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幸兵衛の小言

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 最近は、本家(?)のブログ「噺の話」でも時事ネタの記事を書いているので、久しぶりの更新になってしまった。

 あっちと重複するが、河井夫婦逮捕という大事件の発生というのに、安倍のあの会見内容、そして、それを許す記者クラブのこと。

 昨日、河井夫妻逮捕の後の、安倍首相記者会見冒頭の言葉。

 いろんなメディアで紹介されているが、記者たちのふがいなさを指摘しているLITERAから。
LITERAの該当記事
「本日、我が党所属であった現職国会議員が逮捕されたことについては、大変遺憾であります。かつて法務大臣に任命した者として、その責任を痛感しております。国民のみなさまに深くお詫び申し上げます。この機に国民のみなさまの厳しい眼差しをしっかりと受け止め、われわれ国会議員はあらためて自ら襟を正さなければならないと考えております」


 われわれ国会議員は襟を正さなければならない→襟を正すべきなのは、あなたです!

 責任を痛感し、深くお詫び→だったら、辞めなさい!


 これは、多くの国民の声ではなかろうか。

 LITERAの記事では、次のように、昨夜の記者会見における内閣記者クラブの、アベトモぶりを批判している。

 実際、安倍首相はこのフジによるアシストとしか思えない質問に対し、会見冒頭に述べた台詞をそのまま繰り返した上で、こう述べた。
「選挙は民主主義の基本でありますから、そこに疑いの目が注がれることはあってはならないと考えております。自民党総裁として、自民党において、より一層、襟を正し、そして国民に対する説明責任も果たしていかなければならないと考えております。ま、それ以上につきましては、捜査中の個別の事件にかんすることでありまして、詳細なコメントは控えたいと思いますが、自民党の政治資金につきましては、昨日、二階幹事長より『党本部では公認会計士が厳格な基準に照らして事後的に各支部の支出をチェックしているところであり、巷間言われているような使途に使うことができないことは当然であります』という説明をおこなわれたと、こういうふうに承知しております」
「説明責任を果たす」と言ったそばから「詳細なコメントは控える」と言い出すという笑えないコントを繰り広げたあとは、二階俊博幹事長のコメントを繰り返すだけ。しかも、安倍首相はこれだけ語ると、「そして東京オリンピック・パラリンピックについてでありますが……」と、案の定、東京五輪の質問の応答に移ってしまったのである。

 戦後初の現職国会議員逮捕の後の記者会見が、これかい、という体たらく。

 モリカケ、桜、IR汚職、検察庁法改正問題、コロナの後手後手対策、そして、河井事件・・・もう、この政府はコリゴリ。

 また、戦後初の現職国会議員逮捕の後というのに、友達記者クラブの散漫な質問で、首相を逃げ切らせたメディアの姿を見るのも、もうコリゴリだ。

 こうなってくると、毎日柄の違うマスクでテレビで顔を売った緑のおばさんの再選を山本太郎が阻止し、まず、都知事として実績を積み上げてもらって、十年後の総理大臣就任を待つ、という遠大な計画が、実はもっともこの国を救う近道か、などと思ってしまう。

# by koubeinokogoto | 2020-06-19 21:47 | 責任者出て来い! | Comments(0)
政府は、緊急経済対策としてリーマン・ショック後の対策15兆円を上回る30兆円規模の経済対策を検討しているようだが、与党内では外食や旅行の一部助成や商品券の配布などが選択肢に上がっていると知って、“口アングリ“だ。

 こんな思いつきのバラ巻き施策では、本当に困っている国民にとって何ら解決にもならない。

 「自粛」要請と「消費」喚起は、まったく矛盾している。

 必要なのは消費の喚起ではなく、正社員も非正規社員も、派遣切りなどに直面する人も含め、大幅な収入減で生活に不安を抱えている国民への補償だろう。

 なにより、貧困世帯に対する家賃や水道光熱費を国が肩代わりするような生活補償が優先するだろう。

 与党内では、現金は貯蓄に回るから、なんて声があるらしいが、この人たち、どこを見ているのか。

 今朝の海外のニュースを見たら、インドでは三週間の全土封鎖を発令し、併せて貧困層を中心にした食料支給策や現金支給の具体策を発表した。野党からは不十分、という声もあがっており、追加支援策を検討中らしい。

