんですね。

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批判が最も大きいもの、例えばこの(白い)エリアというのは、トルコ人でもなく、シリア・イラクのアラブ人でもなく、クルド人の人たちが住んでるんですね。


この国境でいいますと、トルコとシリアとイラク、あとイランがありますが、クルド人というのはそういった国のどこにも住んでいるんですが、『国』を持っていない。
国境線が、例えばクルド人が住んでいるところに引かれてしまう、そういう原因をサイクス・ピコ協定は作ったというのが、いちばん大きな批判ですね。」

 このように、第一次世界大戦において、イギリスとフランス、そこにロシアやイタリアも加わって、戦勝国である軍事大国が、好き勝手に国境線を引いて縄張りを決めた密約が「サイクス・ピコ協定」なのだ。
 この協定の原案を作ったイギリスの中東専門家マーク・サイクスと、フランスの外交官フランソワ・ジョルジュ=ピコの名をとって名付けられた。

 この協定が、どんな問題を引き起こしたか、引用を続ける。

田中
「そのことによって、クルド人にはどういうことが起きているんでしょうか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「クルド人が国を持てない、国を持とうとする民族運動をやる。
そうすると、各国の政権と対立すると。
民族紛争が起こるんですね。」

田中
「では、改めて国境を引き直したほうがいいんでしょうか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「ところが、そううまくはいかないんですね。
例えば、実際にはクルド人だけではなくて、例えばアルメニア人も、同じようなエリアに実は住んでいたり…。
あるいは、この辺りにギリシャ人なども住んでいたんですよね。
そうしますと、この1920年の条約(セーブル条約)ではもうサイクス・ピコ協定は否定して、もっといろんな民族や宗教・宗派集団の人たちが国をほしがった。
それを認めた条約が実際に作られたんです。

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ただ、これはこれでものすごく細分化されてしまって、しかもそれぞれの領土の中にクルド人がいたり、クルド人の領土の中にアルメニア人がいたり、その逆も同じで、実際にはこんなふうに線を引けないんですね。
民族や宗教・宗派に合わせた国境線を引くということ自体がそもそもできないと。」


 ここで、池内さんから、重要な発言が登場した。
 そうなのだ。
 “民族や宗教・宗派に合わせた国境線を引くということ自体がそもそもできない”のである。

 引用を継続。


「その後、どうなったんでしょう?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「1920年の、トルコのアナトリアというエリアをいろんな民族で分割する案(セーブル条約)を、新たに独立しようとしているトルコ共和国が否定して、結局、独立戦争をやって、今の国境線にほぼ近いところまで全部押し戻した。(ローザンヌ条約)
それでその後、トルコ人の国民国家をつくっていったと。
それからこの下のエリアでは、シリアとかイラクの人たちがアラブの国民国家をつくっていったんですね。

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そうしますと、クルド人やアルメニア人やギリシャ人は、それぞれが例えば『住民交換』なんていう方法まで使って、ギリシャ人はギリシャに行ってしまったり、アルメニア人は世界中に散ってしまうとか、そういう形で無理やり解決したんですね。」

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田中
「ここに『超大国』『地域大国』『現地の民族・宗派』とありますが?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「サイクス・ピコ協定というのは、この『超大国』が主導して、中東をこんなふうにしたらいいんじゃないかといった、そういう協定なんです。
それに対して、『セーブル条約』の方になってしまうと、今度は『現地の民族・宗派』が、それぞれ自分たちがこの辺りに国をつくるから、『超大国』や『地域大国』は認めてくださいよと主張する。」

田中
「両方ともうまくいかなかったわけですね。」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「そこで結局、1923年のローザンヌ条約になりますと、『地域大国』としてのトルコが台頭して、自分たちが、自分たちの国だと思っている領域を、とにかく軍事力をもって制圧して、そのあと国際社会もそれを認めた。
ギリシャ人やアルメニア人などは外へ出ていったり、クルド人などは民族の主張を抑圧されるということになってしまった。
結果的に、それでトルコという国ができたんですね。」

児林
「そういったサイクス・ピコ協定の否定を前面に掲げて勢力を拡大したのが、過激派組織IS=イスラミックステートです。」


 ついに、ISの名が登場。

“密約”から100年 中東はどこへ

一昨年(2014年)6月、ISの樹立が宣言された時期に公開されたビデオです。
タイトルは、「サイクス・ピコ協定の終えん」。

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国境地帯の警察署を爆破したとする映像など、ISがシリアとイラクの国境をないものとして支配を広げていることを印象づけるものです。

