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 五輪の名を借りた破壊が、進んでいる。

 「日刊ゲンダイ」から引用。
「日刊ゲンダイ」の該当記事

東京都が街路樹伐採で踏みにじる IOC理念と五輪レガシー
2016年11月30日

 東京五輪は3会場の計画見直しだけにかまけてはいられない。花形競技のマラソンコースも、IOCから大ひんしゅくを買いそうなのだ。

 予定コースの一部である千代田区の神保町交差点から水道橋駅までの都道「白山通り」。この700メートルの区間に並ぶ推定樹齢50~100年のイチョウの樹木約130本のうち、すでに24本が切られ、12月には27本が伐採される予定だ。東京都はこう説明する。

「該当区間は無電柱化のために、地上の機器設置や地下の空間確保のため、街路樹を切る必要がある。設計を工夫して、最小限の本数の伐採とした」(道路管理部安全施設課)

 電柱ゼロを公約に掲げた小池知事就任前の今年3月から、この区間は約10億円を投じて、無電柱化が進められている。

「防災が主目的ですが、2~3年前から当該工事区間が五輪のマラソンコースの候補ということは周知されている。五輪のためという一面もあります」(第1建設事務所)

■ IOC「アジェンダ21」に違反

 ここは予定コースの中で唯一電柱が残るエリア。都は小池知事の公約も手伝って、是が非でも無電柱化を進めたい。最小限の樹木の犠牲はやむを得ないと言いたげだが、実はその発想が五輪の理念に反する恐れがある。

 IOCが定める「オリンピックムーブメンツ アジェンダ21」には「スポーツ活動、施設やイベントは、環境保全地域、地方、文化遺産、天然資源など全体を保護しなければならない」とハッキリ書かれてある。樹齢50~100年のイチョウの木は、貴重な文化遺産ないし天然資源ではないのか。


 無電柱化のために街路樹を伐採では、まさに本末転倒だ。

 逆に、海外からの多くの観光客の憩いのために、街路樹や公園などをもっと増やすことを優先すべきだと思うが、お上のやることは相変わらずである。

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池波正太郎著『江戸切絵図散歩』(新潮文庫)

 開発の名を借りた伝統や街の破壊については、兄弟ブログ「噺の話」で、池波正太郎の『江戸切絵図散歩』の引用を含め書いたことがある。
「噺の話」の該当記事

 その中で、次の文章を引用した。
 いまは、隙間もなく、ビルディングに埋めつくされていて、旧江戸城の外堀内は各種のビル群に占領されてしまった。
 それでも、外濠のかたちは、太平洋戦争が終わったころまで、どうにか残っていたのである。
 それが、例のごとく、意味もなく埋めたてられ、そのビルの上が高速道路となり、外濠に架けられた多くの橋が消えた。現在の東京の道は、住民のためではなく、すべて車輪のために存在するといってよいのだ。
 常盤橋、呉服橋、八重洲橋、鍛冶橋、有楽橋、数奇屋橋、山下橋などがそれで、この外濠と各橋の消滅は、皇居前面の町の様相を全く変えてしまった。
 橋や川ばかりではなく、むかしの町名も消えてしまった。戦後の町名改変の流行は、昭和十年代まで辛うじて残っていた町名を、ほとんど抹殺してしまったのだ。

 日本橋の上に高速が走った「建設という名の破壊」は、前回、昭和39年のオリンピックのため、という名目だった。

 物理的な文化遺産の破壊のみならず、町名などの改悪は、池波が本書で指摘したにも関わらず、悪化の一途。

 そして、五輪の名を借りた破壊は、今後一層行われるのだろう。
 もちろん、全国の納税者も、怒っていいだろう。

 なぜなら、我々の血税が湯水のように投入され、挙句の果てに環境が、伝統が破壊されるのだから。

 良い、先例がある。

 かつて、市民の反対で、いったん決まった五輪開催を返上した都市があるのだ。

 1976年の冬季大会開催予定だった、デンバーだ。

 「NO OLYMPICS 2020>反五輪の会(HANGORIN NO KAI)」のサイトから、英文記事の翻訳部分を引用する。
「反五輪の会」サイトの該当記事

1970年の5月に、IOCが1976年の冬季五輪をデンバーに決めて、(そのときの競争相手は、スイスのシオン、フィンランドのタンペレ、カナダのバンクーバーだった)、地元メディアは大喜びだった。オリンピックが決定して、宝くじに当たったような騒ぎだった。なんせ、コロラド(デンバーのある州)は、20年ちかくも夢の冬季オリンピックをその手でつかもうとしてきたから。

