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幸兵衛の小言

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23年前とはあまりにも違う「朝まで生テレビ」 、もうやめたほうがいい!

楽しみにしていた「落語者」の入船亭扇辰『三方一両損』を来週に飛ばしてまで行った「朝まで生テレビ」を収録していたので、なんとか辛抱して見たところだ。震災と原発事故以来で三回目らしいが、前の二回は見ていない。
 “激論 脱原発と日本の未来!!”というタイトルが、あまりも実態と違った粗悪な内容。とりあえず、出演者を並べてみる。
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司会(のような人): 田原 総一朗
進行: 渡辺 宜嗣・長野智子(テレビ朝日アナウンサー)
パネリスト:
<原発推進派らしい人たち>
大塚耕平(厚生労働副大臣)
宮崎慶次(大阪大学名誉教授、原子炉工学)
松本義久(東京工業大学原子炉工学研究所准教授)
渡部恒雄(東京財団上席研究員、元歯科医師)
澤昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)

<原発反対派>
片山さつき(自民党・参議院議員、党影の内閣経済産業副大臣)
福島みずほ(社民党党首・参議院議員)
青山繁晴(独立総合研究所社長、原子力委員会専門委員)
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長、京大原子炉工学卒)
荻原博子(経済ジャーナリスト)
岸博幸(慶応大学大学院教授、元経産官僚)

<アドバイザリーメンバー(のような人)>
パスカル・グードルフ(在日ドイツ商工会議所広報マネージャー)
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 まず、原発推進派側の席にいる大塚耕平の歯切れの悪さが印象的だ。まぁ、今の状況ではしょうがないかもしれないが、こんなことなら出演しないほうがよかっただろう。 

 田原総一郎は、もう無理だ。77歳という年齢もあるだろうが、間違いが多いし、突っ込みも歯切れが悪い。パネリストにこれだけ間違いを指摘されていては、議論にリズムもでない。加えて、あまりにも勉強不足。3月12日の時点で当時の原子力安全・保安院の中村審議官が「炉心溶融」の可能性を記者会見で話したことを知らず、片山さつきに指摘されているようでは、肩書きの”ジャーナリスト“が泣く。

 まともだったのは、原発反対派で飯田哲也。この人は、今後のエネルギー政策論議でのメンバーになるべき人。そして、若干胡散臭いのだが青山茂晴も、まぁまぁ。福島みずほは途中までまぁまぁだったが、20ミリシーベルト問題から発展して「東京から避難すべきか?!」という田原の妙に熱い切り返しに、若干オタオタしたなぁ。岸博幸はもっと熱く発言して欲しかった。官僚経験者として、もっと指摘できることがあるはずだが、妙に冷静なのだ。

 原発推進派は、今の情勢もあるのかもしれないが人選を含め迫力不足。宮崎慶次は、田原と同様に、もうこういう企画で出演するには無理な老齢化を示している。逆に若手推進派の成長株(?)松本義久も、まだまだ青い。しかし、この人は反対派には手ごわい敵になる可能性がある。注意したい人物。

 本来“日本的”ディベート番組のはずが、司会者やパネリストの役不足でまともな議論になっていなければ、論点もあまりにも甘い。フクシマ以降、国民の多くは自ら原発のことを学んでいるということを、まったく知らないようなレベルの低い、つまらない内容で時間を浪費してしまった。録画データはもちろん消去する。

 冒頭で紹介されていたが、前回は石川迪夫が出演して、結構わめいたらしい。炉心溶融の可能性を指摘していたらしいが、それをオーバーに紹介する田原も田原なら、石川だって推進派として前線にいた時に災害対策を指導するなど、やるべきことはあったはずだ。彼が保身に走っているのは明白。

 5月5日にYouTubeにあった1988年10月28日の番組を紹介した。予想通り、すでに下記のURLにリンクしても見ることはできない。この動画は削除された。テレビ朝日が著作権侵害で申し立てたとあるが、その背景には、石川迪夫や加納時男の影が見え隠れする。
朝まで生テレビ1988.10/28 原発①

