幸兵衛の小言

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東電の過去の“パーティー券”も問題だが、フクシマはまだ収束していない。

東電が長年に渡って与野党複数議員のパーティー券を購入していた、という周知とも言える事実がニュースになった。47NEWSの該当記事

東電、複数議員のパー券購入 与野党問わず 
 東京電力が複数年にわたり、与野党の国会議員や地方自治体議員のパーティー券を購入していたことが3日、分かった。東電は1974年に政治団体や政治家への献金をしないと決めているが、同社広報部は「飲食の対価としての支払いで、法律でも許されている。献金とは趣旨が異なる。74年の決定に変わりはない」と説明している。

 東電によると、パーティー券は「社会通念上のつきあい」として、これまで与野党を問わず幅広く購入。議員の所属政党や個人名、購入金額などは「集計していない。相手があることなので公表は控えたい」としている。
2011/10/03 13:31 【共同通信】



 73年のオイルショック後、原油価格の高騰で電気料金が値上げされた時、公益的性格のある電力会社が電気料金の値上げ決定に影響を持つ政治家に献金することへの批判の声が上がり、電力会社は政治献金を、タテマエとして廃止した。そもそも政治献金の原資は我々消費者が払う電気料金なのである。

 しかし、その対策(?)として、“パーティー券”というカードが登場する。政治資金を集めるためのパーティーは、正式にその名も「政治資金パーティー」という名で届けられ、パー券は通常一枚20,000円。20万円以下なら届出の義務がないという、おいしいカードなのだ。

 以前に紹介した、別冊宝島『日本を動かす!原発の深い闇』に、東電から政界に送り込まれ昨年まで参議院議員を務めた加納時男に支払われたパーティー券のことが書かれているので引用したい。執筆は“グループ・K21”、となっている。別冊宝島『日本を脅かす!原発の深い闇』

 電力業界は、人材を政界に送りこみ、電力業界の要求を政治に反映させてきた。
 加納時男元参院議員は、東京電力副社長から比例代表で98年に初当選、2期国会議員を務めた。加納氏は自民党のエネルギー政策小委員会事務局長に就任。国会ではもっぱら原発推進を主張し、エネルギー政策基本法の成立に尽力した。2010年に議員を辞すると、東電の顧問に就任した。
 加納時男後援会と政治団体「地球環境・エネルギー総合研究所」の政治資金収支報告書によると、07~09年までのパーティー券収入は約2億円。そのカネを所属派閥の「宏池会」や約60人の国会議員にバラ撒いていた。
 高級クラブや料亭での多額の飲食費、旅費に政治資金を費やし、その“豪遊”ぶりには開いた口がふさがらない。

 
 私は「パーティー券」の購入そのものが、なぜ規制されないのか素朴な疑問を持つ。
 東電の広報部が、「飲食の対価としての支払いで、法律でも許されている。献金とは趣旨が異なる。74年の決定に変わりはない」と言い放つことができるのは、“ザル法”を精一杯活用していることを物語っており、「集計していない。相手があることなので公表は控えたい」と答えるのは、例えば、OBの加納時男の“ばら撒き”や“豪遊”に多額のパーティー券購入費用が使われていることがバレルからである。

 東電が「集計していない」はずがない。「法律でも許されている」なら、堂々とそのリストまで公表してから、今後は一切パーティー券の購入はしない、と宣言でもしない限り、まだまだ政府や国民からの圧力は減ることはないだろう。野田“どじょう”内閣は、できる限り東電に罪をなすりつけようとする。そして、今回のような記事も、さてどのようなルートから“刺されたか”は、分かったものじゃない。

 原子力村のズブズブのもたれあい、という過去のことも断罪すべきである。しかし、現在と未来にとってもっと緊急性と重要性、そして拡大傾向というプライオリティを検討する三要素で大事なことがある。
 それは、まだまだ収束していないフクシマのことだ。希望的観測ではなく、実質的な冷温停止への道筋は示されたと言えるのか。減ったとは言え、未だに発生している放射能を空や海で食い止めるあらゆる方策を検討し実施しているのか。食品や土壌汚染問題への具体的で現実的な施策はいつになったら示されるのか。避難解除宣言だけ一人歩きさせるのではなく、中長期的な原発立地地域住民の方への復興のためのシナリオづくりは誰がしているのか。などなど、政府や関係官僚、東電、そしてマスコミがもっと注力しなければならない課題は山積みのはずだ。

 特に、何度も書いてきたが、食品に関する「暫定」放射能基準から、いつ「暫定」が取れのか、政府の対策の遅さや見解はお粗末すぎる。
 もう一度、チェルノブイリ以降に暫時基準を厳しく改訂してきたウクライナと、日本の「暫定」基準の比較を掲載したい。2011年7月21日のブログ
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■放射性セシウムに関する規制値比較(ベクレル/Kg、ベクレル/リットル)
           日本                    ウクライナ
飲料水        200                      2
牛乳・乳製品    200                     100
野菜類        500     ジャガイモ          60
                   野菜(根菜、葉菜)      40
穀類          500    パン・パン製品        20
                   パン・穀類製品       185 *ジトーミル州の管理基準値
肉・卵・魚・その他 500      肉・肉製品         200
                    魚・魚製品         150    
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*「飲料水」の「2ベクレル/リットル」は、決して書き間違いではない。

 たしかに、ウクライナ並みの基準にした場合、膨大な量の食品が基準に引っかかり、農水産業への影響は小さくないだろう。食品によっては、しばらくは輸入食品に頼らざるを得ないかもしれない。
 しかし、「生涯累積100ミリシーベルト」などと言う訳の分からない理屈を持ち出してきて、国民を混乱させているうちに、子ども達が汚染された食物を口にすることを見過ごしている国家の罪は大きい。ちなみに、ウクライナの基準は内部被曝年間1ミリシーベルト未満が設定の根拠である。

 政府は、そもそも“風評”ではなく、国民は国の「暫定」基準をすでに目一杯疑っており、自衛の道を歩み始めているということを理解すべきである。

 ・食品の規制をウクライナ並みにし、それによる農水産業の被害への補助を東電と
  国(我々の税金)で行う。*子どもの未来のためには、最低限の国民負担も必要
 ・並行して土壌の除染を進めるとともに、汚泥など大量発生している身近な生活圏
  の放射能汚染物質について、専門家によるプロジェクトによって早急に対策を
  立案し実行する。
 ・福島第一原発から未だに発生している放射能から空や海を守る施策や、一日も
  早く放射能そのものの発生を止めるためのあらゆる手を尽くす。
 そういった現在と近未来のために必要なマイルストーンをしっかり歩まない限り、フクシマの収束などあり得ないだろう。早期「冷温停止」といいう楽観的な謳い文句を掲げるだけでは、何ら現実的なフクシマの“今そこにある危機”への対策にはならない。“何を食べ”“どこに住み”“どのように暮ら”したらいいのか、震災とフクシマによってもたらされた国民の苦痛は、過去の罪悪を暴くことだけでは癒されない。今求められることは、憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という権利が保障されることに他ならない。
 早くも始まっているであろう“政争”などにかまけている場合ではないのだ、“どじょう”も“たぬき”も。
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by koubeinokogoto | 2011-10-03 16:01 | 原発はいらない | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


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