幸兵衛の小言

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“10シーベルト超”の疑問に答えよ。政府と東電は、隠し事をするな!

福島第一原発の1号機と2号機の近くから、10シーベルト以上という、一般的に“致死量”を超えるレベルの放射能が計測された。昨日の東電の発表に加え、今日も別なポイントで計測されたようだ。毎日jpのサイトから、掲載された写真2枚のうち1枚も含め紹介する。毎日新聞jpの該当記事

福島第1原発:別の場所でも10シーベルト超

 東京電力福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の西側にある排気塔下部の配管付近で事故後最高値の毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の高い放射線量が計測された問題で、東電は2日、近くに同様に10シーベルトを超える可能性がある高線量の場所があると明らかにした。東電は2日、現場付近の写真を公開した。

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福島原発1、2号機原子炉建屋西側
の排気塔下部で高い放射線量を計測した
ガンマカメラの画像=東京電力提供


 東電は7月31日、がれきの撤去をした後の線量を確認するため、ガンマカメラと呼ばれる、空間の放射線の強弱を判定する機器で排気塔周辺を撮影した。

 その結果、排気塔底部の配管付近と、高さ約10メートルの配管付近で同程度の高線量を示した。

 底部は1日に作業員が線量測定した結果、測定上限の毎時10シーベルトを超えた。

 もう一方の地点は、1号機の非常用ガス処理系の配管とみられる。実際の線量は作業員が測定しなければならないが、東電は「付近で作業予定がないので測定の予定はない」としている。
【岡田英、足立旬子】
毎日新聞 2011年8月2日 13時18分(最終更新 8月2日 13時32分)


 
 くどいようだが、10シーベルト(1万ミリシーベルト)までの線量計が振り切れたようだから、実際にどれほどの放射能だったのかは、分かっていない。とにかく10シーベルトを超える、とんでもない量である。

 このニュースを見て読んで、大半の国民が抱くのは、「なぜ?」ということだろう。

 7シーベルト以上で致死量と言われている。事故からもうじき5ヶ月になろうというのに、10シーベルトの線量計の針が振り切れるような放射能が、いまだにフクシマの現場に存在するのは、なぜなのか。
 しかし、日本の大新聞やテレビは、まずは「事実」の報道が先(それも大事だが)で、読者の「なぜ?」にはすぐには答えてくれない。あの原子力安全・保安院が発表するまで真相究明を待とうなどとは思ってはいないだろうが、マスメディアが、積極的に、一般市民が抱く「なぜ?」への答えを導き出そうとはしない。表面的な疑問は呈するが、真相に近づくねばり強さに欠ける。
 きっと、海外の信頼できるメディアが動き出し、日本の数多くのブログやツィッターが騒ぎ出し、週刊誌がわれ先に記事を掲載し始めて、いわばニュースの“臨界”を超えたあたりで、大新聞が動き出す構造は変わらないのだろう。もちろん、御用学者ではなく、真の専門家の存在も重要だ。
 
 たとえば、日本では3号機は1号機と同様に「水素爆発」だった、とされている。しかし、海外メディアでは、早くから専門家によって異論が唱えられていて、さまざまなメディアで明らかにされている。
 もっとも有名なのが、スリーマイル原発事故調査団のメンバーだった米フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフ核エンジニアのアーニー・ガンダーソンの分析。動画を含めすでに多くのブログでも紹介されている。
 ガンダーソンは、1号機と3号機の爆発映像の違いに着目し、3号機では、最初に水素爆発が起きて、その衝撃で使用済み燃料保管プールの中の燃料棒の即臨界による核反応(爆発)を誘発したのだろうと指摘している。5月に東電が公開した3号機の映像は、彼の推理を裏付けているとも語っている。
 また、イギリスの、放射線による健康影響を分析する「欧州放射線リスク委員会」の委員であるクリストファー・バスビー教授も、チェルノブイリを引き合いにして、3号機の核爆発の可能性を指摘している。しかし、運転中の爆発だったチェルノブイリと、保管プールの中での爆発の規模の違いはもちろんある、とも補足している。
 この二人のことは、検索していただければ、数多くのブログが見つかるはずなので、特定のブログへのリンクや動画の掲載は割愛。