<反対>

ところが、デンバー市民と、その同郷のコロラド州民は、恐怖に震えた。

デンバー市民たちが気づいたのは、町でオリンピックをすることが、ほんとうにむちゃくちゃ金がかかる投機だってことと、オリンピックのインフラを整備するための金は、市民の懐から出て行くってことの二つ。その上、環境問題について意識的な市民は、環境についての影響を心配した。なぜなら、オリンピック会場はデンバーからスチームボートの町まで150 マイル(200kmくらい)にわたるよう計画されてて、そこに何千人もの人が集まることになるからね。

1972年には、ディック・ラムというカリスマ的な若い政治家が、デンバーでのオリンピックにはっきりとした反対を表明する。ラムは、すぐに「デンバーでのオリンピックはおことわり the no-Olympics-in-Denver movement」運動の指導者的立場となった。この反対運動は、デンバーのオリンピック組織委員会を微妙な立場に追い込んだ。IOCは、「デンバーが開催資金を税金から出さないなら、オリンピックはナシ。」とはっきり言ってきたから。ということは、コロラドの人たちが心を変えないなら、オリンピックはどこかほかの土地にいくことになる。

今から考えると、大した額の金とは思えないのだが、デンバーは500万ドル(5億円)のために、オリンピックを逃すことになった。1972年の11月、コロラド州の有権者は、オリンピックの財政のため500万ドルの債権を発行するかどうかについて議論していた。問題は、500万ドルという額にあった。つまり、たぶん、実際にかかる金は、それよりずっと巨額だ。そのころでも、オリンピックにかかる金額は控えめに言って巨額だったし、それまでにオリンピックをした町では、予想よりもずっと多額の金がかかるってことになり、何度も追加の金を払わされてきてた。

それでなにがおこったかというと、有権者はオリンピックの債権発行を否決した。しかも、60:40くらいの圧倒的な票差で。その投票の一週間後、デンバーは公式にオリンピック開催地の資格を放棄した。

 税金と環境破壊が、デンバー市民やコロラド州の有権者が反対した大きな理由だった。

 2020年の東京五輪・・・同じ問題を抱えているではないか。

 今からでも遅くない、都民も国民も、血税を無駄遣いし、環境や伝統を破壊する五輪など、返上しようじゃないか。


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 22日の朝の震度5弱以降、福島沖を震源とする地震が続いている。

 そして、22日の地震の影響で、福島第2で、核燃料プールの冷却ポンプが、一時停止した。
 日経から引用。
日本経済新聞の該当記事

福島第2、燃料プールの冷却1時間半停止
地震で水面揺れる

2016/11/22 11:04

 22日早朝に福島県などで起きた地震で、午前6時10分ごろ、東京電力福島第2原子力発電所3号機の使用済み核燃料プールを冷却するためのポンプが自動停止した。東電の増田尚宏・福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は東京都内で記者会見し「地震でプールの水が揺れた結果、水位が低下したと水位計が検知してポンプが止まった」との認識を示した。

 使用済み核燃料プールは水位低下などの異常を検知すると、自動的に冷却を停止する仕組みになっている。タンクや配管が破損して水漏れが生じるなど、冷却システムに異常が発生している可能性があるためだ。

 同7時47分には冷却を再開。核燃料の異常や水漏れなどは確認されていない。東電は冷却水を送る配管に異常がないかを確認した結果、冷却再開に約1時間半かかったと説明している。

 3号機のプールには2544体の核燃料が保管されている。冷却が停止した時の水温は29.3度で、ポンプの停止により一時は29.5度まで上昇した。運転管理上の制限値は65度だった。

 また福島第2原発では放射性物質を含む空気中のちりを観測する装置が1台停止したが、午前10時10分に復旧した。6時半すぎには福島第1原発と第2原発で高さ約1メートルの津波を観測したが、安全上の問題や作業員の被害は確認されていない。

