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幸兵衛の小言

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赤報隊、右翼、百田尚樹のこと、など。

 赤報隊事件について、27日の土曜には実録ドラマとして、そして昨日は犯人捜査に関するドキュメンタリーとして連夜に渡りNHKが放送した。
NHKサイトの該当ページ
 土曜日のドラマを見ることはできなかったが、昨日のドキュメンタリーを見た。

 「赤報隊事件」とは赤報隊を名乗る犯人による一連の事件のことになるが、殺人事件としては、朝日新聞阪神支局の記者が散弾銃で殺された件のことを指す。
 Wikipedia「赤報隊事件」から、引用する。
Wikipedia「赤報隊事件」

朝日新聞阪神支局襲撃事件

1987年5月3日午後8時15分、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局へ散弾銃を持った男が侵入し、2階編集室にいた小尻知博記者(享年29)と犬飼兵衛記者(当時42歳)に向けて発砲した。小尻記者は翌5月4日に死亡(殉職により記者のまま次長待遇昇格)、犬飼記者も右手の小指と薬指を失った。犯人は現場にいたもう1人・高山顕治記者(当時25歳)には発砲せず、逃走した。勤務中の記者が襲われて死亡するのは、日本の言論史上初めてであった。5月6日には、時事通信社と共同通信社の両社に「赤報隊一同」の名で犯行声明が届いた。1月の朝日新聞東京本社銃撃も明らかにし、「われわれは本気である。すべての朝日社員に死刑を言いわたす」「反日分子には極刑あるのみである」「われわれは最後の一人が死ぬまで処刑活動を続ける」と殺意をむき出しにした犯行声明であった。
 昨夜の番組では、何人かの容疑をかけられていた右翼への取材も紹介された。
 そして、未だに、あの事件を「義挙」などと言う、右翼の街宣も放送されていた。

 何が、義挙なのだ。

 反日という言葉をやたら使った、赤報隊。

 そして、過去も今日でも、その言葉を振り回す勘違いした人たちがいる。

 また、朝日を含め、反戦を唱えるメディアを目の敵にする、困った人たち。

 なかでも手におえない一人が百田だなぁ、と思っていたら、流石に「HUNTER」が、次のような記事を載せていた。
「HUNTER」の該当記事


「赤報隊」と極右作家の共通点
百田尚樹「朝日の読者は日本の敵」への“読者”からの反論(下)

2018年1月23日 08:40

「これは首を賭けてもいい。 もし、中国と日本が軍事衝突をすれば、朝日新聞は100パーセント、中国の肩を持つ。 朝日新聞は日本の敵だが、そんな売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵だ》――。ツイッター上にそう投稿した作家の百田尚樹氏だが、この主張を裏付ける証拠は示されていない。
 これまでも度々問題発言で物議をかもしてきた百田氏だが、彼が吠える時はいつも言いっ放し。激しい言葉で相手を誹謗・中傷し、間違いだと分かっても見苦しい言い訳を繰り返し、謝罪もしないというケースばかりだ。“恥”を知るのが日本人の美徳だとすれば、百田氏は最低の卑劣漢と言えるだろう。
 かつて、そんな百田氏と同じ方向性で、朝日新聞などに卑劣な犯行を繰り返したグループがいた。「赤報隊」である。

■沖縄への誹謗中傷―背景に百田発言?  
 昨年12月7日、米軍普天間基地所属の大型ヘリ「CH53」の部品が、基地近くにある保育園の屋根に落下するという事故が起きた。沖縄県民は怒り、当然ながら地元紙である琉球新報と沖縄タイムスは大々的に事件を報じた。

 これに対し、百田氏は同月12日、DHCテレビがネット上でライブ配信を行っている報道番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』で、「(部品落下も報道も)全部ウソ」「捏造。ほぼ間違いない」と断言。「誰かが古いキャップ(部品)を持ってきて保育園の屋根の上に置いた可能性が高い」とまで言い切った。米軍発表を鵜呑みにした暴論だったが、飛行中のヘリをとらえた映像などから米軍発表の虚偽が証明済み。同じ月の13日には、基地に近接する市立普天間第二小学校の校庭に米軍へりの窓が落ち、小学生がケガをするという“事件”が起きている。

