東京新聞が、シリーズ「ドイツは失敗したか」への読者の反応を紹介。
東京新聞の該当社説
ドイツは失敗したか<読者から> 見習うことが多いはず
2014年4月24日
今回もたくさんのご意見、ご感想をいただきました。ありがとうございました。
名古屋市名東区のNPO法人代表石田紀克さん(69)は「ドイツの選択(脱原発、再生可能エネルギーへの転換)は正しいと思います。正解です」と考えます。
「経済の成長と脱原発を対立させず、脱原発を優先させ経済を作り直していく姿には感銘を受けます。ドイツに見習う点は、大切にすべきことの優先順位を決めて、それを成功させる仕組みを作る決断だと感じています」と。
さいたま市西区の主婦石川文恵さん(55)も「再生エネルギーの普及によって地方への経済効果が生まれていること、送電網を通じて消費者が電源を選択できることなど、具体的に日本がドイツから学べることはきっと多いはずです」と、脱原発による経済効果に希望を感じています。
かつて商社の駐在員としてドイツに十年間勤務したという東京都東村山市の阿部直(ただし)さん(83)は昨年夏、半世紀ぶりに訪れたドイツの観光名所、ロマンチック街道沿いの変貌ぶりに驚きました。
「牧草地や農地に巨大な風力発電塔が林立し、銀色に輝くソーラー・パネルが南バイエルンの地平線まで一面に連なって、脱原発を掲げるドイツのクリーン・エネルギー政策の姿勢が明白に感じ取れた」という。
阿部さんはその時の機中でドイツの有力紙、フランクフルター・アルゲマイネの「次世代のエネルギー源として水素が有力」という記事を目に留めました。そして「水素エネルギーの技術開発状況や将来見通し等、取り上げていただければありがたい」と提案しています。早速調べてみます。
千葉県柏市の司法書士佐々木利夫さん(71)からは、A4判用紙二十一枚にも及ぶ、毎回の感想が届きました。「どのようにして、脱原発が(ドイツ)国民の希望になったのか。その点が知りたくなった」と、注文をいただきました。
ドイツへの移住を夢見ることがあるという東京都北区の司書上石啓子さん(64)は「自国をもっと愛せるような、そして一生住みたいと思えるような日本であってほしいと、心から願わざるをえませんでした」と結んでいます。
安全・安心で持続可能な日本でありますように、一緒に考え続けましょう。(論説委員・飯尾歩)
私は、何ら感想や要望を送っておらず、このブログで感想や補足を書いてきた。せっかくの企画なので、あまり小言めいたことは書かなかったが、千葉県柏市の方が長文のお手紙の中で書かれていたらしい、「どのようにして、脱原発が(ドイツ)国民の希望になったのか。その点が知りたくなった」というご意見は、まったく同感である。
ドイツの反原発の歴史は、前回高木仁三郎さんの『市民の科学』からの引用で紹介したように、ヴィールから四十年の歴史を経ている。そういう背景があるからこその“国民の希望”なのであろう。
昨日は電気事業連合会と原子力規制委員会との初めての意見交換会があったようだが、あまりにもドイツと日本の原発を取り巻く構図が違いすぎる。東京新聞には、今後も頑張ってもらいたい。
もう少し拙ブログでドイツのことを紹介する内容が増えたら、東京新聞にも何らかのコンタクトをとろうか、などと思っている。