選挙、義務投票制導入が必須ではないか!
時事ドットコムからグラフを含め引用。時事ドットコムの該当記事
衆院選投票率52.66%=戦後最低を更新−総務省発表【14衆院選】
総務省は15日、第47回衆院選の投票率(小選挙区)は52.66%だったと発表した。前回2012年衆院選の59.32%を6.66ポイント下回り、戦後最低を更新した。
期日前投票者数は前回比で9%余り増えたが、14日の投票日当日に一部地域で悪天候となったことや、選挙戦当初から与党の優勢が伝えられ、有権者の関心が薄れたことが投票率低下につながったとみられる。
都道府県別に見ると、青森が46.83%で最も低く、徳島、富山などを加えた8県で5割を下回った。最高だった島根でも59.24%で6割に届かなかった。前回と比べ全都道府県で投票率が低下し、石川など4県は下げ幅が10ポイントを超えた。男女別では、男性が53.66%、女性が51.72%だった。 (2014/12/15-13:17)
前の記事で書いたが、あらためて、投票率と自民党の得票率をの掛け算を確認したい。
この数字が、全有権者を100とする、自民党の得票の割合である。
小選挙区 (投票率52.66%)X(得票率48%)=25.2%
比例代表 (投票率52.66%)X(得票率33%)=17.4%
安部首相が、「支持を得た」とほくそ笑むような数字ではない。
しかし、いずれにしても、全国平均で五割割れが、目前に迫っていることは憂慮すべき事態だ。
有権者の半数近くが棄権する状況を、棄権した有権者の個人的な責任に押し付けていては、この問題は解決しないだろう。
民主主義という言葉は、「民」が「主」ということなのに、その半数の民で、政治が左右されることは、由々しき事態と言わざるを得ない。
昨年7月の参議院選挙でも、52.61%と、ほぼ同じ数値だった。だから、天候など自然因子の影響よりも、国民の関心が、それだけ低くなっていることの方が主たる要因だと思う。
その参院選の後に、投票の義務化について記事を書いたし、二年前の衆院選の後にも書いているので、これで三度目になる。なんともしつこくて申し訳ない^^
2013年7月22日のブログ
2012年12月17日のブログ
以前の記事と重複する部分もあるが、真剣に投票の義務化を検討すべきだと思う。
世界には「義務投票制」によって、棄権した場合に「罰則」のある国や地域がある。Wikipediaから、罰則規定の厳格な国のみを引用する。Wikipedia「義務投票制」
義務投票制を採用している国
罰則適用の厳格な国
ウルグアイ
:罰則は、罰金・権利の一部制限。罰則適用は、厳格。
キプロス
:罰則は、罰金(500キプロス・ポンド以下)・入獄。罰則適用は、厳格。
オーストラリア
:罰則は、罰金(原則20豪ドルだが、裁判所で争うと50豪ドル以下)。
罰則適用は、厳格。
シンガポール
:罰則は、選挙人名簿からの抹消。棄権がやむを得ないもので
あったことを明示するか、5シンガポール・ドルを支払えば、
選挙人名簿再登録可能。罰則適用は、厳格。
スイス
:シャフハウゼン州のみ。州法により、連邦選挙における投票も
法的義務。罰則は、罰金(3スイス・フラン)。罰則適用は、厳格。
タイ
:罰則は、次回の同種選挙の被選挙権剥奪。立候補受付完了後に
中央選挙管理委員会で審査を行い、前回の選挙において投票して
いないことが明らかになると失格の措置が取られる。適用は厳格。
北朝鮮
:罰則は、事実上無期限の入獄。遠洋漁業に出ている、または投票日
当日海外にいる場合は対象外。投票において反対票を投じた場合も
同様の措置が取られる可能性がある。適用は極めて厳格。
ナウル
:罰則は、罰金。罰則適用は、厳格。
フィジー
:罰則は、罰金・入獄。罰則適用は、厳格。
ベルギー
:罰則は、罰金(初回は5-10ユーロ。二回目以降は10-25ユーロ。)・
選挙権制限(15年間に4回以上棄権の場合は、10年間選挙資格
停止)。罰則適用は、厳格。
ルクセンブルク
:罰則は、罰金(99-991ユーロ。初回の棄権から6年以内に再度棄権
すると、重い罰金が課せられる。)。ただし、71歳以上の者と投票日
に海外にいる者との投票は任意。罰則適用は、厳格(初回の棄権
に対しては通常は警告文書が送られるだけだが、棄権が重なると
裁判所での判決を受けることになる可能性がある。)。
義務化しなくても投票率の高い国は北欧に多い。最近の国政選挙で、スウエーデン、アイスランド、デンマークは80%を超えている。しかし、他の西欧諸国では、ドイツが約70%、イギリスが60%台、フランスやアメリカの大統領選以外の選挙は50%台で日本に近い。
しかし、日本の50%とアメリカ、フランスの50%は、同じように語ることはできないだろう。
なぜなtら、国民と社会の関わり方が、大きく違うからだ。投票行動によって、自分たちが選んだ代表に、社会をもっと良くしてもらうこととは別に、自分自身が社会と関わりを持つ仕組みに、大きな違いがある。
もし投票(間接民主活動)を行なわない場合でも、ボランティアやNPOなど、直接的に社会貢献のための活動を行なう国民が欧米では多い。ある意味、それはキリスト教精神が背景にある博愛精神の発露でもあるが、そういう社会貢献を促進し、評価する文化が欧米には存在する。
日本には、良くも悪くも、そういった直接的な社会貢献を誘発する仕組みや評価する文化があるとは言えない。相互扶助、いわば助け合いの対象は、せいぜい隣り近所、江戸なら同じ長屋のレベルである。それすらも、現在では希薄になってきた。
市民、あるは庶民は、いったいどうやって自分の思いを伝えたり、自分の行動を社会貢献につなげていけばい良いのだろうか。
本来、選挙という仕組みの中で、まず第一に、自分の意志を表現すべきなのだが、有権者のほぼ半分しか、その権利を行使していない。
20歳代、30歳代は、全体の平均よりも、もっと投票率は低い。
総務省のサイトから、衆院選の投票率の推移のグラフをダウンロードすることができる。総務省サイトの該当ページ
下のグラフが、昭和42年から、二年前平成24年までの衆院選における年代別投票率の推移である。
少し見えにくいので、二年前の選挙で年代別に高い順に並べてみる。ちなみに全体での投票率は、59.32%
60歳代 74.93
70歳代以上 63,30
50歳代 60.02
40歳代 59.38
30歳代 50.10
20歳代 37.89
グラフをご覧のように、時により、40歳代と50歳代とで順番が入れ替わったりするが、20歳代がもっとも低いのは、昭和44年以降、変わらない。
18歳から選挙権を持たせても、18歳と19歳の投票率が少し上がった位では、全体への押し上げ効果はまったく軽微なものである
若者は、いったいどうやって、社会や政治と関わろうとしているのか・・・・・・。
欧米の一部の社会のようにボランティアやNPOなどに参加して直接的な社会との接触をするわけでもなく、「どうせ行ったってしょうがない」と冷め切って選挙投票を棄権する若者は増える一方。彼らは、投票所に行く時間があるのなら、スマホでゲームをすることを選ぶのだろう。
私は、投票の義務化、待ったなしだと思う。18歳への投票権の引き下げと同時に、義務化を制度化してはどうか、と思っている。