 私は、「冷却停止」のニュースを最初に目にして、正直、冷汗をかいた。

 万が一・・・・・・。

 結果として冷却は再開したが、果たして、日本のメディア関係者のどれほどの人が、私のように冷汗をかいただろうか。


 この件に関して、東電およびその下請け業者の人たちが手を抜いていたとは思わない。

 しかし、こうした天災と人災の掛け合わせによる事故が、いつ起こっても不思議はない。

 原発とは、そういうものなのだ。

 原発という超巨大で危険なシステムは、人類の管理の範囲を超えているのであって、安倍晋三がオリンピック招致のために使った「Under Control」という言葉は、根本からウソなのである。

 もし、「管理下」にあるなら、想定できる地震で、なぜ今回のようなことが起こるのか、ぜひ説明して欲しい。


 少し古いが、2011年8月18日の記事と重複するが、再度、使用済み核燃料の問題、そして廃炉に関わる内容を、ある本からの引用を中心に紹介したい。
2011年8月18日のブログ

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石橋克彦編『原発を終わらせる』

 2011年7月20日発行の『原発を終わらせる』(石橋克彦編、岩浪新書)からの引用。

 目次を紹介。
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はじめに            石橋克彦
Ⅰ 福島第一原発事故
 1 原発で何が起きたのか  田中三彦
 2 事故はいつまで続くのか 後藤政志
 3 福島原発避難民を訪ねて 鎌田 遵
   
Ⅱ 原発の何が問題か-科学・技術的側面から-
 1 原発は不完全な技術     上澤千尋
 2 原発は先の見えない技術   井野博満
 3 原発事故の災害規模     今中哲二
 4 地震列島の原発       石橋克彦
   
Ⅲ 原発の何が問題か-社会的側面から-
 1 原子力安全規制を麻痺させた安全神話 吉岡 斉
 2 原発依存の地域社会        伊藤久雄
 3 原子力発電と兵器転用
   —増え続けるプルトニウムのゆくえ  田窪雅文

Ⅳ 原発をどう終わらせるか
 1 エネルギーシフトの戦略
   —原子力でもなく、火力でもなく    飯田哲也
 2 原発立地自治体の自立と再生    清水修二
 3 経済・産業構造をどう変えるか    諸富 徹
 4 原発のない新しい時代に踏みだそう 山口幸夫
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 “トリ”の山口幸夫“原発のない新しい時代に踏みだそう”から引用。
 小泉純一郎元首相も観た、ある映画のことが紹介されている。

10万年後の不安
 「オンカロ」(ONKALO)という聞きなれない言葉がある。フィンランドにつくられつつある地下岩盤特性調査施設のことだが、「隠された場所」という意味があるらしい。オンカロは首都ヘルシンキの北西250キロ、バルト海のボスニア湾沿岸に近いオルキルキト島にある。世界でただ一つの放射性廃棄物の地下処分場の予定地だ。工事は2004年に始まった。地下520メートルまで掘る計画で、2011年4月現在、440メートルに達した。操業開始は2020年、100年後の2120年まで使用する予定だ。その後、厳重に封鎖される。10万年後までの安全を見込んでいるという。
 明日のことも分からぬは人の世の常である。しかし、放射能は違う。放射能の半減期は放射性の核種に固有の値であり、その核種の放射能の量が半分になるまでの時間のことである。放射能は、時間とともに指数関数的に減ってはいくが、消え去ることはない。半減期の20倍の時間を、放射能の影響が実質的になくなる一応の目安にしてみよう。もちろん、放射能の量は放射性物質の総量によるので、それをもって、安全になるまでの時間とみなすわけにはいかない。ここでは、半減期の20倍を「待ち時間」と呼んでおこう。一半減期ごとに二分の一になるので、半減期の20倍の時間が過ぎると、1/2x1/2x・・・1/2と20回かけあわせて、放射能の量は、およそ100万分の1になる。
 福島第一原発から大量に放出されたヨウ素131の半減期は8.04日なので、その20倍は160日、およそ半年の「待ち時間」だ。セシウム137は、半減期30.1年の20倍の600年、プルトニウム239ならば、その半減期は2万4100年だから、ざっと50万年を待たなければならない。
 原発を運転すると、燃料のウランから、長短さまざまの半減期を持つ放射性物質がたくさんできてしまう。この後始末がじつに厄介なのである。原発で使い終わった燃料の中の放射能の害を無視してもよい状態になるまで、きちんと保管・管理しておかなければならない。ヨーロッパでは、この「待ち時間」を10万年とみなしているいる。オンカロはこの目的のためにつくられつつある。