“ここはサイクス・ピコ協定の国境だが、我々は決して認めない。
私たちに国籍はない。
イスラム教徒の国は1つだ。”

“100年の不満” ISが利用

田中
「ISはこれまでの国境を無視して、ご覧のようなイスラム国家を樹立すると宣言していますね。
こうしたサイクス・ピコ協定の『全否定』をよりどころとしているんですが、そこを池内さんはどのようにご覧になっていますか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「これは、例えば歴代のアラブ諸国の政権というのは、ずっとサイクス・ピコ協定が悪かったんだと主張してきて、教育でも教えてきたんですね。
そういう意味では、ISが突然言い出したことでもないですし、また現地の各国の人たちも、実は意外にそのことを、支持はしないかもしれませんが、共感したりするんですね。
この地図は、イスラム世界が最大の版図を持っていたときの誇りを全部取り戻すというような主張をしているんですが、ただ、実際にISがやったのは、イラクやシリア、その近代につくられた国境線を壊してみせるということなんです。
サイクス・ピコ協定を批判するアラブ諸国の政権は、実際にはサイクス・ピコ協定の枠の中で国を与えられて、それを既得権益のようにしてきたんです。
だから実際には自分たちで国境線を引き直そうとしなかったんですが、それを、ほんの小規模ですがイラクとシリアのところでISがやってみせた。
これは、言っていたことが初めて実現したということで、それなりに衝撃を与えたんですね。」

ISは、イスラム世界の人々の共通の思いである、大国の身勝手な「サイクス・ピコ協定」による国境線を否定することを旗印にして出来た組織であるということを、日本の国民はもっと理解すべきだと思う。

 発端となった密約は、第一次世界大戦時のイギリス、フランス、そしてイタリア、ロシアによる密約であり、日本は、まったく関与していない。

 あえて言うならば、アメリカも、「サイクス・ピコ協定」に関与していない。

 しかし、アメリカは、かつての「世界の警察」の夢を再びというノスタルジーもあったのだろうが、石油利権をめぐるロシアとの覇権争いのために、湾岸戦争を起こし、イラクに侵略し、中東問題を複雑化させている。

 そんなアメリカの言うがままに、「ISは敵だ」と言う日本の首相は、「サイクス・ピコ協定」のことを、どれほど理解しているのか、疑問である。

 さて、なかなかの好番組は、自然な話の流れとして、この後でシリア問題にもふれているので、引用を続ける。

国境線 限界に?

児林
「となりますと、サイクス・ピコ協定によって引かれた国境線、これによる矛盾が出てきたというか、何かそういうことも指摘できるんでしょうか?」

東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「もともと中東を民族ごとに国をつくる、国境線を引くというのは非常に難しいんです。
そういう意味で矛盾はあるんですね。
その矛盾を覆い隠していたのは何かというと、例えばかつてのフセイン政権とか、今のシリアのアサド政権のような、かなり抑圧的な独裁政権なんですね。
ところが、その政権が揺らいでしまった。
アメリカのイラク戦争によって倒されたフセイン政権だとか、あるいは『アラブの春』以後、民衆の反体制運動をきっかけに揺らいだアサド政権、それらの強権的な政権が抑えていることで、宗教とか宗派の問題が覆い隠されていたものが今、出てきてしまった。」

シリア 解決の道は

田中
「その最も顕著な、今起きている例というのがシリアかと思うんですが、国境線を維持したまま問題解決をする道、国際社会が今それを探って和平協議をしているわけですが、これはどうご覧になりますか?」
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東京大学先端科学技術研究センター 准教授 池内恵さん
「今のシリアの内戦の現状を見ますと、おおまかに見ただけでも、いろんな色で塗り分けられた諸勢力が自分たちの支配領域をおさえてしまっていると。
例えばクルド人が中心になって、クルド人の自治区をつくるとかですね、あるいはアサド政権に近い人たちがおさえているエリアとか、あるいはイスラム主義的な勢力がおさえているエリアなどに分かれてしまっているんですね。

