内閣官房のサイトにある、あきれた24の問答—日本に司法はないのか!?
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全部で24の問答だが、問に対して、まともな答えが返されていない。
とりあえず、前半の6つをご紹介。答えの詐欺的な部分に朱色をつけた。
【問1】 集団的自衛権とは何か?
【答】 集団的自衛権とは、国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利です。しかし、政府としては、憲法がこのような活動の全てを許しているとは考えていません。今回の閣議決定は、あくまでも国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るための必要最小限度の自衛の措置を認めるだけです。他国の防衛それ自体を目的とするものではありません。
【問2】 なぜ、今、集団的自衛権を容認しなければならないのか?
【答】 今回の閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中、我が国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るため、すなわち我が国を防衛するために、やむを得ない自衛の措置として、必要最小限の武力の行使を認めるものです。
【問3】 解釈改憲は立憲主義の否定ではないのか?
【答】 今回の閣議決定は、合理的な解釈の限界をこえるいわゆる解釈改憲ではありません。これまでの政府見解の基本的な論理の枠内における合理的なあてはめの結果であり、立憲主義に反するものではありません。
【問4】 なぜ憲法改正しないのか?
【答】 今回の閣議決定は、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために必要最小限の自衛の措置をするという政府の憲法解釈の基本的考え方を、何ら変えるものではありません。必ずしも憲法を改正する必要はありません。
【問5】 国会での議論を経ずに憲法解釈を変えるのは、国民の代表を無視するものではないか?
【答】 5月に総理が検討の方向性を示して以降、国会では延べ約70名の議員から質問があり、考え方を説明してきました。自衛隊の実際の活動については法律が決めています。閣議決定に基づき、法案を作成し、国会に十分な審議をお願いしていきます。
【問6】 議論が尽くされておらず、国民の理解が得られないのではないか?
【答】 この論議は第一次安倍内閣時から研究を始め、その間、7年にわたりメディア等で議論され、先の総選挙、参院選でも訴えてきたものです。5月に総理が検討の方向性を示して以降、国会では延べ約70名の議員から質問があり、説明してきました。今後も皆様の理解を頂くよう説明努力を重ねます。
設問の1と2では、「必要最小限度」という言葉で誤魔化しているが、いったんアメリカが起こした戦争に自衛隊が巻き込まれたとして、「ここまでが日本ができる限度です」と言って彼らが戦場を去ることなど可能なのだろうか。
いったい“どこまで”が“必要最小限度”なのか。
放たれたミサイルは空中で止めることはできない。迎撃するしかなくなる。いったん、始めたら、日本が助っ人だろうが、途中で立ち止まったり、止めることなどできないだろう。
後半の質問には、、国会では延べ約70名の議員から質問があり、考え方を説明してきました。という点のみが強調されている。
70名という数字の問題ではなく、議論の深さが問題なのだ。「考え方を説明」であって、「議論」ではない。
一個づつ取り上げていてはきりがないので、後半の四つを一つづつご紹介。
問21】 今回の閣議決定により、必要ない軋轢を生み、戦争になるのではないか?
【答】 総理や大臣が、世界を広く訪問して我が国の考え方を説明し、多くの国々から理解と支持を得ています。万が一の事態での自衛の措置を十分にしておくことで、かえって紛争も予防され、日本が戦争に巻き込まれるリスクはなくなっていきます。
“総理や大臣が、世界を広く訪問して我が国の考え方を説明”することより、もっとも緊張感を高めているアジアの隣人への説明ができていないことが問題である。
【問22】 今回の閣議決定によっても、結局戦争を起こそうとする国を止められないのではないか?
【答】 日本自身が万全の備えをし、日米間の安全保障・防衛協力を強化することで、日本に対して戦争を仕掛けようとする企みをくじく力、すなわち抑止力が強化されます。閣議決定を受けた法案を、国会で審議、成立を頂くことで、日本が戦争に巻き込まれるリスクはなくなっていきます。
“抑止力が強化”されることの行き先が原爆、水爆ではないか。抑止するのではなく、日本が戦争をしない、というメッセージがもっとも重要だ。
“閣議決定を受けた法案を、国会で審議、成立を頂くことで、日本が戦争に巻き込まれるリスク” は、一層高まる。国会議員は、これからが仕事に時間だ。
【問23】 武器輸出の緩和に続いて今回の閣議決定を行い、軍国主義へ突き進んでいるのではないか?
【答】 今回の閣議決定は戦争への道を開くものではありません。むしろ、日本の防衛のための備えを万全にすることで、日本に戦争を仕掛けようとする企みをくじく。つまり抑止力を高め、日本が戦争に巻き込まれるリスクがなくなっていくと考えます。
また、抑止力。そっちもくどいが、こっちも負けない。抑止力の競争になり、「原爆を持ちたい」、というのは安倍の本音なのだろう。だからこそ、プルトニウムを持つことのできる核燃料サイクルに執着しているのだ。
【問24】 安倍総理はなぜこれほどまでに安全保障政策が好きなのか?
【答】 好き嫌いではありません。総理大臣は、国民の命、平和な暮らしを守るために重い責任を負います。いかなる事態にも対応できるよう、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければなりません。
安全保障製作において、 “各国と協力を深めて” いくことには賛成。問題は、何度も言うが、アジアの隣人との協力がなくして、極東の安全などは保てない。
今、どうしても思うことは、日本は三権分立の国だったはずだが、司法はいったい何をしているのだろう、ということ。
安倍政権の閣議決定は憲法違反であることを、なぜ法の番人は指摘しないのか。
裁判官の任命権などのしがらみを捨てることのできる、心ある法の番人はいないのか!