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幸兵衛の小言

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地震列島日本、中央構造線など活断層だらけの国に、原発はいらない!

今朝、長野松本周辺で、震度5強と震度4の地震が立て続けに発生した。午後の2時前後にも松本では震度4、震度3の揺れが続いた。午前中の地震で国宝に指定されている松本城の天守閣の壁にひびが入ったとのこと。時事ドットコムの該当記事

長野で震度5強=前震観測、余震に注意−8人重軽傷、松本城にひびも
 30日午前8時16分ごろ、長野県を中心に関東から近畿の広い範囲で地震があり、同県松本市で震度5強の揺れを観測した。同8時21分ごろにも、同市で震度4を記録した。気象庁によると、震源地はいずれも長野県中部。1回目の地震は、震源の深さが約4キロ、地震の規模(マグニチュード)は5.4と推定される。
 気象庁の永井章地震津波監視課長は記者会見で、29日午後7時から今回の地震までに震度1~3の地震が計8回あり、前震活動と説明。揺れの強かった地域では、土砂災害や家屋倒壊の危険性が高まっている恐れがあり、今後1週間程度は震度5前後の余震に注意するよう呼び掛けた。
 県などによると、松本市では、小学2年の女子児童が落ちてきたブロック塀に当たり、右足の骨を折るなど計8人が重軽傷。ホテルの客室に宿泊客が一時閉じ込められ、消防に救助された。ブロック塀が崩れたり、屋根瓦が落ちたりする被害が出た。
 国宝「松本城」では、天守閣の壁など約10カ所に最大で長さ約1メートル、幅2ミリ程度のひびが入った。松本城管理事務所によると、通常通り一般公開しているという。
 長野県北部では、3月12日に震度6強の揺れを観測した。(2011/06/30-12:59)


 
 実は、この地震の発生地域はピンポイントで予測されていた。6月9日に地震調査委員会が、今後の地震予測で可能性が高い地域と発表した“牛伏寺(ごふくじ)断層”の近辺である。ある意味で、少し評価を下げていた地震調査委員会が、若干ながら面目を保つ予測の的中と言えるだろう。信濃毎日の6月11日の記事

牛伏寺断層、大震災影響で力の向きが変化 地震調査委、見方示す
06月11日(土)

 政府の地震調査委員会が9日、牛伏寺断層(松本市−塩尻市、長さ17キロ)の地震発生確率が高まった可能性があるとしたことについて、事務局の文部科学省地震・防災研究課は10日、取材に対し、3月11日の巨大地震による地殻変動の影響で断層にかかる力の向きが、断層がずれる南北の方向へ傾いたとの見方を示した。

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 牛伏寺断層は、北西−南東方向に延び、断層面が水平方向にずれる「横ずれ断層」。同課によると、通常は陸側のプレート(岩板)の下に潜り込む太平洋プレートに押され、地殻変動の向きは西向きだが、巨大地震による陸側プレートの跳ね返りで、東向きに変化。これにより、東側から西側へ断層を押さえ付ける力が弱まり、力の向きは断層がずれる北方向に傾いた。連動して、西側から押す力は南方向に傾いたとみられるとしている=イラスト。

 調査委が牛伏寺断層のほかに、地震発生確率が高まった可能性があるとした双葉断層(宮城、福島県)、立川断層帯(東京都、埼玉県)も南北方向の横ずれ断層という。

 調査委は2001年、牛伏寺断層を含む糸魚川−静岡構造線断層帯で、マグニチュード(M)8程度の地震が30年以内に起きる確率を14%、50年以内は20%、100年以内は40%と推定。同課によると、牛伏寺断層で地震が発生する間隔は平均約千年、最後の地震は約1200年前に起きている。

 同課の鈴木良典課長は「震災の影響に限らず、いつ地震が起きてもおかしくない状態」としている。



 松本での地震の約1時間前には千葉で震度3の地震が発生した。この連鎖から、私はどうしても下図のような日本の大きな断層とフォッサマグナの構図を思い浮かべてしまう。*図は「中央構造線」のWikipediaより。 
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「中央構造線」のWikipedia

 西は九州から四国、近畿を経由してから北上して信州に延び、東は太平洋に向かって東西に長く延びた赤い線、これが「中央構造線」で、日本の最大の断層である。青い線は、西側が「糸魚川-静岡構造線」、東側が「柏崎-千葉構造線」の断層。この東西の断層に囲まれた地域が、「フォッサマグナ」である。
 「フォッサマグナ」という言葉はよく知られているが、人によっては、「糸魚川-静岡構造線」そのものと勘違いしている場合がある。「フォッサマグナ・ミュージアム」がある糸魚川市のホームページの中に、丁寧な図と解説があったので紹介したい。糸魚川市HPの該当ページ

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フォッサマグナ(Fossa Magna)はラテン語で、「大きな溝」という意味です。