 さて、日本ではどうなのか。今や“時の人“とも言える京都大学原子炉実験所の小出裕章助教が、昨日8月1日、毎日放送ラジオ「たね撒きジャーナル」に出演し、10シーベルト問題についての質問に答えたようだ。ブログ「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」小出裕章(京大助教)非公式まとめで確認できるし、同ブログから、文字に書き起こしてくれたブログブログ「ざまあみやがれい!」にもリンクされている。
*ちなみに、ブログ「ざまあみやがれい!」は、タイトルが刺激的で誤解を受けるかもしれないが、脱原発に関しては、非常に真面目なブログ。

水野「この10シーベルト。ミリがつかないということは、10000ミリシーベルトと同じですね」

小出「そうです」

水野「これはどれくらいを意味する数字でしょうか」

小出「えー、千葉さんがさっき説明してくださったけれども。7シーベルトから10シーベルトの被曝をしてしまうと、人間は死んでしまいます」

小出「死ぬとおっしゃいますのはどれくらいの時間をもって死亡に至るという」

小出「えー、通常は2週間で死にます。以内で。で、1999年の9月の30日に茨城県の東海村のJCOというところで被曝の事故がありました。その時には10シーベルトあるいは18シーベルトというような被爆をした2人の労働者が、え…、生じてしまいまして、日本の医学会が総出で彼等を助けようとしました。えーその結果一番沢山被曝をしたのは大内さんという方でしたけれども。83日間、延命された挙句に亡くなりました。どんなことをしてもやはり助からないということです」

水野「はあ…、これ10シーベルト以上の放射線量が測定されたということの原因は、小出先生は何か思い当たられることはありますでしょうか」

小出「通常は考えられない強さですので、私は燃料、使用済みの燃料そのものがどこかそこらに転がっている以外にはありえないと思います。」

水野「使用済みの燃料が転がるとはどういう意味ですか?」

小出「私が今可能性があるのは、あるとおもうのは1号機あるいは3号機で水素爆発が起きたときに使用済燃料済プールの1部がかなり破損されてるはずだと思いますけれども、中にあった使用済みの核燃料が吹き飛ばされてそこに飛んできたのかなと今は思いました。わかりません。私の単なる推測です」

水野「はあ…今の、プールが壊れたことによって使用済み核燃料が吹き飛ばされて、おっしゃるのは使用済み核燃料からじかに放射能がでているということでないとこのような高い放射線量はなかなか出ないんじゃないかということでよろしいですか?」

小出「はい。猛烈な放射性物質がそこにない限りは1時間あたり10シーベルトというような放射線量にはなりません」

(*小言幸兵衛による中略)

水野「はあ……。これはじゃあ10シーベルト以上の放射線が測定されたという場所には、これ以上調査で立ち入ることはしないほうがいいんですね。」

小出「えー、1秒2秒で4ミリシーベルトになってしまうということですから、まずは近づくことすらが出来ないと思います。」

水野「はあ……。これ近づかないと水を入れ続けるという作業もできないと思うんです。あるいは汚染水を除去するという作業にも色々関わってくるかと思うんですが。位置関係としてはどうでしょう」

小出「その場所は何のために近寄ったんですかねえ」

千葉「これはあの、瓦礫を撤去したあとの放射線量の変化を測定していたということなんです」

水野「瓦礫を撤去したあとの放射線量。」

千葉「排気筒という設備の下の部分を、まあ計測していたということです」

小出「しかし瓦礫っていうのはそこにあったのを、じゃあ誰かが撤去したのですか、そこの場所で」

水野「そうですよね」

千葉「そうですよね。こちらに入ってる情報によりますとそういう事になりますねえ」

小出「そう、まあ遠隔装置で瓦礫を撤去したのであればまだいいですけれども。そこに人が行ったのであればその人達はものすごい被曝をしたことになると思います」

水野「じゃあどういう作業をどういう形で、人的作業だったのかロボットだったのかという作業内容もこれは、できるだけ早く私たちは知る必要がありますね。作業員の方を守るためにも」