これは100年近く前の、例えばセーブル条約などを先ほどお見せしましたけれども、当時は民族・宗派に合わせてここまで細分化されましたが、今のシリアも同じように細分化されてしまう。
しかしそれだと、とても国として今後成り立たないと思うんですね。
そうしますと、どうやら現地の民族・宗派に合わせて切り取ればいいわけでもないらしい。
じゃあ、地域大国が新たに出てきて、ある程度まとまった地域単位をおさえてくれるかというと、今、例えばサウジアラビアやトルコやイランなどのこの周辺諸国、地域大国がいるんですが、それぞれが争っていて、むしろこのいろんな勢力を支援している。
ですからむしろ地域大国は今、力は強くなっているんだけども、現地のいろいろな民族・宗派の対立を永続化する方向にいっている。
そうなると超大国はなんとか合意してくれないかと。
例えば今年(2016年)の2月22日に発表されたアメリカとロシアの合意なんかでは、ここでなんとか超大国が、アメリカやロシアがそれぞれ影響力があるイランやサウジアラビアなどを使ったり、あるいは直接現地の勢力に連合者を見つけて影響力を行使したりして、そして米ロでは合意して、なんとかまとめようとはしているんです。
しかし、超大国の力もそんなに決定的ではないと。
この3層構造で、それぞれが中で分裂している。
それぞれの層の間でまた対立がある。
これをぴたっとどこかで、全員が合意するかたちで終わらせないといけない。
それがシリア内戦を終わらせる難しさなんですね。」


 こういう混沌として状況で、日本は、どういう役割を果たすべきか。
 
 何度か書いているが、イスラム民族は、日本に好意的な面の方が強い。

 それは、日露戦争で、極東の小国が大国ロシアと堂々と戦って勝利した、ということも、いまだに日本贔屓の要因の一つだが、憲法九条があることも、理由の一つに違いない。

 しかし、昨年1月にエジプトで安倍晋三が行った演説は、これまでの日本へのイメージに泥を塗る暴言だった。
 
 テロは許せない。
 しかし、もしテロ事件があっても、「日本人は逃げろ」と言われるための国としての行動、思想のあり方が、国家としてあるべきだ。

 イギリス、フランス、イタリア、ロシアがテロの攻撃対象になることが多いのは、100年前の密約に由来していることを、日本政府も国民も、あらためて認識しなくてはならないだろう。

 中東の人々に、そして、ISなどのテロ組織から、日本は、勝手に国境線を引いて大国の利権争いをする大国の仲間と見なされることの危険性を認識しなくてはならない。

 中立で、常に平和を希求する、世界で唯一原爆の被害を受けた国として存在する道はありえる。


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 ジャーナリズムという言葉が死語化する中、参院選に関する世論調査について、ここまでやるか、という新聞の捏造について、HUNTERから紹介したい。
HUNTERの該当記事

日経・読売 捏造記事で世論誘導?
選挙情勢調査で無所属候補ら省いて質問
2016年7月 4日 09:00

 日経、読売漁師が参院選の情勢分析のため実施した世論調査で、一部候補者の名前を省いて投票先を聴きだしていたことが分かった。事前の見立てで不必要と判断した候補者の名前を外したものとみられる。
 調査に参加した複数の関係者によれば、両紙から調査業務を委託された日経のグループ企業「日経リサーチ」が、コールセンターを持つ別の会社に実務を再委託。実務を受け持った会社の電話調査では、立候補者を列挙して投票先を答えてもらう際に、選択肢の中から無所属や諸派の候補者名を省略していた。
 既成政党の候補者の中から投票先を選ぶよう仕向けた形で、主要候補のポイントが上がるよう調査方法をねじ曲げて数字を操作した疑いがある。
 新聞社側の指示で行われたものなら、両紙の記事は信頼度ゼロ。捏造や世論誘導さえ疑われる事態だ。

委託された情勢調査を再委託

 6月24日に両紙の朝刊トップで報じられたのは、22日に公示された参院選の序盤情勢で、自公が改選過半数を超える勢いになっているという現状。この中で両紙は、裏付けとなった電話調査を「日経リサーチ」に委託したことを明記していた。

 HUNTERの取材によれば、日経リサーチは、実際の調査をITを活用したマーケティングやアウトソーシング事業を行っている「トランスコスモス」に再委託。トランスコスモスは、複数ある自社のコールセンターに別の派遣会社から来た電話調査要員を集めて調査実務を行っていた。

 コールセンター内での電話調査は朝9時開始。コンピューターが無作為に抽出した固定電話に架電し、その世帯の有権者のなかの1人に(該当者不在の場合はアポイントをとって再度架電)比例区や選挙区の投票先、重視する政策などを答えてもらう方法。質問は10項目ほどで、すべて選択式だった。有権者5万943人の内、2万7,640人が回答したことになっている。

公平性の担保なし 選挙妨害の疑いも

 不適切だったと見られるのが選挙区の投票先を聞く調査の手法。立候補者名を列挙し誰に投票するかを聞く際、複数の選挙区で無所属や諸派の候補者を省いて伝え、答えを引き出していた。2番目の設問がそれで、「あなたは ◯◯県の選挙区選挙では誰に投票しますか? 候補者を読みあげるので1人お答えください」とした上で、既成政党所属の候補者だけを読み上げていた。無所属候補に投票したいと考えていた人が、やむなく既成政党所属の候補者に流れた可能性がある。日経、読売の情勢調査は、公平性や正確さが担保されていない状況だ。

