幸兵衛の小言

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 日本が、未だに主権のない国であり、アメリカの幇間持ちであることを露呈したのが、今回の国連での「核兵器禁止条約」に関わる行動だ。

 まず、朝日新聞の記事から引用。
朝日新聞の該当記事
核兵器禁止条約、交渉へ決議採択 国連、日米ロなど反対
ニューヨーク=杉崎慎弥、松尾一郎、田井中雅人
2016年10月28日14時48分

 国連総会第1委員会(軍縮)は27日、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議を、123カ国の賛成多数で採択した。米ロ英仏などの核保有国や、米国の「核の傘」の下にある日本など38カ国が反対し、中国など16カ国が棄権した。

 年内に国連総会本会議で採択され、核兵器の法的な禁止をめぐる本格的な議論が初めて国連で行われることになるが、米国などは不参加を表明しており、状況しだいでは実効性を問われる可能性もある。

 決議は、核兵器を禁止する法的措置を交渉する国連会議を2017年3月と6~7月に開催するように求める内容。メキシコやオーストリアなど核兵器の「非人道性」を訴える国々が提案し、推進してきた。

 これに対し、米国は「第2次世界大戦後の安全保障体制を下支えしてきた長年の戦略的安定性を損ねかねない」などとして強い反対を表明し、自らが主導する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国などに反対するよう求めていた。


 次に、共同通信のニュースを元にした東京新聞の記事を引用。
東京新聞の該当記事

核禁止条約 交渉開始へ 国連委決議、日本反対
2016年10月28日 13時57分

 【ニューヨーク=東條仁史】国連総会第一委員会(軍縮)は二十七日、核兵器を法的に禁止する条約の制定交渉を来年から開始することを盛り込んだ決議案を賛成多数で採択した。唯一の戦争被爆国として核廃絶に取り組んできた日本政府は反対に回り、被爆者から反発の声が上がるのは必至だ。

 賛成は百二十三カ国で、核保有国の米国、英国、フランス、ロシアなど三十八カ国が反対、中国など十六カ国が棄権した。核実験を繰り返す北朝鮮は賛成した。

 来年三月にも核兵器の開発や実験、保有、使用などを全面禁止する条約の枠組みづくりに向け、国連で初めて本格的な議論が始まることになる。

 佐野利男軍縮大使は採決後、記者団に「核軍縮は核保有国と非保有国が協力して進めることが必要。国際社会の総意の下で進めるべきだと主張してきたが、意思決定のあり方に反映されなかった」と反対理由を説明した。

 決議案を共同提案したオーストリアのクグリッツ軍縮大使は採択後、日本の反対について「残念に思う」と述べた。

 決議は「核兵器の使用がもたらす人道的に破滅的な結果を深く懸念する」とし、来年三月二十七~三十一日と六月十五日~七月七日にニューヨークで「国連の会議を開き、核兵器を禁止する法的拘束力がある文書の交渉に入ることを決める」と明記した。交渉の進め方や議論する具体的な内容などについては今後、協議していくとみられる。

 ただ、米国など主要な核保有国は交渉に参加しない可能性が高い。核廃絶に向け、実効性のある条約が制定できるかは見通せない。

<核兵器禁止条約> 核兵器の開発や実験、保有、使用などを全面禁止する条約。現在は構想段階。核廃絶への法的手段を討議するためジュネーブで開かれた国連作業部会は今年8月、2017年の交渉開始を国連総会に勧告するとの報告書を採択。米国などの核保有国は強く反発しているが、オーストリアやメキシコなどは今年10月、17年3月の交渉開始に向けた決議案を国連総会に提出していた。(共同)
(東京新聞)


 佐野利男軍縮大使のコメントを、再度確認。

「核軍縮は核保有国と非保有国が協力して進めることが必要。国際社会の総意の下で進めるべきだと主張してきたが、意思決定のあり方に反映されなかった」

 この「国際社会」というのは、紛れもなく「アメリカ」を中心とする社会だ。

 それらの「国際社会」は「核の傘」の下にあるという。

 冷戦が終結してずいぶん時間が経ったが、いまだに、「抑止力」としての「核の傘」は、必要なのか・・・・・・。

 どんな戦略的な要因があろうと、「核廃絶」を訴える十分な資格が、世界で唯一の被爆国である日本にはある。

 しかし、その資格を生かすこと、役割を果たすことが、日本にはできないのか。

 「北朝鮮が核兵器で攻撃をしてきたら、どうする?」という脅し文句があるが、技術的な問題は置いておき、政治的には、北朝鮮が実際に核兵器を使うことは、まずありえないだろう。

