幸兵衛の小言

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経産省の第三者委員会、“やらせ問題”で“やらせ調査”の可能性大!

原子力安全・保安院の「やらせ」指示問題で、いわゆる「第三者調査委員会」が、仕事を始めるようだ。ASAHI.COMの該当記事

2011年8月10日17時0分
原発関連の「やらせ」情報募る 経産省の第三者委
 経済産業省原子力安全・保安院による原子力関連シンポジウムでの「やらせ」指示問題で、経産省が設けた第三者調査委員会の初会合が9日あった。第三者委は、保安院の指示が発覚した中部電力、四国電力管内以外のシンポも、調査対象とする方針を確認した。

 第三者委は、委員長の大泉隆史・元大阪高検検事長ら司法関係者4人で構成。新たに調査対象としたのは、過去5年に電力7社の管内であった国主催のシンポや説明会36件。職員約100人にアンケートし、やらせに関与した疑いのある案件を絞り込む。一般市民からの情報提供も募る。8月中に中間報告、9月中に再発防止策を含む最終報告をまとめる予定だ。

 情報提供のあて先は、電子メール(helpline@meti.go.jp)、郵送(〒100・8901 東京都千代田区霞が関1の3の1「原子力発電に係るシンポジウム等についての第三者調査委員会」あて)、ファクス(03・3501・8419)。(小暮哲夫)


 「中部電力、四国電力管内以外」も調査対象とする方針は当然のこと。しかし、なぜ「過去5年」なのかが疑問だ。

 国主催のシンポや説明会、そして過去の公開ヒアリングがお手盛りであることは昔から既知の事実と言ってよいが、それを本当に調査する気があるなら、期限を区切る必要がない。もし、古過ぎて、事実認定に困るものは、調査結果としてそのように示せばいい。少なくとも以前の殺人の時効「15年」位は遡って欲しい。内部調査で判明する事実はなくても、一般市民からのさまざまな情報が集まるはずだ。

 
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 内橋克人著『日本の原発、どこで間違えたのか』
 以前に紹介した2011年7月6日のブログ内橋克人著『日本の原発、どこで間違えたのか』の「第4章 原子力安全委員会は操り人形」から引用する。中国電力の島根原発に二号炉が建設されようとした頃の「公開ヒアリング」に関して内橋さんが自ら参加して書かれた、ヒアリングの実態である。過去には参加しなかった反対派が初めて参加した歴史的なヒアリングであった。ここに出てくる第二次ヒアリングが開催されたのは、昭和58(1983)年の5月のことである。

“大政翼賛会ヒアリング” 
 いったい「公開ヒアリング」とは何なのか?
 紛糾し、怒号に包まれ、しばしば立ち往生をくり返す会場(松江市内の県立武道館)の一隅で、筆者は問いつづけずにいられなかった。
 公開ヒアリングは第一次、第二次の二回に分けて開かれる。
 第一次は電力会社が選定した立地について、その是非を地元住民に問うものである。通産省と科学技術庁の主催によって、ヒアリングは地元で開かれることになっている。
 この時は住民の質疑に対して、電力会社が回答を行い、やりとりの結果は通産省が「安全審査」の作業の中に反映させていかなければならないタテマエになっているのだ。
 通産省がとり行ったその安全審査に対して、次に第三者・中立機関としての「原子力安全委員会」が眼を光らせる。通産省-原子力安全委という、いわばダブルチェックの意味で、原子力安全委員会の手によって開かれるのが、この第二次ヒアリングなのである。
 制度によれば、第二次のテーマは耐震性や事故対策、放射能の影響、放射性廃棄物、防災計画、それに寿命のきた原子炉の廃炉対策・・・・・・といった「原子炉の安全問題」そのものに限り、今度は地元住民が意見を出し、これに対して通産省が説明役に回るのだ、という。
 いってみれば、第一次は立地そのものの是非を問い、つづく第二次においては、今度は立地を前提として、原子力施設の安全性を論議させる。一次、二次あいまって、住民の意見は十分に聞いた—そういうタテマエが整えられる仕組みになっているのだ。
 タテマエに従って、公開ヒアリングはこれまで全国で合計十三回開かれたと記録される(通産省が主催する第一次が六回、そして原子力安全委員会の第二次が七回となっている)。
 だが、原子力発電所の立地に反対する反対派の参加は、一度として実現したことはなかった。過去の公開ヒアリングのすべてが賛成派の意見陳述だけで通り過ぎ、そして当然の結果として、住民の意思によって原発立地が取りやめられた、という実例は一度として現れたためしはない。
“大政翼賛会ヒアリング”と呼ばれるゆえんだ。
「ヒアリングで、いくら意見をいってみても、原発の建設が中止されるはずがない。ヒアリングでのyはりとりなんて儀式にしか過ぎないのだ」
 制度のタテマエにかかわらず、多くの住民の胸の奥では公開ヒアリングそのものが“虚構”と映っていたとして、不思議ではないだろう。
 いま、その第二次ヒアリングがしばし紛糾し、その都度、立ち往生をくり返す。虚構から実像に立ち返る姿が、そこに描かれつつあるのではないのか。
 議長団席に四人の原子力安全委員会の委員がついている。
 十三日午前9時きっかり、議長席の御園生圭輔委員長が「島根原発二号炉の安全審査にかかわる公開ヒアリングを開催します。議長団四人が交代で議長をつとめます」と告げた。
 つづいて公開ヒアリングに至るまでのいきさつ、そしてヒアリングで提出された地元の意見は安全審査に参酌する、と趣旨を説明。推進、反対両派入りまじる会場はその議長の一言一句に静かに、注意深く聴き入っていたのだ。