 図にように、古い時代の岩石(おもに中生代・古生代、「薄い茶色」)でできた 、ほぼ南北方向の溝の中に、新しい時代の岩石(新生代、「緑色」)がつまっています。
 この溝は、上空から見下ろしてわかるような、地形的な溝ではなく、山々をつくっている地層や岩石を知ってはじめてわかる「地質学的な溝」です。この「地質学的な溝」を、ナウマン博士は「フォッサマグナ」と呼びました。
 ナウマン博士は、フォッサマグナの西縁を糸魚川 −静岡構造線、東縁を直江津−平塚線と考えました。

 このようにフォッサマグナは 三次元の地質構造(二次元の広がりを呼ぶ場合もある;フォッサマグナ地域など)をさすものです。したがって、糸魚川−静岡構造線は、その西縁の境界面(断層面)ですから、「フォッサマグナ 」と「糸魚川−静岡構造線」は同じ意味ではないことに注意してほしいと思います。

 また、フォッサマグナのもう一つの地質学的な特徴は、フォッサマグナの真ん中に南北方向の火山列があることです。北から代表的な火山をあげると、新潟焼山・妙高山・黒姫山・飯綱山・八ヶ岳・富士山・箱根・天城山などです。
 フォッサマグナの地下には、フォッサマグナの部分が落ち込んだ時にできた南北方向の断層があって、それを通ってマグマが上昇し、南北方向の火山列ができたと考えられています。



 東西に延びる「中央構造線」が、南北方向に延びた断層「糸魚川-静岡構造線」と交わる場所での今日6月30日の地震。もし、この地震は海岸線から遠いから原発は安心、などと思っていたら大変な勘違いである。胎動する地球の息吹きの次の一息で、東海地震、東南海地震、南海地震のどれが起こってもまったく不思議のない状況にあると思うし、火山の大噴火だって起こりえる。「中央構造線」の西の端の周辺には、1991年に大噴火した雲仙普賢岳があり、2009年に噴火した桜島があって、記憶も新しい今年大噴火した新燃岳がある。阪神淡路大震災の震源地も、この「中央構造線」上にある。

 火山の噴火と地震を切り離して考えることの問題を、広瀬隆は昨年発行された『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)で指摘している。広瀬隆著『原子炉時限爆弾』
 

 九州南端の桜島の噴火は、東の地方と無関係だと思われるだろうが、1914年(大正3年)の桜島大正噴火では、鹿児島湾内に独立した桜島が、前頁の写真のようにすさまじい大噴火となって大隈半島とつながってしまい、その9年後に関東大震災が起こっている。このように地図に並べて、中央構造線とフォッサマグナと一緒に見てゆくと、これらが無関係に起こった出来事であるはずはない。というのは、江戸時代にこれとそっくり同じような記録が残っているからである。
【図18】を見ていただきたい。1700年代の江戸時代に、元禄大地震が起こると川崎から小田原までの宿場がほぼ全滅し、死者1万人を出した。続いて東海地震・南海地震で死者は数万人とも推定されるが、この大地震の恐怖がさめやらぬわずか49日後に富士山の宝永大噴火が始まって、火山灰のため昼間が闇夜となった。当時の駿河国(静岡県)では3メートルもの灰に埋もれた村々が壊滅し、風下になった東側では、火山灰が相模国から江戸、房総半島まで広がった。美しい日本の象徴である富士山が噴火するとは、現代人の誰も思っていないが、この宝永大噴火は、ほんの300年前の出来事なので、今いつ大噴火が起こっても不思議ではない。

---【図18】江戸時代に続発した大地震と大噴火の記録------------
 江戸時代に現在とそっくりの記録がある

1703年12月31日(元禄16年) 元禄大地震 M8.1 
                    川崎から小田原までの宿場がほぼ全滅
  ↓
1707年10月28日(宝永 4年) 東海地震・南海地震 M8.4 
                    死者は数万とも・・・
  ↓
1707年12月16日(宝永 4年) 富士山宝永大噴火 一帯が壊滅
  ↓
1779年11月 8日(安永 8年) 桜島大噴火
  ↓
1783年 5月 9日(天明 3年) 浅間山大噴火 → 天明の大飢饉
  ↓
1792年 5月21日(寛政 4年) 雲仙普賢岳大噴火 死者1万5000人
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 江戸時代の、大地震-大噴火のサイクルの時と同様、日本が乗った地球の地盤は、これまでの長い眠りから醒めたように思える。「中央構造線」周辺のどこかで、いつ地震や噴火が起こっても不思議ではない状況なのだろう。
 
 地震列島日本において、安全対策が不十分な状況のまま原発を動かそうとしている人たちがいる。たとえば、玄海原発を再稼動させようとしている、政府、佐賀県、玄海町の責任者達は、国民、県民、そして原発立地地域の住民の安全など一切無視した“国賊”としか、私には思えない。
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by koubeinokogoto | 2011-06-30 18:30 | 原発はいらない | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