 あくまで“脅し”なのである。

 ここに大きく二つの選択肢がある。

 (A)被曝国としての悲惨な歴史を忘れず、世界に核兵器廃絶を訴える日本
 (B)被爆国としての悲惨な歴史を忘れ、「核の傘」の下でうずくまる日本


 日本が、信頼され、そして尊敬される国となるには、どちらを選択すべきか明白だろう。
 そもそも、冷戦時代とは違い、いまや「核の傘」は、実態がないに等しい。

 今回の決議では、「棄権」という選択肢もあったはずなのだが、「反対」という意思表示をした。あくまで、アメリカに向かって犬のように尻尾を振りたかったのだ。
 
 さっそく、広島、長崎の被爆地から、今回の日本政府に非難の声が上がっている。
 毎日新聞から引用する。
毎日新聞の該当記事
核兵器禁止条約 .
広島から「日本政府は明確な妨害行動」
毎日新聞2016年10月28日 14時34分(最終更新 10月28日 15時57分)

交渉開始決議案が採択も日本政府は反対

 国連総会第1委員会(軍縮)で日本時間の28日朝、2017年の「核兵器禁止条約」制定交渉開始を定めた決議案が賛成多数で採択され、被爆地・広島からは歓迎の声が上がる一方で、日本政府が反対に回ったことに対して、痛烈な批判が相次いだ。

 広島市の市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表の森滝春子さん(77)は「採択は大きな前進。123もの国が賛成し、本当にうれしい」と喜んだ。一方、反対した日本政府には「賛成に転じる余地を残した棄権と異なり、明確な妨害行動。『核保有国と非核保有国の溝を埋める』と主張しているが、実際には溝を深めているだけ」と厳しく批判した。

 もし、日本が「賛成」したら、他の123の賛成した国は喜んで日本の行動を賛美したのではなかろうか。

 それこそ、信頼され尊敬される国として。

 いまだに、アメリカの属国であることを印象づけるだけの、日本政府の悪行だった。


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by koubeinokogoto | 2016-10-28 21:25 | 戦争反対 | Comments(0)
 スウェーデン・アカデミーがノーベル文学賞を授与すると発表して以来、ボブ・ディランとノーベル賞事務局との連絡がつかないらしい。
 
 朝日新聞から引用する。
朝日新聞の該当記事

ディランさんへ、もう連絡しません ノーベル賞事務局
ロンドン=渡辺志帆
2016年10月18日01時12分

 今年のノーベル文学賞を米国のミュージシャンのボブ・ディランさん(75)に授与すると発表したスウェーデン・アカデミーは17日、ディランさん本人への連絡を断念すると明らかにした。サラ・ダニウス事務局長が地元ラジオに語った。

 それによると、アカデミーは授与発表から4日がたった現在も、ディランさん本人と連絡が取れていない。ディランさんが文学賞を受けるつもりがあるかや、12月10日にストックホルムである授賞式に出席するかも不明だ。ダニウス氏は「受諾してくれると思う。そうでなければ悲しいが、栄誉は彼のものだ。心配はしていない」と語った。関係者への連絡は続けるという。

 ディランさん本人は、受賞についてコメントしていない。公式ツイッターは、受賞当日の夜にオバマ大統領からの祝福メッセージをリツイートして以後、更新が途絶えている。(ロンドン=渡辺志帆)

 私は、ディランは、受賞すべきかどうか迷っているのではないかと察する。

 昨夜、私はアメリカ人とドイツ人と一緒に夕食をとったのだが、この話題になり、二人とも今回の受賞に否定的なのは、私の思いと同じだった。

 他の多くの方と同じく、私は今回の授章に疑問を抱く。
 ディランは「シンガー・ソング・ライター」であり、「作詞家」としてだけの存在ではない。
 だから、「文学」の範疇に彼を取り込もうとすることに、無理がある。
 
 「詩人」としての範疇では括り切れない彼の存在を考えて、今回のスウェーデン・アカデミーの決定は多くの人に違和感を与えている。

 そして、何より、彼は「プロテスト・ソング」の担い手である。

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Amazon Bob Dylan「The Freewheelin'」