問答無用の議事進行 
 だが、その静かな会場にたちまち最初のざわめきがおきた。
 議長の御園生委員長が「本日、意見陳述のお届けを拝見致しますと、安全性と関係のないご意見、ぎ質問がございます。本日の公開ヒアリングの本当の目的からいえば、ちょっとはずれておりますので、なるべくご意見は簡単にお願いします」と述べた時だ。
 原発立地の是非を問う一次ヒアリングはもう終った、今回は立地を前提に「安全性」についてのみ意見を出す、それが第二次ヒアリングの趣旨である、と議長は協調している。
 この瞬間、会場内の反対派と思われる数人から怒気を含んだ抗議の声があがった。
 ヒアリングをボイコットしつづけた反対派が、その土俵に上がるについては、去年暮れから原子力安全委員会との間で三十回にも及ぶ話し合いがもたれた。
 結果、安全性にかかわる問題に限らず、あらゆる角度からの意見陳述を認めることで、両者の間で協定書の調印が行われたのだ。二次ヒアリングに先立つ4月17日のことだった。
 反対派としては、議長であり原子力安全委員会の委員長である御園生氏のこの発言に、敏感に反応し、反撥の声をあがずにはいられなかったのであろう。
 ざわめく場内に「静粛に願います」とくり返す事務局。科学技術庁職員のマイクの声が響きわたる。大声の合間を縫うような恰好で、議長がつづけた。
「本日は安全委員会としては、みなさまのご意見をうかがうために参っておりますので、安全委員会としての意見を発表することはご容赦願います」
 住民と意見を戦わせ、議論するのが目的ではなく、住民の意見を聞くだけが目的であることを前もって徹底させようとしている。
「議長!」
 御園生委員長の言葉が終わるやいなや、会場の傍聴人席前方から声が飛んだ。紺色の背広姿の男性が席から立ち上がり、
「議長!」と叫ぶ。
 傍聴席の前列に控えている陳述人の席から小田川岩雄・島根県評事務局長が、議長に呼びかけているのだ。
 県評は社会党県本部、原発公害対策会議とともに反対派三団体の一つである。
「それでは通産省からの説明を・・・・・・」
 小田川事務局長の声を無視し、御園生委員長に代わって議長席についた田島英三副委員長が、プログラム通り議事を進めようとしたとたん、「議長!」「聞け!」。
 最前列付近からいっせいに声があがり、それにつづいて一般傍聴席からも怒声と野次が沸く。
「ご静粛に!」とくり返す事務局。「通産省、ご説明をお願いします」と発言をうながす議長の声。
「聞け!」
 会場内から沸きおこる怒声で、もはや議長の声も聞きとれない。
 そのなかを安全委、科技庁側の演壇に向かって小田川事務局長が突進する。演壇下で阻止しようとする科技庁の若い職員たち。どっと駆け寄る反対派陳述人た十数人。そしてカメラマン。



 この後ヒアリングは中断を交えて二日間に渡って続くのだが、反対派の真っ当な意見は通産省、科学技術庁の強引な議事進行で無視され、島根原発の2号機は1989年2月に運転が開始される。そして、2006年には3号機が起工され、2012年3月の運転開始が予定されている。

 例外的な島根の2号機を除き、「公開ヒアリング」に反対派が参加していなかった事実こそが“やらせ”なのである。そして、原子力村の本質的な“やらせ”は、本来はジャーナリズムが暴く対象である。

 この度の「第三者調査委員会」が、かつての原子力安全委員会と同じ“お飾り”や“タテマエ”ではないのであれば、5年以内、などと言わず徹底的にやればいい。しかし、そんな気は毛頭ないのだ。結果は見えている。それこそ、“やらせ”による“やらせ”調査事実の発見で、組織の解体が決まっている原子力安全・保安院から何名かのスケープゴートのクビを切って収束になるだろう。

 小さな悪に新聞やテレビがスペースや時間を割くのではなく、大きな悪に向かっていかない限り、日本という国の自浄能力のエンジン役としてマスコミには期待できない。草の根しかないのだろうか、情けない。
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by koubeinokogoto | 2011-08-10 18:00 | 原発はいらない | Comments(0)

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