 あえて、23年前の番組の出演者、そして画像と私が付けたキャプションを、5月5日のブログから引用する。2011年5月5日のブログ

-----1988年10月28日の「朝まで生テレビ」---------------
<原発推進組>
石川迪夫(日本原子力研究所 東海研究所 動力試験炉部長)
板倉哲朗(日本原子力発電 取締役 技術開発本部副本部長)
加納時男(東京電力 原子力本部副本部長)
鈴木雄太(日本原燃サービス 取締役調査部長)
住谷寛(日本原燃サービス 常務取締役)
宅間正夫(東京電力 原子力業務部部長)
橋本寿(六ヶ所村 原子燃料施設 対策協議会会長)
大和愛司(動力炉核燃料開発事業団 東海事業所 安全管理部 安全対策課長)
山本正男(動力炉核燃料開発事業団 環境資源部長)

<中立組>
石川好(作家)
堀紘一(ボストンコンサルティング副社長)*ほぼ推進組、と言ってよい。

<原発反対組>
生越忠(地質学者)
久保晴一(青森県核燃阻止農業者実行委員会)
高木仁三郎(原子力資料情報室 代表)
槌田敦(理化学研究所 研究員)
暉峻淑子(埼玉大教授)
西尾漠(原子力資料情報室)
室田武(一橋大学教授)
山本コータロー(キャスター)

<盛り上げ組>
大島渚(映画監督)*ほぼ反対組。
野坂昭如(作家)
舛添要一(東京大学助教授)
*登場時間少なく、話も槌田さんとの“民主主義論”でのバトルが中心。

<司会のような人>
田原総一朗(ジャーナリスト)

当時50歳の高木仁三郎さんが頑張っている。
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 フクシマの後もテレビでご活躍(?)だった、この方の猫なで声は、23年前はもっと気持ちが悪い。
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 当時は東京電力側の論客だったこの人、その後経団連から政界に送られ、自民党の国会議員となって、“原子力の平和利用”を推進した。3.11以降、ご自身のホームページを閉鎖した。
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結構『岬めぐり』のこの人が鋭いことを言っていたが、今現在は何か発言しているのだろうか。テレビドラマでオヤジバンドしているのは知っているが・・・・・・。
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 安い深夜電力、というのは、動き出したら止められない原発による電力を使わせるための苦肉の策でもある。だから、深夜のテレビ放送は、そういった電力会社の口実を正当化しかねない。電力問題に関連し、こんなムダな番組を放送し私も含め少なからずの視聴者にも電気を使わせる。番組のクォリティを考えると、そろそろこの番組はやめるべきかもしれない。少なくとも、田原総一郎には議論をプロデュースする力も、適切な突っ込みをするセンスも、残念ながらすでにないように思う。

 この番組で「原発」をテーマにするのは、実はこの1988年以来23年ぶりらしい。だから、昨夜の番組でもっとも印象的だったのは、脱原発に舵を切ったドイツのパスカル・グードルフ(ドイツとフランスのハーフらしい)が、「23年もの間、この番組で原発をテーマにしなかったということが不思議?!」と言ったことだ。そうなのだ。この23年間、私を含め日本人はいったい何を議論してきたのだろう・・・・・・。しかし、これからしっかり議論しようじゃないか。原発はいらない。
Commented by 創塁パパ at 2011-05-29 07:34 x
田原が大嫌いなんで、あまり見ない番組です。彼は勉強不足で、人の話を
聞かない。不愉快になる一番の司会者です。もう、彼が司会のような番組は
いらないでしょう。時代遅れも甚だしいです。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-05-29 08:50 x
田原は、いわゆる「老害」になりつつありますね。
人の話を理解せずに、トンチンカンな発言をしている。
まともな時でも嫌いな人がいるんだから、もう限界でしょう。
ナベツネほど酷くはないですが、公共の電波を利用して撒き散らしている罪は深いでしょう。
困ったものです。

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by koubeinokogoto | 2011-05-28 16:14 | 原発はいらない | Comments(2)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