 ボブ・ディランの「風に吹かれて」を含む、デビュー二作目のアルバム「The Freewheelin'」は、今更説明の必要もない、傑作だ。

 デビューアルバムは、当時5,000枚しか売れなかった。
 この二作目は、RIAA(アメリカ・レコード協会)から100万枚以上のセールスを記録したプラチナ・ディスクとして認定されている。


 1963年11月にリリースされたのだが、収録曲の録音は、1962年4月24日から1963年4月24日までに渡っている。
 1962年の10月に、あの「キューバ危機」が起こっている。

 次のような曲が含まれている。

Side 1
1.「風に吹かれて」 Blowin' in the Wind
2.「北国の少女」  Girl from the North Country
3.「戦争の親玉」 Masters of War
4.「ダウン・ザ・ハイウェイ」 Down the Highway
5.「ボブ・ディランのブルース」 Bob Dylan's Blues
6.「はげしい雨が降る」 A Hard Rain's a-Gonna Fall
7.「くよくよするなよ」 Don't Think Twice, It's All Right

Side 2
1.「ボブ・ディランの夢」 Bob Dylan's Dream
2.「オックスフォード・タウン」 Oxford Town
3.「第3次世界大戦を語るブルース」 Talking World War III Blues
4.「コリーナ、コリーナ」 Corrina, Corrina
5.「ワン・モア・チャンス」 Honey, Just Allow Me One More Chance
6.「アイ・シャル・ビー・フリー」 I Shall Be Free

 公式サイト「bobdylan.com」から、「戦争の親玉」(Masters of War)の歌詞を引用。
ボブ・ディラン公式サイトの該当ページ

Masters Of War
Written by: Bob Dylan

Come you masters of war
You that build all the guns
You that build the death planes
You that build the big bombs
You that hide behind walls
You that hide behind desks
I just want you to know
I can see through your masks

You that never done nothin’
But build to destroy
You play with my world
Like it’s your little toy
You put a gun in my hand
And you hide from my eyes
And you turn and run farther
When the fast bullets fly

Like Judas of old
You lie and deceive
A world war can be won
You want me to believe
But I see through your eyes
And I see through your brain
Like I see through the water
That runs down my drain

You fasten the triggers
For the others to fire
Then you set back and watch
When the death count gets higher
You hide in your mansion
As young people’s blood
Flows out of their bodies
And is buried in the mud

You’ve thrown the worst fear
That can ever be hurled
Fear to bring children
Into the world
For threatening my baby
Unborn and unnamed
You ain’t worth the blood
That runs in your veins

How much do I know
To talk out of turn
You might say that I’m young
You might say I’m unlearned
But there’s one thing I know
Though I’m younger than you
Even Jesus would never
Forgive what you do

Let me ask you one question
Is your money that good
Will it buy you forgiveness
Do you think that it could
I think you will find
When your death takes its toll
All the money you made
Will never buy back your soul

And I hope that you die
And your death’ll come soon
I will follow your casket
In the pale afternoon
And I’ll watch while you’re lowered
Down to your deathbed
And I’ll stand o’er your grave
’Til I’m sure that you’re dead
Copyright

© 1963 by Warner Bros. Inc.; renewed 1991 by Special Rider Music


最初の段落を、微力ながら和訳したい。

---------------------------------------------
Come you masters of war
You that build all the guns
You that build the death planes
You that build the big bombs
You that hide behind walls
You that hide behind desks
I just want you to know
I can see through your masks

戦争の親玉諸君よ
鉄砲を作る諸君よ
殺人飛行機を作る諸君よ
大きな爆弾を作る諸君よ
壁の後ろに隠れている諸君よ
机の後ろに隠れている諸君よ
あんた達に知ってもらいたい
あんた達の魂胆はお見通しだってことを
---------------------------------------------

最後の段落の一つ前は、こうだ。
---------------------------------------------
Let me ask you one question
Is your money that good
Will it buy you forgiveness
Do you think that it could
I think you will find
When your death takes its toll
All the money you made
Will never buy back your soul

質問させてくれないか
そんなに金っていうものはいいのかい?
その金で許しを買おうというのかい?
そんなことができると思っているのかい?
あんた達も、いつかは気づくだろう
あんた達が死ぬときに有り金全部積んでも
魂は買い戻せやしないってことを
---------------------------------------------

