久住静代は「放射線影響学」の“看板”を下ろし、安全委員会は解体せよ!
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政府の被ばく基準に批判相次ぐ 衆院特別委で専門家
福島第1原発事故を受け、政府が計画的避難区域や校庭の活動制限の基準に採用している「年間20ミリシーベルト」という被ばく線量について、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で20日、放射線医学の専門家らから「高すぎる」と批判が相次いだ。
矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授は、政府が根拠としている国際放射線防護委員会(ICRP)の基準について「内部被ばくを考慮していない」と批判。欧州は内部被ばくを考慮した別の基準を採用しており、外部被ばくだけで年間20ミリシーベルトというのは「とんでもない数字」と強調した。
武田邦彦・中部大教授は「20ミリシーベルトで発がんリスクが高まるのは明らかなのだから、保護者が納得しないのは当然だ」とし、校庭だけでなく通学路などを除染する必要性を強調した。
国の原子力安全委員会の久住静代委員は、日本人の数十%はがんが原因で死亡し「20ミリシーベルトが発がんに与える影響は小さすぎ、疫学調査で検出できないほどだ」と20ミリシーベルトという基準の妥当性を主張したが、崎山比早子・元放射線医学総合研究所主任研究官は「子どもの方が放射線感受性が強く寿命も長い。年齢による影響の差を考慮しない議論は論外だ」と反論した。
2011/05/20 13:19 【共同通信】
この久住静代という人の言葉には、あきれるばかりだ。以前にも、“年間20ミリシーベルトで健康に影響が出るということはない”と言いながら、“決して、こども達に放射線量を年間20ミリシーベルトまで受けることを容認しているものでない。できるだけ、受けないように努めるべき”というまったく矛盾した発言をし、“暫定措置”などと訳の分からんことを言っていた。本人の意見なのか組織が言わせたのか分からないが、この人の言動を思うに、まったく放射能被害の“いろは”を知らないのか、あるいは知っていても知らないフリをする詐欺師としてか思えない。
どんな人か、いちおう原子力安全委員会のサイトから略歴を調べてみた。原子力安全委員会HPの委員紹介ページ
久住 静代 (専門:放射線影響学)
1972.3. 広島大学医学部医学科卒業
1988.5. 日米共同研究機関・放射線影響研究所臨床研究部副部長
1989.4. 広島大学原爆放射能医学研究所非常勤講師
1996.4. (財)放射線影響協会放射線疫学調査センター審議役
2004.4. 原子力安全委員会委員(常勤)
おいおい、広島で勉強してきて、この有り様なの・・・・・・。この組織のサイトに、この行間に眠る実態が掲載されるわけもないが、少しネットで調べただけでも御用学者としての旗色は鮮明。この人には、「放射線影響学」の看板を即刻下ろしてもらいたいものだ。それとも、「放射線」を勉強して原発推進派の御用学者になることによる経済的「影響」を研究しているのかもしれないなぁ。
今さらながらだが、未だにこの問題が解決されていないので、「福島老朽原発を考える会」(別名、フクロウの会)が4月25日に同会のサイトに掲載したメッセージを紹介する。福島老朽原発を考える会(フクロウの会)の4月25日のメッセージ
【福島原発震災(59)】皆20ミリシーベルトまで浴びなさいという姿勢
ご承知のように、一般公衆の線量限度は年間1ミリシーベルトです。これは、みんな1ミリシーベルト浴びなさいという意味ではありません。放射線防護の大原則は「できるだけ低く」です。0.1ミリシーベルトにできるのならそうしなければならないし、0.01ミリシーベルト、さらに低い線量にできるのならそうしなければならないのです。
