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幸兵衛の小言

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竹中平蔵の悪事を振り返るー懲りない売国奴の素顔。

 過去の過ちを何ら反省することなく、国を誤った道に誘導しようとしている竹中平蔵。

 東谷暁著『郵政崩壊とTPP』(文春新書、2012年4月初版発行)から引用。
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東谷暁著『郵政崩壊とTPP』(文春新書)

 「かんぽの宿」を当時の“仲間”である西川郵政から宮内オリックスに格安で売却させようとして、鳩山総務相から批判された時の竹中の発言を引用したい。

 竹中氏は、2009年1月19日付の産経新聞一面コラムで、「かんぽの宿は、“不良債権”」と題し、<(かんぽ生命保険の施設である)かんぽの宿は、今でも年間約50億円の赤字を計上している。民営化に当たって、これを廃止・売却するのは当然のことである>と論じた。
 安い価格で急いで売却するには適切ではないという鳩山総務相の発言に対しても、<この議論は、経済学の初歩的な概念である『機会費用』というものを無視した、誤った認識>などと、久しぶりに経済学者らしい言葉を使って憤ってみせたものだ。つまり、不況時にすべて安くなるので、安く売っても他のものを安く買えるというわけだ。
 しかし、そもそも「かんぽの宿」は、かんぽ生命の主管から、すでに日本郵政に移されてしまっている。しかも、この民営化のさいの措置については、「かんぽの宿」を安く売り叩くためだったという指摘もある。竹中氏はこの点について何か疚しいものがあるから、こんな「初歩的な」間違いをしたのではないかと勘ぐりたくもなる。そういえば、民営化の「かんぽの宿」売却を強引に五年以内に決めたのも竹中総務相だったではないか。
 また、「かんぽの宿」は不良債権だというが、日本郵政は継続的な事業として認識し、M&Aで売ろうとしていたのだから不良債権などではないことになる。そもそもM&Aでは一円でも高く売るのが経営陣の任務だ。その意味で竹中氏の発言は、意図的に流した風説による資産の価値毀損行為であり、日本郵政の西川社長は竹中氏を訴えるべきだった。
 さらに、「機会費用」だから安くてもいいと述べたが、日本郵政が算出した「かんぽの宿」および社宅の「簿価」が、意図的に安くした疑いがきわめて濃厚になった以上、この「機会費用」の議論など成り立ちようがない。
 竹中氏にとって、郵貯を使ってアメリカのご機嫌をうかがい簡保市場を譲渡してしまえば、日本郵政はただの「抜け殻」であり、「かんぽの宿」などは不良債権として叩き売ることしか念頭になかったのではないのか。



 アメリカのご機嫌をうかがっていたことは、民間人となって油断した竹中の本音が物語る。

 郵政民営化が推進される中で、この民営化はアメリカ金融界の強い要求に下に行なわれていて、このままでは日本の金融資産がアメリカに流れてしまうという指摘もあった。竹中総務相はそのたびごとに反論したが、すでに「民間人」に戻った2008年4月、BS朝日で放映された番組で次のような発言をして、視聴者を愕然とさせた。
<実は日本には、海外のこうしたSWF(政府系ファンド)よりも、もっと巨大な規模のSWFを持っているのです。それが日本郵政です。いや、厳密に言えば、もうSWFではありません。なぜなら、日本郵政は完全に民営化されたからです。だから、米国の側からすれば、政府の資金ではないので安心して投資を受け入れることができるはずです>(『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』朝日新聞出版)
 なんのことはない、「アメリカの金融が危機になったから、日本の郵政がもっている金融資産を融通しろ。もう民営化してあるから文句は出ない」ということなのである。この後、アメリカの金融界はさらに下落して混迷を深めていったから、竹中氏のいう通りにしていたら、日本郵政は虎の子の資金をドブに捨てていただろう。郵政民営化とは、やはり郵政の資金をアメリカに捧げるものだったと思われてもしかたのない発言だった。



“米国の側からすれば、政府の資金ではないので安心して投資を受け入れることができるはずです”といった内容は、とても閣僚時代には言えない発言だ。アメリカの影を精一杯隠し、追及されても誤魔化しながら進めてきたのが、郵政民営化なのだから。つい気を許したのだろうが、これが本音なのだ。こういうのを“確信犯”と言う。

 当時のアメリカ合衆国通商代表部のロバート・ゼーリックなどの意向を最大限反映しながら、郵政の資産をアメリカのために提供しようとしたのが、竹中の仕事であったのだ。

 郵政民営化という愚行を演じた役者の中で主演男優であった小泉純一郎は、失政の反省をしたのか否かは別として、政治の舞台から去った。しかし、助演男優とでも言うべき竹中平蔵は、舞台裏とはいえ政治の世界に帰ってきた。

 今や、郵政民営化が、当時340兆円という郵政グループの資産を、アメリカに差し出そうとした売国行為であったことは明白だろう。当時イギリスのフィナンシャルタイムズなどは「日本から3兆ドルのプレゼント」という表現を使っていた。


 安倍がその“犯人”竹中を生き返らせ、ゾンビ平蔵は、懲りずに「規制緩和」「自由競争」「官から民へ」を標榜している。産業競争力会議の他の民間メンバーも、新自由主義派・競争至上主義派が多いため竹中へのブレーキ役にはなりえない。逆に竹中暴走のアクセルを吹かすメンバーもいるかもしれない。
 あえてブレーキ役を期待するなら、議長代理を務める麻生太郎だろう。麻生が竹中に好意的とは思えない。2005年、郵政民営化を巡り小泉に忠実に仕えた竹中と、郵政事業を所管する総務相だった麻生は鋭く対立していた。小泉は“郵政解散”後の衆院選で圧勝すると竹中を総務相にし、麻生は外相に横滑りさせて、早い話が事実上更迭したのだ。この度の産業競争力会議メンバー入りにも、麻生は抵抗していたと言われている。だから、竹中の暴走を阻止できるのは麻生くらいかもしれない・・・が、安倍が竹中を買っている以上は、安倍に憎まれてはならないから、面と向かっての竹中批判は難しかろう。

 何度も書こう。竹中平蔵は売国奴である。安倍は二度目の政権のアキレス腱が何か分かっているのだろうか。何よりも竹中平蔵という男が、アベノミクス、そして日本の将来を危うくさせている。
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by koubeinokogoto | 2013-04-18 08:21 | 責任者出て来い! | Comments(0)

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