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幸兵衛の小言

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現場作業員の命、そして国民の命を守るための施策を忘れるな!

東電の現場作業員に関する放射線管理の杜撰さに関するNHKの記事を以前に紹介したが2011年5月26日のブログ、その際に期待していたフォロー記事をNHKが発信しているので紹介したい。NHKオンラインの該当記事

被ばく検査 対象の40%以下
5月30日 21時18分

東京電力福島第一原子力発電所では、体の表面に受けた放射線量が100ミリシーベルトを超えた職員などを優先して、体内に入り込んだ放射性物質の量を計測し、全身の被ばく線量を調査していますが、計測装置が少ないうえに、検査に時間がかかり、検査を受けた人は対象の40%以下にとどまっています。

福島第一原発で、体の表面に受けた放射線量を示す「外部被ばく」で100ミリシーベルトを超えた職員は、30日までに30人に上ります。このうち3号機のタービン建屋の地下で高濃度の汚染水に足がつかった2人は、全身の被ばく線量が200ミリシーベルトを超え、最も多い人の被ばく量は240.8ミリシーベルトに達しています。東京電力は、外部被ばくで100ミリシーベルトを超えた職員や事故直後の3月に働いていた職員を優先して、体内に入り込んだ放射性物質の量を示す「内部被ばく」を計測する「ホールボディーカウンター」という装置4台を使って全身の被ばく線量を調査しています。しかし、この装置で検査を始めたのは3月22日になってからで、検査結果が出るまで1週間程度かかるうえ、検査場所も、福島第一原発では周辺の放射線量が高く計測できないため、職員は福島第二原発と小名浜コールセンターに移動して検査を受けています。このため、これまでに検査を受けたのは対象となるおよそ3700人のうち40%以下の1400人余りにとどまり、全身の被ばく線量の調査に時間がかかっているのが現状です。全身の被ばく線量が緊急時の限度の250ミリシーベルトを超える疑いのある2人も事故発生当初から業務に当たっていましたが、初めて内部被ばくの検査を受けたのは事故から1か月以上たった先月中旬でした。東京電力は内部被ばくの計測装置を、7月には5台増やすとしていますが、このほかにも内部被ばくの線量が高い職員がいるおそれがあるため、早急に検査体制を充実させることが求められます。

 
 「ホールボディーカウンター」が現時点で4台しかない(あるいは稼動可能なのが4台だけでという状況)ということが、今頃になってニュースで指摘された。他のメディアでは目にしたことがないと思うので、あくまで比較の問題だが、一応NHKを評価しよう。

 しかし、「ホールボディーカウンター」も実はガンマ線しか計ることはできない。内部被曝で脅威となるアルファ線、ベータ線の線量を計る術は今時点では、残念ながら存在しない(だから、”原子力村”の住人達は内部被曝の問題を「科学的根拠がない」とか言って騙すこともできる)が、ガンマ線ですら計測している人が半数に満たないのは、非常に重大な人命軽視の管理体制と言っていいだろう。

 フクシマは一日でも早く見通しをつけて欲しい。しかし、その「工程表」は、希望的観測と、その場しのぎの思いつきで立案されるべきではない。
 それは現場作業員の方の安全管理や、近隣のみならず風や潮流を考慮した海、土壌、大気の汚染状況への考察と対策を含めた、より広範囲かつ中期的な安全管理を行いながら計画されるべきであろう。

 「木」を見て、単に早期解決を焦るがために、現場作業員の方や汚染地域の人々、ひいては大気汚染の可能性のある関東や東北など「森」の”生命“を守るために配慮が不足することは許されない。「点」の問題解決だけでは、決して「線」や「面」に拡大している、もっと大きな危険を防ぐことはできない。
 「森」が見えていないがために、芋づる式に問題が発生する無駄を繰り返すことなく、「現場」の意見を最大限に生かして、全体を見通しながら、緊急性にも対処する体制をどう作るかが大事であろう。少なくとも、その発想が国のリーダーになくては困るのだ。もし、それができる菅に代わる政治的なリーダーがいるなら応援しようじゃないか。しかし、ただ単に「菅降ろし」そのものが目的の政争に時間と税金をかけている時間はない。

 今なら、まだ“最悪の最悪”は防げるかもしれない。しかし、現実は決して楽観できず、すでにチェルノブイリを越える事故に“人災”が拡大していることを我々は冷静に認識すべきだろう。原子炉3機のメルトダウンは過去にないし、3.11以降に放出された放射能の量は、史上最大であることは間違いがないだろう。
 
 その危機感を政府や官僚、東電経営陣などが認識していないのなら、市民と“市民科学者”の連帯しか、この状況から脱する道はないのかもしれない。しかし、そんなに日本人は馬鹿ではないはず、と一縷の望みを捨てずにいるのも事実だ。「熱い魂」と「氷のような冷静さ」が兼ね備わったリーダーはいないのか。一人では無理ならチームワーク、それも日本人の強みであったはず。とにかく、被害者と被害の拡大の両方を最小限にするために、必死に考え行動してもらいたい。
Commented by 佐平次 at 2011-05-31 09:34 x
これだけの事態になってもすべてを東電に丸投げしている。
カウンターなどは国の責任で増やして保健所職員なりが対応すべきだと思います。

Commented by 小言幸兵衛 at 2011-05-31 11:16 x
まったくその通りです。どこに視点を置いているのか、どんな優先順位で考えているのか・・・・・・。
自らの保身が最優先になっているのなら、菅には替わってもらいしかない。
このままでは、どんどん国民の命が蝕まれるでしょう。
さて、ではどんなことが我々市民にできるのか、これまた悩ましいです。
ブログで書くべきと信じることを書くしか今はできないので、そうします。

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by koubeinokogoto | 2011-05-30 22:07 | 原発はいらない | Comments(2)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