今、福島で起こっていることは、単に、1ミリシーベルトの線量限度が子どもを含めて20ミリシーベルトに引き上げられただけでなく、「できるだけ低く」の大原則もかなぐり捨ててしまっているのです。福島県内では、これまで学校の校庭の使用を控えていたところがありました。それが、4月19日の文部科学省による、学校の安全基準を20ミリシーベルトにする通知により、校庭の使用を再開する方向に動いたのです。
放射能を少しでも低減するためにとっていた措置をやめて、より多くの線量を浴びさせているのです。皆20ミリシーベルトまでは浴びてもらいますよ、というのが文部科学省の姿勢です。しかもこれは外部被ばくだけで、内部被ばくを考慮するとさらに被ばく線量は増えます。
20ミリシーベルトで飯舘村は避難が決まりました。同じ20ミリシーベルトでも、福島市では、学校に子どもたちが通い、土ぼこりが舞う校庭で走り回っているのです。原発で働き、白血病で亡くなり、労災認定を受けた嶋橋さんの被ばく線量は、年間最多で9.8ミリシーベルト、9年間積算でも約50ミリシーベルトでした。
20ミリシーベルトといえば、国際放射線防護委員会(ICRP)のリスク評価でも1000人に一人がガン死に至る線量です。ICRPは過小評価が問題になっていますし、子どもに対する放射線からの影響が成人よりも大きいのは明らかです。リスクを10倍厳しく見ると、100人に一人がガン死ということになります。さらに多くのひとがガンにかかり、免疫不全による原爆ブラブラ病と呼ばれる症状がでることも懸念されます。これでも健康には影響ないといい続けるのでしょうか。
まったく妥当な主張である。私も以前にいくつかの関係書籍から取り上げたように、20ミリシーベルトは、とんでもない値である。内部被曝も考えると、「暫定措置」などという訳のわからない理由は関係なく、あってはならない数値。 ICRPが緊急時の対応として、「年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトの範囲」という訳のわからない勧告を出したのを利用しているだけである。何かあっても、「ICRPに従った」と逃げるのは目に見えている。
以前紹介した2011年5月3日のブログ小出裕章さん達「原子力安全研究グループ」のHPに、そのICRPの基準そのものが、この50年間で10倍に厳しくなっていることが、次のグラフを使って説明されている。
原子力安全研究グループHPの該当ページ

このICRPの設定する許容量の根拠に問題があることを、高木仁三郎著『プルトニウムの恐怖』から引用したい。なお、この本は重版されたので入手しやすくなったのは朗報である。高木仁三郎著『プルトニウムの恐怖』
許容量
ここでは、許容量がどのような手続によって決められているか、したがって許容量をめぐるさまざまな論争がどんな根拠で生れるのか、ごく基本的なことを述べておこう。
すでに述べたように、ごく微量の放射線もその電離作用によって生体、とくに遺伝子に影響を与えるから、決してこれ以下なら絶対安全という放射線量はない。そこで、各国の基準のもとになる勧告を出している国債放射線防護委員会(ICRP)では、利益と危険のバランスという考え方をとっている。その意味では、「許容」とは、原子力の利益と危険のかね合いで決る概念である。
しかし、利益と危険のつりあいをいったいどうやってとれるかととなると、どうもはっきりしない。両者を共通のはかりにかけるための手続きも不明確だし、利益を得るもとの危険をこうむるものが、必ずしも同一人ではない。
利益-危険のバランス論の有効性は疑問で、実際にはICRPも、ガン死の確率が年間1万人の労働者に1人(つまり1人につき1万分の1)というところで、「許容」の線をひいている。これなら他産業に比べて決して危険ではない、というわけである。この考え方を基本とし、ICRPは、自らの線量-効果の評価に基づいて、年間職業人の最大許容量を5レムと定めている。レムは、体に吸収される放射線量(ラドという単位を使う)と、その放射線の生物学的効果をかけ合わせて決る単位だが、ここでは単純に被曝線量を表わす単位と理解しておこう。100マイクロキューリーのコバルト線源から1メートル離れたところで1年間ガンマ線を被曝し続けると約1.2レムになる。