絶対に触れないでください
 2009年に制作された国際共同ドキュメンタリー作品『100,000年後の安全』を見た。原題は、「Into Eternity」である。「永遠の中へ」という意味だろう。オルキルオト島の十八億年前に形成されたという頑丈な地層の中に、一大近代都市に似た、しかし殺伐とした地下構造物が建設されている現場が映し出される。地上では、雪の降り積もった針葉樹林の中をゆったりと歩むヘラジカが姿をみせる。絵に描いたような北欧の世界だ。まさか、その地下に、危険このうえもない放射性廃棄物が閉じ込められているとは、まさに「隠された場所」(オンカロ)である。10万年後までの安全を確保するというが、その頃、人類は存在しているにだろうか。仮に、人類が存在したとしても、標識に書かれた警告の言葉は通じるだろうか。ひょっとして、そのころの誰かが、ここを発掘するかもしれない。
 監督のマイケル・マドセンは、「未来のみなさんへ」と題するメッセージで映像をしめくくっている。

 未来のみなさんへ

ここは21世紀に処分された放射性廃棄物の埋蔵場所です。
決して入らないでください。
あなたを守るため、地中奥深くに埋めました。
放射性物質は大変危険です。透明で、においもありません。
絶対に触れないでください。
地上に戻って、我々より良い世界を作ってください。
幸運を。


 もはや、言うまでもないだろう。「10万年後」にも不安を抱かざるを得ない原発が必要か否かは。

 ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマを経ても原発に明確なノーと言えない国の国民であることが、なんともやるせない。

 “隠された場所 オンカロ”に、全世界の放射性廃棄物を収容する能力などはない。もちろん、オンカロに閉じ込められた廃棄物が10万年に渡って安全であるかも、今日の人類には知りえることではない。当座の問題の時間稼ぎをしているにすぎない。

 原発が稼動している間、日々放射性廃棄物は増える一方である。海外にまで原発を売り込もうとしている人間には、事故への対策という問題とともに、「放射性廃棄物をどうするのか?」という疑問に対し、明確に答えてもらわなければならない。「時間が解決する」などと答える政治家こそ、10万年間地下に隠れていてもらいたいものだ。

 地震列島日本では、常に、原発事故という当座の問題を危惧しなければならない。

 そして、核燃料廃棄物への危惧は、10万年後、いや永遠に消えない。

 福島第2の冷却ポンプ停止は、あらためて「今そこにある危機」を思い出させてくれた、ともいえる。

 しかし、当座の危機を逃れるために、電力も人の労力もかけて冷やし続ける作業を続けなければならない。そして、その先には、何が待っているのか。

 40年以上稼働している「老朽化」原発まで、この国の為政者は動かそうとしている。

 かつて「経年化」という言い換えで誤魔化してきたように、政府は国民を誤魔化そうとしている。

 思い出そうじゃないか、オンカロのことを。

 核燃料廃棄物は、とても「Under Control」な対象ではない。

 しかし、メディアも、5年半前に味わった危機感を、失ってきた。

 ぜひ、今回の冷却ポンプ停止で、冷汗を書いたメディアの人が多いことを祈っている。

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 アメリカ大統領選は、いわば規模の大きな“劣等比較”だったように思う。

 あそこまで、ヒラリーが嫌われているとは思わなかなった、というのが私の正直な印象。

 木村太郎じゃないが、トランプもあるかな・・・位のことは思っていた。
 それは、投票前にNH総合やBSなどで放送していたトランプ支持者の姿を観たことで感じたことだ。
 
 いわゆるグローバリズム、自由主義、市場原理主義により、職を失った労働者たちの多くがトランプを支持していた。

 また、隠れトランプ支持者が多いことも、指摘されていた。
 隠れたいた人たちの意思が、数字となって公になった、ということか。

 日本のメディアの一部は、選挙戦でのトランプの発言や彼の政策(と思しきもの)について、過敏な反応を示している。

 今日の朝日新聞の社説を引用する。

朝日新聞の該当社説

「トランプ大統領」の衝撃 保護主義に利はない
2016年11月11日(金)付

 米大統領選に勝利したドナルド・トランプ氏は「米国第一主義」を掲げており、政策面で内向き志向を強めそうだ。

 通商政策では自由貿易の推進に否定的で、保護主義へかじを切ることが懸念される。だが、世界第一の大国が自国の目先の利益にとらわれた行動をとれば、世界経済の足を引っ張り、米国の利益にもならない。

