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幸兵衛の小言

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Yes!I Can!、と言えない日本の悲しさ。

 「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」がノーベル平和賞を受賞し、受賞式で被爆者であるサーロー節子さんがスピーチを行った。

 河野外相へのインタビューを見たが、なんとも情けない言訳ばかり。

 「核廃絶のゴールは共有」するが、「現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求していく必要」があるんだとさ。

 早い話が、「現実的」に、日本はアメリカの言いなりであるということだ。

 世界で唯一の被爆国日本のメディアは、それ以上に重要なニュースがあったようで、ニュースとしてはほんの一部でしか、この件を取り上げなかった。

 私の気持ちを代弁してくれるようなLITERAの記事を引用する。
LITERAの該当記事

ICANノーベル賞授賞式でサーロー節子さん感動のスピーチも日本マスコミは無視! 普段は“日本スゴイ”が好物なのに
2017.12.12

 「核兵器は必要悪ではありません。絶対悪なのです」──。日本時間10日夜におこなわれたノルウェー・オスロでのノーベル平和賞授賞式におけるサーロー節子さんの力強い演説が、いま、大きな話題と感動を呼んでいる。

 サーロー節子さんは広島県生まれで、13歳のときに学徒動員で暗号解読の助手として出向いた爆心地から約1.8キロメートルの場所にあった陸軍第二総軍司令部で被爆した。九死に一生を得た節子さんは戦後、留学を経て結婚、カナダへ移住し、平和活動に積極的に参加。ノーベル平和賞を受賞した国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の「顔」として、これまで長年にわたって核兵器の恐ろしさを伝える活動をつづけてきた。

 そして、節子さんは被爆者としてはじめてノーベル賞の授賞式で、世界に向けてスピーチをおこなったのだ。

 窓から飛び込んだ青い閃光と、建物の下敷きになったときに聞こえた「あきらめるな!」「あの隙間から光が入ってくるのが見えるだろう? そこに向かって、なるべく早く、はって行きなさい」という声。破壊され尽くした街で目にした、幽霊のような姿となった人びとの行列。たった一発の爆弾によって、愛した街も、家族も、友人も一瞬にして失った──。なかでも、節子さんは当時4歳だった甥の姿を忘れたことはない。「小さな体は、何者か判別もできない溶けた肉の塊に変わってしまいました」という甥っ子は、息を引き取るまで弱々しい声で「水が欲しい」と求めたという。

「私にとって彼は、世界で今まさに核兵器によって脅されているすべての罪のない子どもたちを代表しています。毎日、毎秒、核兵器は、私たちの愛するすべての人を、私たちの親しむすべての物を、危機にさらしています。私たちは、この異常さをこれ以上、許していてはなりません」(スピーチ翻訳は朝日新聞デジタルより。以下同)

 節子さんが訴えつづけてきた声は、たしかに世界を動かした。今年7月、国連が核兵器禁止条約を採択したからだ。演説のなかで節子さんはこの条約を「核兵器の終わりの始まりにしようではありませんか」と呼びかけた上で、このようにつづけた。

「核武装国の政府の皆さんに、そして、『核の傘』なるものの下で共犯者となっている国々の政府の皆さんに申し上げたい。私たちの証言を聞き、私たちの警告を心に留めなさい。そして、あなたたちの行動こそ重要であることを知りなさい。あなたたちは皆、人類を危機にさらしている暴力システムに欠かせない一部分なのです。私たちは皆、悪の凡庸さに気づかなければなりません」

NHKは『ニュース7』も『ニュースウオッチ9』も授賞式を取り上げず
 
 核のない世界へ、光に向かって進みつづけよう──。節子さんのスピーチには何度も大きな拍手が起こり、さらには授賞式後、2000人以上の人びとがノーベル賞受賞を祝福するパレードに参加したが、そこでは「Yes!I can!」というコールが巻き起こった。ICANの受賞を喜ぶと同時に、核廃絶を「わたしたちにはできる」と誓う声だ。

 しかも、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏も、スウェーデン・ストックホルムでの記者会見において母親が長崎で被爆した経験をもつことにふれて、「冷戦終結後、核への関心が薄らぐ一方で危険性は高まっている。ノーベル平和賞が核の問題の重要性に再び光を当てたことは喜ばしい」と言及。ICANの受賞を言祝いだ。