ICRPの評価によれば、年間1レムの被曝によるガン死の確率はおよそ1万分の1(1万人に1人)になるから、許容量を5レムに設定すれば、労働者の平均としては一人あたり1レム以下となり、「安全な産業」であるというわけだ。放射線の規制は国によってやや異なるが、この年間5レム(職業人)というのが基本の前提となっている。一般に非職業人(公衆)では、その10分の1の年間0.5レムが、許容限度とされている。
しかし、ここにも多くの論争が発生する。はたして年間5レム、すなわち2000分の1のガン危険率が、十分に安全な水準といえるのかどうかという問題もあるが、最大の論争点は1レムの被曝が1万分の1の危険率かどうかという点である。この線量-効果の関係の評価こそが歴史的にも最も中心的な争点になってきたことであり、また歴史とともに評価が難しくなってきた点だった。そしていまなおホットな議論が続いている。我々はいずれまた、この問題に立ち戻ることになる。
高木さんの指摘の通り、この問題に、我々日本国民は立ち戻っている。本書の初版は1981年11月、30年前であるのでICRPの基準も今よりは緩い。職業人(≒原発産業従事者)の許容量5レムは、50ミリシーベルト、非職業人(公衆)の0.5レムは5ミリシーベルト。もちろん、この値に高木さんは疑問を呈している。
現在は、紹介したように年間1ミリシーベルトがICRPの基準となっているのだが、久住委員が所属する「安全」委員会は「利益と危険のバランス」を量り、ICRP基準の最大許容値というとてもあてにならない数字を利用して、非職業人(公衆)の許容値を年間20ミリシーベルトに値上げ(人の命は値下げ)するにとどまらず、恐ろしいことに被曝による影響を受けやすい子供達にまでも20ミリシーベルトを適用しようとしている。これは、国家による国民への“殺人行為”に等しい。
久住静代という人や原子力安全委員会が、「利益と危険」のバランスにおいて原発の利益に重きを置き、利益を得る側であってもけっして危険をこうむる側ではないことは間違いない。
高木さんは「憎しみからは何も生れない」ということを、晩年主宰されていた“高木学校”でおっしゃっていたらしい。私もけっして憎しみやいっときの感情で、このブログを書いているつもりはない。日本復興あるいは再生は、今の子供達にかかっている。そして、原子力村、すなわち政官財学マスコミの“原発ペンタゴン”(→この言葉は、よく拝見している「ほめ・く」さんのフブログから拝借しました「“ほめ・く”さんのブログ」該当ページ)が主導したとは言え、結果として原発推進を許してきた我々市民にも、今回の事故の責任がないとは言えない。では、これからのことで何が貢献できるか、あるいは罪を償えるかとなると、その一つは将来のある国の宝の子供たちをいかに被害から守るか、ということだろうと思う。もちろん、出来る範囲で原発には反対していく。
だから、個人攻撃ではなく、権力のある地位にいて、その子供たちを危険に追いやる似非科学者を批難しないわけにはいかないのだ。そもそも原子力安全委員会は即刻解体し、削減できた費用を復興支援に当てるべきだ。デタラメ委員長は、事故発生直後、菅に「燃料溶融」の可能性を示唆したなどと今になって言っているが、では、なぜその推測を元に実質的な対策を指導しなかったのか。保身のための発言としか思えない。
今後の原子力安全問題は、危機においてまったく無力であったばかりでなく国民をミスリードしてきた御用学者など原子力村の“村民”には任せられない。市民の立場、あるいは百歩譲って原子力村の影響を受けない立場にいる科学者や、実際に原子力産業に携わってきて現場の問題が分かるエンジニア経験者、そして市民代表、かねてから原発の危険性を指摘してきたグループ、また海外の中立的な専門家などを交えて議論されるべきで、「危険」より自分たちの「利益」を優先する“国賊”達は退場すべきである。
長崎大学の山下教授といい、こういう放言をする教授の出現は
ショックです。『被曝地のセンセイ』ということで充分周囲に
与える影響力が分かっているだろうに腹が立ちます。
(ちなみに私が原爆や原発に興味を持ったのは広島大で化学の
勉強をした父の影響なんですけどね・・・・・。)
ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ、ですからね。
出身地や大学がその人の人格を左右するわけでもないですが、それを悪用する奴は許せません。
今後も適宜、彼らのことを取り上げるつもりです。
動物実験してみると分かるのですが、1ミリでも50ミリでも結果に違いがないんですよ。血液検査やCT検査をしても、何も異常がでないんです。150ミリにすると、ラットでも白血球が少し減ります。
人間だけでなく、ほ乳類なら20ミリシーベルトは問題ないと思っています。
内部被曝のことですが、ラットやウサギの実験では、驚くことに、排泄しちゃうんですよ。ヨウ素は、確かに甲状腺肥大させますが、セシウムはほとんど排泄、ストロンチウムは、超微量のせいか、骨の異常は見られません。不思議です。生物の体内って、どうなっているんでしょうか?長崎の原爆では、内部被曝によるものでは、甲状腺の結節のみが確認されたそうですが、私が行ってきた実験と似た結果なので、左程間違っていないと思います。
「ただちに健康に影響はしない」という、嘘つき軍団のお一人なのでしょう。
私は、もちろん専門の科学者ではありませんが、これまでブログで紹介した著作などからも、決して20ミリシーベルトが安全と言えないことは明白です。
「マンクーゾ報告」の「倍加線量」のことを考えると、とんでもない数値です。知っていますか。
ポーツマスの原潜修理作業者でガンになった人たちの被爆量をあなたは知っていますか。
知らないのなら、私のブログで探すか、高木仁三郎さんや広瀬隆さんの本を読んで勉強してください。
内部被爆は、すぐに結果が見えないからこそ、危険なのです。
まぁ、書き逃げコメントかと思いますが、あなたのような人がいるから、子供たちの将来が危ぶまれるのです。
1)「マンクーゾ報告」は存じておりますが、統計学の技術に問題があります。それは交絡因子の除去を行わずに、データ処理をしている点です。現在は、欧米の疫学のテキストや基礎講座で、失敗データのサンプルとして紹介されています。以前、ゼミのカンファで、交絡要因を推定し、データー処理をした仲間によると、コントロール群と有為な差が出ませんでした。
2)ポーツマスの原潜修理作業者
この調査結果の全てのデーターは発表されていませんが、端的に言えば、対照群のSMRは、低下しているという結果を得ております。詳しくはこちらをお読み下さい。Sponsler,R.and Cameron,J.R.:Nuclear shipyrd worker study(1980−1988)
3)広瀬隆の著書は読みましたが、統計学の技術をご存知でなく、いい加減な論理で、恣意的な発言が多いですね。学生たちの間でも評判は悪いです。
高木仁三郎の著書も読んでおります。IAEAに関する誤解等がありますが、放射線の影響を科学的に論じようと努力されていると思いました。また、新エネルギーへの模索への情熱は素晴らしいのではないでしょうか?
精度の高いWHO報告書を紹介しますので読んでみて下さいhttp://www.criirad.org/actualites/tchernobylfrancbelarus/conclusionsonu_aieasept05/consequencessante.pdf
私が誤った勘ぐりをしていたようですので、お詫びします。
私は専門家ではありませんし、高木さんや広瀬さんの著作にも「完璧」ではない部分、引用された調査そのものの不備などもあるかもしれません。そして、広瀬さんの著作には。やや扇動的な不適切な表現もあることは私も認めます。
misunoさんは、原発建設の賛否に関して個人的には態度保留のようですね。それについては、ここで私見を書くことはやめにします。民主主義的なエネルギー政策の選択は同意見です。
どうしても気になるのが、mizunoさんのような専門家が「20ミリシーベルトでも安全」と言い切れるのか、という点です。
内部被爆という非常に因果関係の解明が難しいものについて、明確なネガティブなデータや実証例がないから安全、とは言えないはずですが、どうお考えですか。

