幸兵衛の小言

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大飯のストレステストを「妥当」とする、懲りない面々に“喝”、である!

大手新聞などは政府に加担しているのか無視しているようだが、ストレステスト意見聴取会委員をつとめられている井野博満さんと後藤政志さんが、関電の大飯原発3号機と4号機のストレステストの一次評価を「妥当」とする審査書が原子力安全・保安院から提出されたことに抗議して、緊急声明を出された。全文を原子力資料情報室のサイトから引用したい。原子力資料情報室サイトの該当ページ

2012年2月13日

関西電力大飯3・4号機ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明

ストレステスト意見聴取会委員
 井野博満・後藤政志

原子力安全・保安院は、本日、関西電力大飯原発3・4号機の一次評価を「妥当」とする審査書を原子力安全委員会に提出しました。私たちは、このような拙速なやり方は、
とうてい認められません。

2月8日の第8回意見聴取会では、様々な技術的な課題が残されていることが明らかになりました。原子力安全・保安院も、その場で議論を終了するとは明言しませんでした。当然、継続審議となると思いました。審査書が原子力安全委員会に提出されたことに対して意見聴取会の委員として抗議します。
ストレステスト意見聴取会では、徹底して議論を尽くすことが、国民に対する原子力安全・保安院の責務です。次のような根本的な問題が残っています。


(1)判断基準について、保安院は「福島第一原子力発電所を襲ったような地震・津波が来襲しても同原子力発電所のような状況にならないことを技術的に確認する」としています。しかし、津波の想定は11.4メートルで、福島事故の14メートルよりも低くなっています。そもそも、福島事故は収束しておらず、原因もわからない状態です。

(2)評価の対象、基準の適用について以下の技術的な疑問があります。

①制御棒の挿入性を検討の対象から外しています。

②基礎ボルトなど機器の強度については、安全率を削って評価しています。

③原子炉建屋などの構造強度に関わる許容値について、耐震バックチェックの基準より甘い許容値を適用することを認めています。

④本来の設備は福島原発事故前から改善せず、消防車や非常発電装置などの外部仮設設備だけで安全だとしています。

(3)ストレステストは、過酷事故対策の検証を含めた二次評価と合わせて評価しなければ、地域住民が安全性を判断する上では意味がありません。電力事業者は、原子力安全・保安院の指示により、これを2011年末を目処に提出するはずでしたが、関西電力は二次評価結果を未だに提出していません。

原子力安全・保安院が、現時点で「妥当」としたことは、はじめに再稼働ありきの見切り発車と言わざるを得ません。このような姿勢こそが、福島原発事故を招いた要因です。このように原子力安全・保安院は、規制当局としての役割を十分に果たしていません。まずすべきことは、自らのありようについて根本的な反省をすることです。

本日の審査書の提出は、「安全性に関する総合的評価」とされるストレステスト評価の体をなしていません。
以上



 まったく妥当な主張である。「妥当」という言葉は、こういう場合に使うべきであり、安全・保安院の「妥当」は、もしかすると「反原発“打倒”」の意味ではないかと、勘ぐってしまう。
 「安全・保安」という名の機能を喪失し、今や“原子力ムラ”の「走狗」とさえ言える組織が、四月に組織替になる前に滑り込みでミエミエの行動をしているのは明らかだ。

 関連して、「美浜の会」(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会)は、大飯において、もし三つの活断層が連動した場合、まったく現在の耐震基準では安全性が保証されない、と図やデータ入りで指摘している。
「美浜の会」のサイト
「美浜の会」サイトにあるPDF

 同じ「美浜の会」のサイトには、福島第一原発3号機の高圧注水系が、地震による配管破損の疑い濃厚であり、地震の影響を無視するストレステストには意味がない、という主張が掲載されている。東電のデータなどを詳細に分析した上での主張であり、「地震」ではなく「津波」を犯人に仕立てようとする“原子力ムラ”への、説得力のある反論だ。

 何度もくどい位に書いてきたが、フクシマはまだ収束するどころか、収束のメドすら立っていない。2号機の温度計問題に顕著なように、“現場”は詳しく調べようにも近づけないレベルの高い放射性物質を吐き出し続けているのだ。“どじょう”首相の「冷温停止(状態)宣言」などは、まったくの茶番でありデタラメである。

 東電他の“原子力ムラ”は、本来優先すべきフクシマの収束への努力よりも、安全・保安院の動きのように、やみくもに原発を再稼動させようとする活動に注力しているように思える。
 
 四月から組織替えになる原子力安全委員会の“デタラメ”委員長は、今日開かれた事故調査委員会(国会が設置した委員会)で、「指針にいろんな瑕疵があった。おわび申し上げる」と謝罪したらしいが、遅すぎる。47NEWSの該当記事

班目委員長「指針に瑕疵」と謝罪 原発事故調で誤り認める
 国会に設置された東京電力福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)が15日、都内で開いた第4回委員会で、原子力安全委員会の班目春樹委員長は「指針にいろんな瑕疵があった。おわび申し上げる」と原発の津波対策や全電源喪失に関する指針の誤りを認め、謝罪した。

 班目委員長は、全電源喪失対策を想定していなかった理由について「わが国ではやらなくていい、という言い訳、説明ばかりに時間をかけてしまった。抵抗があってもやるという意思決定ができにくいシステムになっている」と述べ、短期間で担当を交代する官僚制度に言及した。
2012/02/15 16:48 【共同通信】


 お詫びなど、あくまでもポーズでしかないだろうし、結局は責任を官僚制度のせいにしているところなど、この人の言うことには、自己保身へのあがきしか見えない。
 しかし、“原子力ムラ”への「最後のご奉公」として3月末までに安全・保安院の「妥当」という審査書を認可しようとしているのだろう。もう、あなたは何もしなくていいし、何も言わなくてもいい。そう思う。


 フクシマから、もうじき一年になろうとしている。歴史上初めてのメルトダウンという核の暴走を経験したというのに、“原子力ムラ”ご一行は、再稼動に向けた“暴走”をしている。どこかのテレビ番組ではないが、大きな声で“喝”と言いたい。
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Commented by 佐平次 at 2012-02-16 09:36 x
メデイアも同舟ですね。

Commented by 佐平次 at 2012-02-16 09:54 x
リンクさせていただきました。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-02-16 12:13 x
まったくその通りで、メディアも同罪です。
現在もかなり露骨にコントロールされているように思います。
リンク、もちろん結構です。

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by koubeinokogoto | 2012-02-15 18:47 | 原発はいらない | Comments(3)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