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幸兵衛の小言

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安倍訪米前のニューヨークタイムズの記事-「内田樹の研究室」より。

 安倍首相が、訪米している。
 日本時間の今夜、オバマ大統領との首脳会談があるが、「内田樹の研究室」で、訪米前4月20日付けのNew York Timesの社説を翻訳してくれたので、紹介したい。前段は下記でご確認いただくとして、記事部分のみ引用。(太字は管理人)
「内田樹の研究室」の該当記事

日本の安倍晋三首相の来週の訪米はいくつかのレベルで重要である。彼は上下院で演説する最初の日本の首相となる。
彼とオバマ大統領は共同防衛行動の促進という最重要課題について進展があったことをアナウンスするとみられている。可能であれば、第二の論点、貿易問題についても言及するかもしれないし、おそらく第三の難題であるアジアにおける中国の影響力増大についても議論すると予測されている。
どういう文脈での訪米であるかも重要である。
今年は日本が第二次世界大戦に負けて70年目に当たる。ある意味で、この訪米は戦後日本のめざましい再生と、アジアにおける安定の基盤となったかつての敵国との堅固な同盟関係を奉祝することを意図している。
しかし、訪米の成否は日本の戦時の歴史について、すなわち戦争遂行の意志決定、中国朝鮮半島の暴力的な支配、さまざまな暴虐、何千人もの女性を奴隷化し性奴隷あるいは「慰安婦」として戦時売春宿で強制労働させていた事実などに安倍氏がどの程度誠実に直面するかにかかっている
これらの問題はとうに決着を見ているはずであった。歴史問題が決着を見ていないのは主として安倍氏と彼の右翼の政治的同盟者たちが歴史に疑念を呈すばかりか、それを書き換えようと企て、アジア地域の緊張を高めているという失策がもたらしたものである。
安倍氏はこれらの論点について降伏の日である8月15日に多くのことを語るであろう。しかし、彼の議会での発言は重要なシグナルを発信することになる。
安倍氏のナショナリスト的見解と競合する政治勢力からのプレッシャーはこれらのデリケートな問題についての彼の判断に影響を及ぼしてきた。彼は公的には戦争について遺憾の意を表し、性奴隷制を含む侵略の過去についての謝罪を履行すると述べている。しかし、コメントに曖昧な形容詞を付け加えることで、彼は謝罪を真剣に引き受ける気がなく、むしろそれを洗い流そうとしているのではないかという疑惑をかきたてている。
彼の政府は歴史を改竄しようとする企てによってこれまでも繰り返し問題を起こしてきた。今月、韓国と中国は、日本の文科省が中学の教科書出版社に対して、領土係争中の島々と戦争犯罪を含む歴史的事実の記述を、より曖昧な政府の公式見解に合致させるよう書き換えを命じたことを批判した。去年は、安倍政府は日本が性奴隷化した女性たちについての1996年の人権レポートの書き換えを国連に求めて失敗している。 日本の右派は彼らの国が戦後アメリカとその同盟国によって不当に中傷されてきたと信じている。日本はすでにその軍国主義的行動と蛮行について十分な償いを済ませていると信じているという印象を安倍氏は与えてきた。そんなことよりもアジアにおけるアメリカの対中国政策を支援し、グローバルな責任を果すことのできる21世紀のリーダーとして彼の国を基礎づけることを優先させようとしている。
しかし、日本がその過去についての批判を退けようとする限り、今以上の大きな役割を引き受けることができるようには思われない。明仁天皇と彼の家族たちは首相よりずっとよい範例を示している。最近の談話の中で、あきらかに安倍氏を批判する意図で、皇太子は未来の世代に「正しく歴史を伝える」ことの必要性について言及した。 安倍氏とオバマ氏が拡大された日米の防衛協力の新ガイドラインについて最終合意に達し、TPPについての実質的な進展があれば、ワシントンでの日米会談は実りあるものになる可能性がある。成否はひとえに安倍氏が彼の右翼的支持者たちを振り切って、アジアの安定を脅かすのではなく、アジアの安定を強化できるようなトーンで語ることができるかにかかっている。

 内田樹は、記事を紹介する前段(マクラ?)で、日本ではスルーされる‘曖昧な形容詞’‘わかりにくい表現’に関するNew Yourk Timesの指摘のことに触れている。
 要するに、彼の日本語を英語に翻訳すると、何を言いたいかが伝わらない、あるいは、わざとわかりりにくい表現としていることが伝わる、ということだろう。

 皇室の方が、明確に‘よい範例’を示している、という指摘は、まったく同感だ。
 天皇皇后両陛下の言葉や行動、そして上記記事でも紹介されている皇太子の言葉の方が、形容詞で固めたヘンテコリンの安倍言葉より、ずっとわかり易いし、明確なメッセージを伝えている。


 ‘アジアの安定を強化できるようなトーン‘’で彼は語ることができるか、アメリカのメディアも注目している。もちろん、私も注目はしているが、あまり期待はしていない。せいぜい、オバマへのおべんちゃらと、日米協調のことが中心になるのだろう。
 
 それにしても、官邸に向かったドローンさえも防げないで、原発にテロ攻撃があったら、いったいどうなるのか・・・・・・。
 ‘積極的’に‘平和’を志向するなら、そういったリスクへの備えもしっかりして欲しいものだ。

 

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by koubeinokogoto | 2015-04-28 12:44 | 責任者出て来い! | Comments(0)

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by 小言幸兵衛