 大統領就任後100日間で実施する政策をまとめた「有権者との契約」では、環太平洋経済連携協定(TPP)について「離脱を表明する」と明記した。カナダやメキシコとの北米自由貿易協定の再交渉や中国製品への関税強化なども訴える。

 12カ国が加わるTPPは、日米両国が国内手続きを終えないと発効しない仕組みだ。日本ではTPP承認案が衆議院を通り、国会での手続きが進んだが、発効は困難な情勢だ。

 トランプ氏の主張は、自由貿易を重視する共和党主流派の伝統的な政策と相いれない。上下両院で共和党が多数を握ることになっただけに、トランプ氏の訴えがどこまで具体化するかは不透明ではある。

 だが、世界経済は低成長に陥り、国際的な経済摩擦が相次ぐ。英国の欧州連合(EU)離脱決定に続き、トランプ氏の言動と政策が反グローバル化をあおることになれば、世界経済は本格的な停滞に陥りかねない。

 ある国が輸入品への関税を引き上げ、相手国も高関税で対抗する。貿易が滞って景気は冷え込み、失業者も増える。そうした悪循環が世界大戦まで引き起こしたことへの反省から、戦後の自由貿易体制は出発した。

 今世紀に入って世界貿易機関(WTO)での多国間交渉が行き詰まるなか、自由化の原動力は二国間や地域内の自由貿易協定(FTA)に移った。とくに規模が大きい「メガFTA」が注目され、その先陣を切ると見られてきたのがTPPだった。

 貿易や投資の自由化には、競争に敗れた産業の衰退や海外移転による失業など、負の側面がともなう。恩恵を受ける人と取り残される人との格差拡大への不満と怒りが世界中に広がる。

 だからといって、自由化に背を向けても解決にはならない。

 新たな産業の振興と就労支援など社会保障のてこ入れ、教育の強化と課題は山積する。大企業や富裕層による国際的な税逃れへの対応も待ったなしだ。

 自由化で成長を促し、経済の規模を大きくする。同時にその果実の公平な分配を強める。トランプ氏を含む各国の指導者はその基本に立ち返るべきだ。

 いろいろ、突っ込みどころがある。

 太字が、私のツッコミだ。

“12カ国が加わるTPPは、日米両国が国内手続きを終えないと発効しない仕組みだ。日本ではTPP承認案が衆議院を通り、国会での手続きが進んだが、発効は困難な情勢だ”
→ 早い話、朝日はTPPについて賛成なのか否か?

 “貿易や投資の自由化には、競争に敗れた産業の衰退や海外移転による失業など、負の側面がともなう。恩恵を受ける人と取り残される人との格差拡大への不満と怒りが世界中に広がる”
→ まさに「負の側面」「格差拡大」への不満が、今回のトランプ勝利の背景にある

“だからといって、自由化に背を向けても解決にはならない”
→ 本当に、そうなのか?
  行き過ぎた「自由化」を、今は是正すべき時期かもしれないではないか


“自由化で成長を促し、経済の規模を大きくする。同時にその果実の公平な分配を強める。トランプ氏を含む各国の指導者はその基本に立ち返るべきだ”
→ 本当に、「自由化」が「成長」を促すことになるのか?
  経済規模を大きくし、「公平な分配」を強めることなど、可能なのか?
  それが「基本」とは、誰がそう思っているのか?

 トランプ勝利が意味するものは、実に深い。

 グローバリズム、自由主義、市場原理主義が招いた現状に、アメリカの労働者の多くが「ノー!」を突きつけたのだと思う。

 彼は、選挙戦における戦略、戦術のために、過激な発言、態度をしてきたが、実は、頭の良いビジネスマンとして、これからは、慎重にコトを進める可能性もあるだろう。

 彼に「表」と「裏」があるのは当たり前だ。
 「トランプ」なのだから^^

 まずは、お手並み拝見・・・それ位の了見でなければ、何かと騒々しい世の中、とても落ち着いてはいられない。

 それにしても、安倍首相は、拙速にTPPを国会に通して、トランプを説得するなどと言っているが、何を言っているのか、この男は。

 もしかすると、現在、自由主義、市場原理主義を世界でもっとも進めようとしている男は、安倍晋三かもしれない。とても、許すことはできない。

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