 もちろん、国民の混乱はあるが、政府の真剣さが伝わってくる。

 それは、感染拡大阻止のために国民に訴えるドイツ、イギリス、シンガポールなどのリーダーたちからも感じるものだ。

 しかし、この国のリーダーは、いったい何を考えているのか。

 小池都知事の緊急事態による週末自粛要請で、スーパーに買い物客が殺到する映像にも、がっかりするが、これも政府の無策とメディアの煽動が大きな要因となっている。

 なぜ、小池都知事の緊急要請が連休前でなかったのか、は問われていい。
 五輪延期問題が確定する前に、アラームを出したくなかったとしか思えない。
 となると、「オーバーシュート」の危機を招いたのは、首相と都知事ということだ。

 「自粛」にしたって、さまざまな分野で、補償が必要になるはず。

 プライオリティのトップは、あくまで医療現場が崩壊しないようにすることと明確にすべきだ。

 それは、県単位で考えることをはるかに超えている。

 そのために国民が被る損害には、国が(具体的に)〇〇には△△、□□には☆☆という補償をする、と明確に施策を打ち出さないから、コロナへの不安に生活の不安が重なる。
 不安があるから、メディアでちょっと「〇〇が売り切れ!」なんてニュースが流れると、我も我もと殺到することになる。
 
 国民に耐乏を要求するなら、そのための補償とセットで説明すべきなのに、自粛とは真逆の商品券などの馬鹿ななアイデアが出てくるから、ますます、不安になる。

 天災に人災が重なっている。

 特措法に基づく緊急事態宣言を出すのなら、併せて補償の具体的内容を提示しなければならない。

 インドでは、医療従事者への補償や支援を具体化している。

 とにかく、医療崩壊を防ぐことと、国民の不安を少しでも解消するための、透明性の高い施策が必要だ。

 もう「全力で」とか「一致団結して」なんて総理の科白は、いらない。

 まさに、本来優秀であるはずの各省庁のメンバーに仕事をしてもらう時である。

 人事権を握って、役人に忖度させ嘘をつかせるのが、政治の仕事ではない。

# by koubeinokogoto | 2020-03-27 12:36 | 責任者出て来い! | Comments(0)
 赤木俊夫さんの奥さんが、実に真っ当な主張をされている。

 共同通信の47newsから。

47newsの該当記事


再調査せず、に自殺職員の妻抗議
メモ公表、森友学園問題


2020/3/23 13:21 (JST)3/23 15:49 (JST)updated

 学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当し、2018年3月に自殺した財務省近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻は23日、決裁文書の改ざんは佐川宣寿元国税庁長官(62)の指示だったとする夫の手記を公表し、国と佐川氏を提訴したのに、安倍晋三首相や麻生太郎財務相が再調査をしない意向を示したことに抗議する自筆メモを代理人弁護士を通じて公表した。

 妻はメモで、安倍首相と麻生氏について「この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではないと思います」とした。

 弁護士によると、妻は2人の発言に対し「強い怒りを覚えている」とした。

 こちらが、公開された、赤木さんの奥さんの自筆メモ。
そうだ、安倍も麻生も、調査「される」側だ!_e0337865_16012332.jpg


 まったく同感だ。

 泥棒が、自分を捕まえるわけがないように、犯罪者が自らの犯罪を調べるはずもない。

 野党が結託して、第三者委員会とやらをつくって追及することも可能だが、本当は、赤木さんが手記にも書いていたように、すべてを知っているはずの、大阪地検が立ち上がるべきだ。