 世論調査には一定の時間がかかるため、電話を受けた有権者が嫌がる場合も少なくない。とくに調査が長時間に及ぶようなケースではなおさら。立候補者が31人もいる東京都選挙区では、全員の名前を読み上げることさえ難しくなる。だが、正確さを期すなら全員の名前を示すべき。事前取材でつかんだ強弱の見立てに合わせ、勝手に不必要と判断した候補者を外してしまうことは、大手メディアの驕りに過ぎない。

 問題はまだある。名前を省かれた候補者側にしてみれば、存在を否定されたも同然。調査の電話を受けた有権者に予断を与えたことも予想され、選挙妨害と言われてもおかしくない格好だ。

日経・読売は取材拒否

 情勢調査で一部の候補者を省いたのは、日経、読売両紙の指示によるものなのか、あるいは日経リサーチかトランスコスモスの判断だったのか――事実関係を確認するため日経、読売に取材したが、両紙の広報担当は事実上の取材拒否。この点については明日の配信記事で詳述するが、両紙とも自分たちの報道に浮上した疑念に、きちんと向き合おうとしていない。

 日経、読売の選挙情勢調査におけるサンプル数は約27,000。有権者の0.027%に過ぎない回答者から得た数字を基に、両紙が選挙戦の行方を左右するような記事を垂れ流したのは事実だ。記事の裏付けとなった数字が自分たちの都合に合わせたものだったすれば、捏造記事による世論誘導ととられても仕方があるまい。

 以前、宅内電話による世論調査が、なんともブラックな仕事であることを、「日刊ゲンダイ」の記事から紹介したことがある。
2014年12月9日のブログ

 そもそも“宅内電話”を対象にした調査で、今回から選挙権を持つことになった18歳や19歳の有権者はもちろん、携帯・スマホが電話の主流になっている人々の現状の「世論」を反映できるはずがない。

 加えて、紹介した記事のように、新聞社が意図したのか、下請け会社が手抜きしたのかは分からないが、一部の候補者を調査から外すなど、言語道断である。

 そんなまったく当てにならない、捏造と言える「世論調査」を記事として掲載し、政府・与党有利、と煽るメディアの策にはまってはいけない。

 安倍晋三が、安保法案から目をそらそうと、アベノミクスを論点にしようと言っていたが、まさにアベノミクスが、幻であったことも明白となっている。

 この度のISによるバングラデシュでのテロを、安倍晋三は安保法案問題で有利に使おうとするだろうが、そうはならない。

 日本がアメリカに追随していなければ、もしかすると、バングラデシュで日本人が攻撃の対象にはならなかったかもしれない。

 一つでも多くのメディアは、そのことを忘れず記事にして欲しい。

 安倍は、こう言うかもしれない。
 「もし、アメリカがISを攻撃するため戦場に兵士を送る時、日本の自衛隊は、何もしないでいいのですか!?」と。
 
 国民は、答えよう。
 「もし、アメリカがISを攻撃するため戦場に兵士を送る時、日本は、アメリカに言うべきである。
  武力に武力で対抗することからは、何も解決しない!」と。

 歴史的に、イスラム主義の国から、日本は尊敬されてきた。
 それなのに、アメリカの戦争を支援する日本、ということから、日本人がテロに遭遇する危険性が拡大しているということを、忘れてはならないと思う。

 加えて、安倍はISを敵にする発言をしてしまっている。

 ISが昨年ジャーナリストの後藤健二さんを殺害する前の2015年1月に、安倍がエジプト訪問で「ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるため、2億ドルを出す」と表明したことは、まったく状況を認識していない、一国の首長として不適切な発言だった。

 日本は、アメリカの尻馬に乗って、ISを中心とした過激派組織との対決姿勢を打ち出すのではなく、アメリカやロシアなど軍事大国同士の代理戦争により悲惨な状況に陥っている国や地域の不幸を救うため、中立的な仲介役としての立場を主張すべきなのである。

 この度の犠牲者は、安倍政権の軍事大国への舵取りや安倍の過去の不用意な発言があったことも影響している。しかし、それを記事として掲載するマスメディアは存在しない。

 だから、HUNTERや、日刊ゲンダイなどが頼りになるのだ。

 小細工をして国民を扇動し、軍事大国への道へ国民を誘導しようとする大手新聞やテレビに、騙されてはいけない。


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