日経の記事を支持、5500万キロワットの中身を公開せよ!
日経の4月29日の記事
電力制限は透明な議論をもとに進めよ
海江田万里経済産業相は、夏の電力不足への対策で、使用電力の削減目標を一律15%にすると表明した。企業や家庭の負担を減らすため、当初の目標から引き下げたのはいいとしても、電力制限をめぐるこれまでの議論は透明性を欠いている。
節電目標を下げたのは、東京電力が供給力を上積みできる見込みとなったからだ。政府の電力需給緊急対策本部は4月8日、今夏の供給力を約4500万キロワットと想定していた。それが、被災した火力発電所の復旧などで、5500万キロワット程度まで回復できる見通しになったという。
テレビのニュースで、まるで「増えたから、節電少なく済んで良かったね!」とばかりの笑顔をふりまく海江田の姿が印象に残ったが、まさに、こういう笑顔こそ疑わなければいけない。“魔法”のように増えた1000万キロワットの電力への疑問は当然追求すべきだろう。そういう意味では、この件に関して日経は、最近の大手新聞の中では久しぶりにナイスな突っ込みをしている。
3週間で1000万キロワットもの数字が積み増された。この間に産業界では、企業や業界団体が節電の自主計画をまとめた。その8割が、政府が当初、大口需要家に求めた25%の削減目標の達成を目指している。
電力供給の制約は生産の停滞に直結する。3月の鉱工業生産指数は前月比15.3%低下となり、過去最大のマイナスを記録した。さらに生産の停滞が続けば、日本の経済成長に深刻な影響が出るだろう。
自主的な節電の努力は続けるべきだが、公的な目標設定などは国民と産業界が納得できるよう、透明な議論に基づいて進めるべきだ。
供給力の見通しは、東電管内の発電所の能力を積み上げて算出したはずだ。どの発電所の何号機が稼働するのか。原発の運転をどう見込んでいるのか。細部を明かさず、全体の数字だけを企業や家庭に放り投げるやり方は、情報の小出しで批判を浴びた原発事故への対応にも通じる。
まさに、同感だ。休眠火力発電所の再開が中心なのだろうし、もしかすると新日鉄、JFE、住友金属などの鉄鋼会社系の火力発電所からの購入も加えた数字なのかもしれない。浜岡3号機を加えているのであれば、とんでもないことだ。。
いずれにしても、計5500万キロワットの詳細な情報を明らかにすべきだ。私は目にしていないが、どこかに発表されているのだろうか。
ここで考えられるのが、いつもの原子力村の隠蔽体質だ。もし、こういったリストが公開されることで、「あれぇ、原発止めても、当面休眠火力発電所の再開などで、やりくりできるじゃないか!」という議論が起こることが、原子力村の人々が、避けたい話題であることは間違いがない。
もちろん、休眠火力発電所も老朽化しているものもあるし、震災の影響もあって安全確認の時間も必要だろうし、二酸化炭素の問題もあるだろう。
しかし、「緊急性」で考えた場合、浜岡原発を含む危険性の高い原発を総点検するために休止し、火力他の手段を総動員し、なおかつ節電してこの夏をしのぐ、というのが最善策ではなかろうか。
万が一、駿河湾沖や若狭湾沖で大地震と津波が発生し、浜岡や敦賀でフクシマの二の舞となった場合、歴史は、「かつて、日本人という学習効果のない馬鹿な国民がいて、同じ過ちを繰り返し自分たちの国を滅ぼし、その被害は全世界に放射能を撒き散らした」と振り返られることになるかもしれない。そんな日本人にはなりたくない。