 問題は、虎ノ門ニュースでの百田発言以後、部品落下の被害を受けた保育園や小学校に、「(米軍機の窓落下は)やらせだ」「小学校のほうが後に作られたくせに文句をいうな」「沖縄の人間は基地がないと生きていけないだろう」「自作自演」「住むのが悪い」などといった内容の誹謗・中傷が寄せられたことだ。宜野湾市教育委員会に確認したところ、小学校あてにかかってきた誹謗・中傷の電話は、12月28日までに31件あったという(メールやFAXは未集計。現在は沈静化)。一連の流れからみて、政権擁護の極右が、百田発言に踊らされた可能性は否定できない。

 百田氏は、「永遠の0」や「海賊とよばれた男」を著したベストセラ―作家。発言を信じる国民は少なくあるまい。同氏が「部品落下は捏造」と断言すれば、被害者であるはずの沖縄の関係者が、逆に批判される立場へと変わることもある。それを狙っての発言なら、百田氏の罪は重い。

■沖縄蔑視で“でっち上げ”乱発  
 安倍政権にべったりの百田氏にとって、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移転に反対する沖縄県民と沖縄メディアは、我慢ならない存在なのだろう。沖縄蔑視の姿勢は見苦しいほどで、“でっち上げ”をあたかも事実のように公言してきた。

 2015年6月には、安倍首相に近い自民党の若手議員らが党本部で開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、「沖縄の2つの新聞(「沖縄タイムス」と「琉球新報」)はつぶさなあかん」と発言。「あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と持論を展開した。米軍基地の存在を否定する沖縄メディアは、中国の手先という短絡的な思考だ。

 今回の朝日への攻撃は《中国と日本が軍事衝突をすれば、朝日新聞は中国の肩を持つ》→《朝日新聞は日本の敵だが、そんな売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵》→《(朝日新聞は)マジで潰れてもらわないといけない》という流れで、沖縄メディアを誹謗した時と同じ論理構成。悪質なのは、いずれのケースでも、彼の主張の核が根拠のない作り話であるという点だ。

 百田という男がとんでもないことは、何度か書いた。

 なかでも、宮崎駿が、彼の作品を酷評していることや、宮崎が反戦の思いを綴った文章の紹介を中心にした記事を、ほぼ四年前に書いている。
2014年2月4日のブログ

 その記事から、再度紹介したい。

 百田尚樹という人には、歴史を見る真っ当な常識があるように思えない。
 
 同じ零戦を扱った対照的な人物が宮崎駿である。

 宮崎は、ほぼ明確に百田の作品を批判している。昨年の引退表明直後の発言である。
「ビジネス・ジャーナル」の該当記事

宮崎駿、『風立ちぬ』と同じ百田尚樹の零戦映画を酷評「嘘八百」「神話捏造」
2013.09.25

 9月6日、引退会見を行ったアニメ界の巨匠・宮崎駿監督。引退作となった『風立ちぬ』(東宝)は興行収入100億円を超え、「最後の作品はスクリーンで」という人も多く、観客動員数は1000万人を突破すると見られている。

 そんな映画人生の有終の美を飾ろうとしている宮崎だが、ここにきて『風立ちぬ』と同じ“零戦”をテーマにした“あの作品”を猛批判しているのをご存じだろうか。

 宮崎が“あの作品”の批判を展開しているのは、「CUT」(ロッキング・オン/9月号)のロングインタビューでのこと。その箇所を引用しよう。

  「今、零戦の映画企画があるらしいですけど、それは嘘八百を書いた架空戦記を基にして、零戦の物語をつくろうとしてるんです。神話の捏造をまだ続けようとしている。『零戦で誇りを持とう』とかね。それが僕は頭にきてたんです。子供の頃からずーっと!」

 「相変わらずバカがいっぱい出てきて、零戦がどうのこうのって幻影を撒き散らしたりね。戦艦大和もそうです。負けた戦争なのに」


 「相変わらずバカがいっぱい」のリストに、安倍、石原、橋下、百田などの名を並べても、宮崎は否定しないだろう。

 戦争責任を誤魔化したり、美化することから、何ら生産的な未来は展望できない。

 宮崎の批判は続く。

戦争を美化する作品を糾弾する構えの宮崎

 宮崎がここで挙げている「零戦の物語」というのは、どう考えても人気作家・百田尚樹の原作で、12月に映画が公開される『永遠の0』(東宝)のこと。よほど腹に据えかねているのか、このインタビューで宮崎は“零戦神話”を徹底的に糾弾。