 1963年、ディラン22歳の時の歌に込めた反戦の思いは、75歳になる今も変わらないのではなかろうか。

 彼が讃えられるべきなのは、プロテスト・ソングの作り手てあり歌い手であった人生そのものであろう。

 その彼が、「ノーベル文学賞」授章の知らせがあって以降、ライブ会場でもまったくそのことに触れず、また、ノーベル賞事務局との連絡を断っているいるのは、なぜか・・・・・・。

 「ノーベル文学賞」という分野の問題よりも、ディランにとって重要なのは「ノーベル賞」という権威の背後にあるものではなかろうか。

 アルフレッド・ノーベルは、ニトログリセリンを実用化し、ダイナマイトを発明した人だ。

 Wikipediaのアルフレッド・ノーベルから、引用する。
Wikipedia「アルフレッド・ノーベル」
アメリカに渡って4年間化学を学んだ。そこで短期間だが発明家ジョン・エリクソンに師事している。その後、父の事業を手伝う。最初の特許を出願したのは1857年のことで、ガスメーターについての特許だった。

クリミア戦争 (1853–1856) では兵器生産で大儲けをするが、戦争終結と同時に注文が止まったばかりでなく、軍がそれまでの支払いも延期したため事業はたちまち逼迫し、父は1859年に再び破産する。父は工場を次男のリュドビック・ノーベル(英語版) (1831–1888) に任せ、ノーベルと両親はスウェーデンに帰国した。なお、リュドビックは受け継いだ工場を再開して事業を発展させた。ノーベルは爆発物の研究に没頭し、特にニトログリセリンの安全な製造方法と使用方法を研究した。ノーベル本人がニトログリセリンのことを知ったのは1855年のことである(テオフィル=ジュール・ペルーズの下で共に学んだアスカニオ・ソブレロが発見)。この爆薬は狙って爆発させることが難しいという欠点があったので起爆装置を開発。1862年にサンクトペテルブルクで水中爆発実験に成功。1863年にはスウェーデンで特許を得た。1865年には雷管を設計した。ストックホルムの鉄道工事で使用を認められるが、軍には危険すぎるという理由で採用を拒まれる。

1864年9月3日、爆発事故で弟エミール・ノーベルと5人の助手が死亡。ノーベル本人も怪我を負う。この事故に関してはノーベル本人は一切語っていないが、父イマニュエルによればニトログリセリン製造ではなくグリセリン精製中に起きたものだという。この事故で当局からストックホルムでの研究開発が禁止されたためハンブルクに工場を建設。ニトログリセリンの安定性を高める研究に集中した。また合成者のアスカニオ・ソブレロ (Ascanio Sobrero) に対し充分な対価を支払った。1866年、不安定なニトログリセリンをより安全に扱いやすくしたダイナマイトを発明。彼の莫大な利益を狙うシャフナーと名乗る軍人が特許権を奪おうと裁判を起こしたがこれに勝訴し、1867年アメリカとイギリスでダイナマイトに関する特許を取得する。しかしシャフナーによる執拗な追求はその後も続き、アメリカ連邦議会にニトロの使用で事故が起きた場合、責任はノーベルにあるとする法案まで用意されたため、軍事における使用権をシャフナーに譲渡。

1871年、珪藻土を活用しより安全となった爆薬をダイナマイトと名づけ生産を開始。50カ国で特許を得て100近い工場を持ち、世界中で採掘や土木工事に使われるようになり、一躍世界の富豪の仲間入りをする。1875年、ダイナマイトより安全で強力なゼリグナイトを発明。1887年にはコルダイトの元になったバリスタイトの特許を取得している。

 ニトログリセリンやダイナマイトは、必ずしも兵器としての使用にとどまらず、医療分野や土木の分野で重要な役割を果たしている。
 しかし、爆薬として兵器にもなり得る。

 何より、アルフレッドと父を含めたノーベル一家が、兵器製造によって財を蓄えた事実は、動かしようがない。
 
 「ノーベル賞」の背後にある財の源泉を、ディランが知らないはずはなかろう。

 「プロテスト・ソング」の担い手であったディランが、その「ノーベル賞」を受けることは、いわば、彼の哲学と反することではなかろうか。

 ディランは、ノーベルを「Masters of War」の一人として見なしているのかどうか・・・・・・。
 
 ノーベル賞事務局がディランと連絡がとれない謎の答えは、ディランの歌を借りるなら、「風」の中にあるのだろうか。

 ディラン自身が、受賞すべきかどうか、「風」の中に漂う答えを探しているのかもしれない。

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by koubeinokogoto | 2016-10-18 21:42 | 幸兵衛の独り言 | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