 三権分立を、取り戻そうよ、地検の皆さん。

# by koubeinokogoto | 2020-03-23 21:03 | 責任者出て来い! | Comments(0)

 週刊文春の3月26日号に、一昨年3月7日に自ら命を絶った、近畿財務局職員、赤木俊夫さんの手記全文が掲載されている。

 パソコンに収まっていたA4版で7枚に渡る手記だ。

 また、手書きの遺書も掲載されている。

 NHKで森友問題を取材していたが退職し、今は大阪日日新聞記者の相澤冬樹さんが、赤木さんの奥さんから預かったものだ。

 相澤記者については、ほぼ一年前、「ハフィントンポスト」に掲載された、森友学園の籠池前理事長へのロング・インタビューを紹介した。
2019年3月6日のブログ


 文春の記事は、赤木さんの奥さんが、国と当時の佐川理財局長を相手に訴えることも伝えている。
 
 昨日、その提訴があったことを新聞が報じている。

 また、赤木さんの奥さんの代理人である弁護団は、提訴に合わせて、文春に掲載された赤木さんの手記のコピーをメディアに配布した。

 提訴を報じた東京新聞には、森友問題の経緯をまとめた表もあるので、お借りする。
東京新聞の該当記事

赤木俊夫さんの死を、無駄にしてはならない。_e0337865_10101783.jpg

 
 いくら、菅が、政府から文書改竄の指示はないと言おうが、佐川元局長が改竄を指示したことは、あらためて明らかになった。

 そして、2017年2月17日の安倍総理の発言が、26日の文書改竄につながったのである。

 日曜日にも関わらず、赤木さんの携帯に上司から、改竄箇所が多いから、仕事を手伝って欲しい、と連絡があったのだ。

 抵抗するものの、逆らえずに改竄の手伝いをした赤木さん。

 そこから、赤木さんの不幸が始まる。

 同年7月には、欝病となって休暇をとらざるを得なくなった。

 やりたくない仕事、公僕としてやってはいけないと思う作業をすることで、精神がずたずたになったのだ。

 真面目一途な、「ぼくの契約相手は国民です」と明るく話す一人の人間を死に追いやったのは、間違いなく安倍政権である。あるいは、安倍夫妻、と言ってもいいだろう。

 赤木さんの手記の内容は、すでに新聞各社も報じているが、せっかく(?)文春を買ったので、引用したい。

赤木俊夫さんの死を、無駄にしてはならない。_e0337865_12544497.jpg


 文書改竄指示の部分から、最後まで。

 元は、すべて、佐川理財局長の指示です。
 局長の指示の内容は、野党に資料を示した際、学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました。
 佐川理財局長の指示を受けた、財務本省理財局幹部、杉田補佐が過剰に修正箇所を決め、杉田氏の修正した文書を近畿局で差し替えしました。
 第一回目は昨年2月26日(日)のことです。
 当日15時30分、出勤していた池田靖統括官から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡を受け、役所に出勤(16時30分頃登庁)するよう指示がありました。
 その後3月7日頃にも、修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました。
 楠管財部長に報告し、当初は応じるなととの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから楠部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長に報告したと承知しています。
 美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと楠部長から聞きました。
 楠部長以外にも、松本管財部次長、小西次長の管財部幹部はこの事実をすべて知っています。 
 本省からの出向組の小西次長は、「元の調書が書き過ぎているんだよ。」と調書の修正を悪いこととも思わず、本省杉田補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです。
(大阪地検特捜部はこの事実関係をすべて知っています)

 これが財務官僚機構の実態なのです。
 パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです。
 佐川局長は、修正する箇所を事細かく指示したのかどうかわかりませんが、杉田補佐などが過剰反応して、修正範囲をどんどん拡大し、修正した回数は3回ないし4回程度と認識しています。 
 役所の中の役所と言われる財務省でこんなことがぬけぬけと行われる。

 森友事案は、すべて本省の指示、本省が処理方針を決め、国会対応、検査院対応すべて本省の指示(無責任体質の組織)と本省による対応が社会問題を引き起こし、嘘に嘘を塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応を本省(佐川)は引き起こしたのです。
 この事案は、当初から筋の悪い事案として、本省が当初から鴻池議員などの陳情を受け止めることから端を発し、本省主導の事案で、課長クラスの幹部レベルで議員等からの要望に応じたことが問題の発端です。
 いずれにしても、本省がすべて責任を負うべき事案ですが、最後は逃げて、近畿財務局の責任とするのでしょう。
 怖い無責任な組織です。

○刑事罰、懲戒処分を受けるべき者
 
 佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部
 担当窓口の杉田補佐(悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)
 
 この事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。
 事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。
 今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした、(55歳の春を迎えることができない儚さと怖さ)

 家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です。
 私の大好きな義母さん、謝っても、気が狂うほどの怖さと、辛さこんな人生って何?
 兄、甥っ子、そして実父、みんなに迷惑をおかけしました。

