幸兵衛の小言

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「60年」稼動の例外規定や「大飯」の件ー北海道新聞の社説から

原発稼動期間を「60年」まで延長可能とする“例外規定”の登場や、あの安全・保安院が「大飯」のストレステストを“妥当”としたことなどで、少し“ムシャクシャ”していたら、北海道新聞の下記の社説を読んで、やや“スカッ”とした。“どうしんウェブ”の該当ページ

原発の新規制 ずるずる後退するのか(1月19日)

 政府は、原発の運転期間を原則40年に制限する新たな安全規制について、例外的に認められる延長期間を最大20年とする方針を明らかにした。
 細野豪志原発事故担当相が原則40年で廃炉にする方針を打ち出し、延長は「極めて例外的」と述べたのは6日のことだ。
 国民は、40年だった寿命が突然、理由もなく60年に延ばされたという印象を受けたのではないか。

 例外を判断する厳格な基準を示すことなく、早々と最大20年もの延命期間を設定することは、到底認められない。
 これまであいまいだった原発の寿命を法的に決めるのは、老朽化した原発を厳正なルールに従って順次廃炉にしていくためだったはずだ。

 原発に依存しない社会の早期実現に向けた政府の熱意を疑わざるを得ない。

 政府はこれまでも「60年は運転可能」との考えを示してきた。米国が1991年に運転期間を40年から最長60年に延長した例があるからだ。
 福島第1原発の事故を経た今も、基本的な認識が変わっていないとしたら問題だ。
 現状でも、運転開始から30年を経過した原発は、原子力安全・保安院が技術的に評価し、10年ごとの運転継続を認可している。
延長の申請は1回限りだとしても、それで20年の延長が認められれば、現状より後退する恐れすらある。

 規制を骨抜きにする兆候はほかにもある。

 保安院は、定期検査で停止中の原発再稼働の条件となる安全評価(ストレステスト)で、関西電力大飯原発3、4号機の評価結果を妥当と判断している。
 大飯原発周辺には、かつて大津波があったという古い記録がある。保安院は、関電に津波の再評価を命じたが、終了しておらず、今回のストレステストには含まれていない。
 新たな安全規制には、福島第1原発事故を踏まえ、既存原発の安全基準に、地震や津波の最新の知見を反映させることも盛り込まれていた。
 この方針の趣旨が早くも無視されたことになる。

 これでは、安全性よりも、電力供給の不安を理由に再稼働を急ぐ電力会社の事情を優先させたと批判されても仕方がない。

 40年で廃炉の方針も、原発への世論の反発を和らげる方便と受け止める国民もいるだろう。

 政府は原発の延命を図るのではなく、規制の実効性を高めなければならない。同時に再生可能エネルギーの導入に力を注ぎ、脱原発への道筋を明確に示すべきだ。

 
 道新の社説に、全面的に賛成である。また、論旨は明快で分かりやすい。なかなか切れ味の鋭い社説を、久しぶりに目にした思いだ。
 「プロメテウスの罠」を連載中の朝日新聞も、同様のテーマでの社説を掲載しているが、道新までの鋭さには欠ける。asahi.comの該当ページ

 細野が躍起になって「原則は40年」と言っているが、「例外」を設けてなし崩しに“例外だらけ”にしようとしている魂胆はミエミエである。もちろん、バックには“原子力村”が控えている。

 また、大飯については、福井県知事など地元が再稼動に反対しているので、少なくとも水際では、何らフクシマを踏まえた安全対策のないままに再稼動することを防ぐことができるように思うが、あの、まったく信頼感がなく現状の組織の刷新が急務であるはずの安全・保安院が、“イタチの最後っ屁”のような、いい加減な判断を示すのも、“原子力村”の圧力であろう。

 東京電力は値上げを、「燃料費の高騰」を理由にしている。それは、「原発をやめて火力にすると電気料金が高くなるぞ!」という、言わば“脅し”である。そして、「東電大幅値上げ 首相は原発再稼働に動け」などという「主張」を展開する産経新聞MSN.産経ニュースの該当ページを筆頭にした“御用メディア”は、この“脅し”を煽り、「原発再稼動やむなし」という世論形成をしようとしている。

 そこには、フクシマを踏まえて、長期的なエネルギーのあるべき姿を検討しよう、などと言う発想は微塵も見られない。東京電力をはじめ電力会社の辞書には、「地球」とか「生命」とか「環境」と言う言葉が欠落しているらしい。その代わり、「仲間内」「利益」「ほとぼり」などの言葉が太文字で載っているのだろう。

 これからも、間違いなく“原子力村”は、「電力不足」や「電気料金値上げ」という材料を使って、原発の生き残りを模索しようとするだろう。しかし、国民の辞書には、「地球」「生命」「環境」などの言葉がしっかり含まれているのである。短期的な目の前の利益を優先する“原子力村”に負けるはずがない。
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by koubeinokogoto | 2012-01-19 10:16 | 原発はいらない | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


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