小出「そうです。作業員のかたの被曝が私は心配です」

水野「なるほど。これは小出先生10シーベルト以上と聞かれたとき正直どのようなお気持ち抱かれましたか」

小出「言葉を失いました」

水野「それほどの、被曝、まあ放射線量だということなんですね」

小出「はい。1シーベルトと言っても、恐ろしいと思いました。」

水野「ああ、1シーベルトでも」

小出「1時間あたりの。1シーベルトというような現場があるとすれば、とても近づけないなと私は思っていたのですけれども。今は10シーベルトという数字が出てきたわけで、これはもうとうてい人間が行かれるような場所ではありませんし、このままではなんの作業もできないと思います、その場所では」

水野「この件に関して、すぐにこのデータを知りたいと思われるような、ここの事実を確かめたいというようなことはなにかございますか?」

小出「えー、まあ、どういう作業ができるかわかりませんが、遠隔操作でできるのであればその場所にどんな物体があるのかを知りたいです」

水野「はい。なるほど。はい。ありがとうございました。京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」



 この番組、毎日放送ラジオの「たね撒きジャーナル」は平日の夜9時から放送されているもので、早くから小出氏をひっぱり出した番組でもある。関東で聞けないのは残念。なかなか、気骨のある番組のようだ。毎日放送サイトの「たね撒きジャーナル」のページ
 小出氏の関東圏でのマス媒体出演は、ほとんどないのは、背後に原子力村の存在が大きいと思っている。そういう意味では、毎日放送の頑張りにはエールを送りたい。

 さて、小出裕章助教の言葉を振り返ろう。
 「猛烈な放射性物質がそこにない限りは1時間あたり10シーベルトというような放射線量にはなりません」

 これは、メルトダウン(そしてメルトスルー)した原子炉から漏れた放射能汚染水レベルではあり得ない、ということ。そして、現在進行形で核分裂しているか、崩壊しながら強い放射能を出している燃料自体の存在を示唆している。彼も明確に指摘するだけの材料(情報)がないので、これ以上のこを言うことができないのだろう。

 今のままなら、我々が真相に近い情報を得るために、ガンダーゾンやバスビーが、どんなことを言うかネットで探すことになるのだが・・・しかし、もう海外に真相を求める時期ではないだろう。東電、そして政府は何かを知っているはずなのだ。少なくとも、原因究明につながる情報を隠している。彼らの情報の公開は、汚染された牛の出荷停止指示と同様に後手後手であり、どうしようもなくなってから後追いの発表や対策をするので、被害がどんどん拡大する。もう、原子力村の秘密主義は許されないし、時機を逸した対策は人命に影響する。

 ステップ1は終了、などと言って喜んでいる状況ではないはずだ。そして、避難地域の住民の方に、その場限りの日和見発言をしてもいけない。
 とんでもない放射能源が現場に残っていて、しばらく何ら有効な対策ができないのなら、その後にありえる災害への対策を真剣に検討し出来る限りの手を打つのが、真っ当な組織のやることだろう。それが原子力村だけで解決できないのなら、情報を公開して国内外の英知と技術を総動員しなければならない。
 
 情報を隠蔽していては、賢者のアドバイスも技術協力も得られるものではない。

 政府、関係省庁や各関係組織、そして東電は、なぜ10シーベルト超の放射能があるのかについて、そして3号機の爆発の真相なども含めて、これまで隠匿した情報、データを公開すべきである。それが、国民への責務であり、適切な対策立案にもつながるはずだ。パニックを恐れるあまりに情報公開が遅れ続けることが、実は何倍も大きなパニックと被害につながるということを、そろそろ分かってもいい頃だろう。まだまだ、復興への道のりは進んでいないことを正しく認識して、今もそこに残る危機に立ち向かう組織に生まれ変わらなければ、復興は遠のくばかりである。
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by koubeinokogoto | 2011-08-02 13:52 | 原発はいらない | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


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