 さようなら

 文春では、赤木さんが自殺されて半年ほど後、赤木さんの奥さんが相澤さんを訪ね、喫茶店でパソコンにあった手記を見せたのだが、その時は、返却を求められ、もし記事にしたら奥さんが死ぬ、と言って別れたと書かれている。
 
 しかし、その後、赤木さんの奥さんは、財務省の関係者が、森友事件はなかったかのようにふるまい、赤木さんとの接点をどんどん切って行こうとした。
 麻生などは、赤木さんが亡くなって三ヵ月たった2017年6月、赤木さんと親しかった人を通じて墓参に行きたいと打診させ、奥さんは「来て欲しい」と返事をしたにも関わらず、その仲介者が奥さんのお兄さんに、マスコミ対応が大変だから断ります、と返事をしている。断り方も含め、ずいぶん失礼な話だ。

 しばらくして、麻生は、「遺族が来て欲しくないということだったので伺っていない」と国会で答弁している始末。そして、赤木さんが慕ってもいた上司は、奥さんに、二度と会えない、と言ってきた。

 こういう、財務省の冷酷な仕打ちに、奥さんは怒りと悲しみでいっぱいになり、三回忌を契機として、真相を明らかにして欲しいがために訴追を決意したようだ。

 そして、相澤記者に、この手記を託した。

 新型コロナウイルスの過剰な報道より、赤木俊夫さんの死を無駄にしないよう、メディアも腰抜け野党も、少しは仕事をして欲しい。

 山尾議員が抜けた立憲よ、ちょっとは野党第一党の役割を果たす時ではないか。

 ウイルスの中でもっとも怖い、「無知」と「無恥」のウイルスをたれ流す安倍政権には、一日も早く消えてもらいたい。

 赤木俊夫さんの死を、無駄にしてはならないと思う。


# by koubeinokogoto | 2020-03-19 12:57 | 責任者出て来い! | Comments(0)
 昨日の3.11に、何か書くつもりでいた。

 ちょうど一年前に書いた甲状腺がんに関する記事のアクセス数が増えたので、その続報的なものも考えた。

 しかし、いくら検索しても、その後に、甲状腺がんについて書かれた記事や、データの更新が見つからず、なんとも暗澹たる気持ちになった。

 ネット上でも、風化が進んでいる・・・・・・。
 その背後には、権力の姿がありそうな気がしている。

 とにかく、今、閉塞感が半端ない。

 イベント自粛期間の延長となり、会社の時差出勤期間も今月末まで、とりあえず延長となった。

 しかし、どこも時差出勤なので、必ずしも電車は空いていない。

 ようやくWHOが、パンデミックと認めた。

 そんな状況において、五輪組織委員会の理事が開催延期の可能性について語ったら、森会長が「とんでもないことを言った」と怒った。

 おいおい、甲子園が中止だよ。

 世界がこんな状態で、中止や延期を視野に入れないほうが「とんでもないこと」だろう。

 とはいえ、国民と都民の税金を含め、三兆円の運営経費をかけている大イベントには、さまざまな利権がぶら下がっているから、そう簡単にやめられない、ということなのだろう。

 中止か、せいぜい二年後の開催が良いとは思うが、IOCの最終判断が5月なら、強引に開催する可能性は高いだろうなぁ。


 今、町はなんとも不思議な状況になっている。

 Wワーカーの私は、会社が休みの日に飲食関係のアルバイトをしているが、その店の近くにあるモールのフードコートが、中高生にたまり場になっている。
 テーブルを三~四人で囲んでカードゲームなどをしている。

 学校と、どちらが衛生的なのか・・・・・・。

 昨日あたりは、そのアルバイトの店も忙しかった。

 平日にも関わらず、家族連れが土日のような時間帯に多かった。

 そろそろ、閉塞感に耐えられなくなってきているのだろうなぁ、と実感している。

 くどくなるが、インフルエンザよりも被害が量的に大きいとは思えない新型コロナウイルス。しかし、見えないことによる恐怖感は、私にだってある。

 でも、休校は正しい施策だったのだろうか・・・・・・。

 なにがなんでも東京五輪を開催したいがための、小手先だけの対策の一つとしか思えない。

 いまだに五万人近い人が避難していて、何が「アンダー・コントロール」なのか。

 原発事故は、民主党政権下で起きた。

 しかし、あの事故を招いた大きな要因は、事故発生の五年も前に、専門家でもある議員が電源喪失のリスクヘッジを提言したのにもかかわらず、自民党のある人物が、必要なしとしたからでもある。