 ICANの活動は日本の被爆者や市民団体が果たした役割が非常に大きく、授賞式にはICANのメンバーとともに広島・長崎の被爆者や広島市長、長崎市長も出席。すなわち、日本が世界から注目される大きな出来事だったわけだが、目を疑ったのは、日本のテレビメディアの伝え方だ。

 普段は「日本スゴイ!」が大好物であるはずのテレビのワイドショーをはじめ、ニュース番組でも、この話題をまったく取り上げなかったり、あるいはストレートニュースで消化したのだ。

 いや、もっと驚いたのは、NHKの姿勢だ。ノーベル平和賞授賞式から一夜明けた11日の『NHKニュース7』と『ニュースウオッチ9』が、揃って平和賞授賞式の話題を取り上げなかったのである。

『ニュースウオッチ9』のトップニュースは、アメリカ・カリフォルニア州で起こった山火事。つづいて元横綱・日馬富士が書類送検された話題をスタジオトークもまじえて伝えた。その後、ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ氏の話題を取り上げたが、メインの内容は、小津安二郎の映画や『オバケのQ太郎』に影響を受けたというインタビュー。イシグロ氏は日本が過去とどう向き合うかといった問題についても語ったが、番組は結局、平和賞の授賞式やサーロー節子さんの演説には一切ふれることなく終了した。

 世界の平和よりも、外つ国の山火事や、乱暴な力士による傷害事件の方が大事だった、ということか。

 あるいは、NHK得意の「忖度」か・・・・・・。

 カズオ・イシグロの特別インタビューを見たが、彼が日本、それも長崎に生まれたことに関する思いや、日本を憂い気持ちは、想像以上に強いものがあると思った。

 それに比べて、その国にいる政治家やメディアの人間は、ICANや節子さんのことに、何を感じているのだろうか。

 憲法改悪反対や原発反対、共謀罪反対などのデモには、多くの高齢者の方が、心の底に「Yes!I CAN!」という思いをしっかり刻んで、寒い中でも行進に参加されている。

 私はなかなかそういうデモに出る機会は少ないが、「Yes!I Can!」という思いは失わないでいようと思っている。

 節子さんをはじめとする被爆者の方々の、文字通りに生命をかけた努力が、今回のノーベル平和賞受賞に大きく貢献している。

 少なくとも、そのことは同じ日本人の誇りにしたい。

Commented by kousagi at 2017-12-18 23:49 x
サーローさんの堂々たるスピーチに感動し、会場の暖かい拍手やスタンディングオベーションも誇らしく感じました。
このオスロ市庁舎を訪ねる機会がありましたが、国の歴史が描かれた壁画が美しいホールで、2階の「憲法の間」の壁画からも憲法を尊ぶ気持ちが伝わってきました。
Commented by koubeinokogoto at 2017-12-19 15:17
>kousagiさんへ

お久しぶりです。
サーローさんの力強いスピーチは、本当に素晴らしかったですね。
オスロ市庁舎にいらっしゃったことがあるんですか。
私は、北欧はまだ行ったことがないので、一度は、と思っていますが、さて。
兄弟ブログ「噺の話」に比べこっちの記事の更新が滞りがちですが、思い出したように書きますので、たまにお訪ねのほどを。
「噺の話」に、先日の「THE MANZAI」でのウーマンラッシュアワーの漫才のことを書きました。
村本という男、こらからも期待したいものです。
なかなか、時事問題や政権批判をメディアでは取り上げない状況で、頼もしい若者です。
Commented by sheri-sheri at 2018-01-07 18:21
サーローさんの事は新聞で読み、立派な方だなぁと思いました。どれだけの方が苦しんで亡くなったか・・私たち日本人は知っていると思います。なのに、声を上げる方は稀ですね。高齢者の方の真摯な生きざま、行動力には本当に頭が下がりますね。
Commented by koubeinokogoto at 2018-01-09 16:42
>sheri-sheriさんへ

コメントありがとうございます。
安倍政権が目指す憲法改悪は、サーローさん達の努力とは、まったく反対方向への行動です。
御用ジャーナリストや御用メディアなどに負けず、ブロガーとしてできることを、今年も地道に続けたいと思っていますので、本年も、よろしくお願いいたします。
Commented by sheri-sheri at 2018-01-22 19:00
こちらこそよろしくお願いいたします。
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by koubeinokogoto | 2017-12-16 14:36 | 戦争反対 | Comments(5)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


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