 LITERAの3.11付けの記事から、引用する。
LITERAの該当記事

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁するだけだったのである。

まさに福島で起きた“バックアップ電源機能不全”の実例を指摘されても安倍は…

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。
「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 あらためて、このやりとりは、2006年のこと。

 相手の質問にまともに答えず、まったく頓珍漢なことをひっぱり出す応答は、今も変わらない。
 要するに、聞く気のない話、やる気のないことには、詭弁を弄してでも突っぱねるのが、この男のやり方なのだ。

 もし、あの時、専門家でもある吉井議員の指摘に耳を貸し、バックアップ電源の対策を施すことのできる人物がリーダーであったなら、と思わないではいられない。


 新型コロナウイルス対策にしてもそうだが、安倍晋三という人は、専門家を生かすことが下手すぎる。いや、初めから専門家の言うことなど聞く気がないのか。

 自分は何でも知っている、とでも思っているのか、この人は。

 記事でも書いたが、台湾のリーダーとは、大きな違いだ。

 リーダーは、組織でも国でも、そのメンバーにとって大きな存在だ。

 優秀なリーダーなのか、そうじゃないのか。

 今の日本のリーダーは、いったい何をやってきたのか。

 嘘をついてまでの五輪誘致、とんでもない人物の閣僚任命、桜を見る会と前夜祭に関する常識的な商慣習を否定しての事実隠蔽、そしてあのモリカケ問題など、新型コロナウイルス感染より以前から、この男は多くの国民の信頼を失っている。

 少し古くなるが、同じLITERAの2016年の記事に、あの男が通った大学の教授が語った言葉が載っていた。
LITERAの該当記事

 引用する。

 安倍首相の出身学部である法学部で当時、教鞭をとり、安倍首相も授業を受けていたはずの加藤節名誉教授は、こんな厳しい言葉を投げかける。

「大学の4年間などを通して、安倍君は自分自身を知的に鍛えることがなかったんでしょう。いまの政権の最大の問題点は、二つの意味の『ムチ』に集約されていると私は思っています」

 そのうえで、加藤名誉教授は2つの“ムチ”とはignorant(無知)とshameless(無恥)のことだと説明する。母校の恩師とは思えない手厳しさだが、加藤名誉教授の批判はそれだけに止まらない。安倍首相が2013年3月の参院予算委員会で憲法の最高権威である故・芦部信喜氏を「知らない」と言い放ったことを挙げて、さらにこう指摘している。

「(晋三氏は)政治学科ですし、憲法もしっかり勉強しなかったんでしょうね。しかし、改革を訴えているのに、(芦部を)『知らない』なんて言うべきではない。まさに無知であることをまったく恥じていない」

 このインタビューは、昨年から「AERA」(朝日新聞出版)誌上で断続的に連載されているジャーナリスト・青木理のルポ「安倍家三代 世襲の果てに」に掲載されたもの。

 私でさえ、芦部信喜の名は知っている。


 多くの国民にとって今いちばんの問題は、先の見通しが立たないことだろう。

 そして、そんな不安を招いている元凶は、間違いなく、リーダーたるべき人間の「無知」と「無恥」だと思う。

 企業勤務者の休業補償は8330円で、フリーランスが4100円というのには、驚いたし、腹が立った。
 東京の最低賃金の4時間分なんだと。おかしいでしょ、それって。
 
 一億総活躍社会、なんてスローガンが、単にその場の思いつきであったことが、よく分かる。

 それにしても、厚労省のみならず、霞ヶ関の官僚も、ずいぶん、以前とは違ってきたものだ。
 忖度ばかりではなく、病的な気がする。

 永田町や霞ヶ関で、新型コロナウイルスよりも怖い「無知」ウイルスと「無恥」ウイルスの感染が、拡大しているのではなかろうか。

 この感染の方が、ずっと怖い。

# by koubeinokogoto | 2020-03-12 21:45 | 責任者出て来い! | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