 「戦後アメリカの議会で、零戦が話題に出たっていうことが漏れきこえてきて、コンプレックスの塊だった連中の一部が、『零戦はすごかったんだ』って話をしはじめたんです。そして、いろんな人間が戦記ものを書くようになるんですけど、これはほとんどが嘘の塊です」と、『永遠の0』をはじめとする零戦を賛美する作品をこき下ろしている。

 もちろん、自身が『風立ちぬ』で基にした零戦設計者・堀越二郎の戦争責任についても言及。堀越の著書である『零戦』は共著であり、もう一人の執筆者が太平洋戦争で航空参謀だった奥宮正武だったことから「堀越さんは、自分ではそういうものを書くつもりはなかったけど、説得されて、歴史的な資料として残しておいたほうがいいんじゃないかっていうことで、書いたんだと思うんですけど」と前置きし、「堀越さんの書いた文章っていうのは、いろんなとこに配慮しなきゃいけないから、本当のことは書かないんだけど、戦争責任はあるようだけれども自分にはないと思うって書いています。面白いでしょう? 僕はこの人は本当にそういうふうに思った人だと思います」と弁護。

 さらに、「僕は思春期の頃、親父と戦争協力者じゃないかってもめた経験があるんですけど。そうやって断罪していくと、ほとんどの人が戦争協力者だと言わざるをえない。隣の韓国とか北朝鮮とか中国とかフィリピンとかインドネシアとかね、そういう側から考えると、それは加害者であるという」と話し、「職業をもつということは、どうしても加担するという側面を持っている。それはもうモダニズムそのものの中に入ってるんだと思ってるんです」と、到底美談では語れない戦争の加害性について論及している。

対照的な立場の宮崎と百田

 確かに同じ零戦をテーマとして扱っているとはいえ、宮崎と百田とはその政治的スタンスもまったく真逆だ。宮崎は憲法改正反対論者で、かたや百田はほとんど“右派論客”といってもいい活躍を見せている。

 百田は今年6月、朝日新聞で自身の作品が「右傾エンタメ」「愛国エンタメ」と評されたことに激怒し、苛烈に反論していたが、一方で首相再任前の安倍晋三との対談では「もう一度、自民党総裁選に出馬して総理を目指してもらいたい」と背中を押し、保守系論壇人である渡部昇一との対談でも「安倍政権では、もっとも大きな政策課題として憲法改正に取り組み、軍隊創設への道筋をつくっていかねばなりません」と語るなど、政治的発言を連発。朝日批判の際も「自虐史観とは大東亜戦争にまつわるすべてを『とにかく日本が悪かった』とする歴史観です」とネトウヨ(ネット右翼)が大喜びしそうなツイートをしていた。

 宮崎があえてインタビューで『永遠の0』批判を繰り出したのは、戦争を肯定する百田と一緒にされるのが耐えられなかったのかもしれない。

 しかし、一方の百田は、「先日、アニメ『風立ちぬ』の試写を観た。ラストで零戦が現れたとき、思わず声が出てしまった。そのあとの主人公のセリフに涙が出た。素晴らしいアニメだった」と同作を大絶賛。反戦主義の宮崎が零戦映画の製作をしたことで、方向転換したと勘違いして思わずはしゃいでしまったのかもしれないが、今回の宮崎の発言で見事にはね返された格好だ。

 歯に衣着せぬ言動や論争好きで知られる百田だが、果たして世界の巨匠・宮崎にはどのように反論するのか。大いに見ものである。(文=エンジョウトオル)

 宮崎駿と百田尚樹とは、まさに月とスッポンなのである。

 赤報隊も、殺人犯罪を義挙とする右翼も、反戦を主張するメディアを根拠なくSNSで批判するネトウヨも、もちろん百田尚樹も、皆、同じ共通項で括ることができる。

 彼らは、歴史を学ぶことのできないバカ、なのだ。

 百田などは、フランスで徴兵制が復活するニュースなどを、自分に都合よく利用すると思う。

 しかし、歴史に学ぶことができる日本人は、世界で日本以外のすべての国が徴兵制を復活させようが、唯一反戦を唱える国民であることを願う。

 なぜ、唯一の被爆国が、核兵器廃絶に国を挙げて反対できないのか。
 そんな政府のトップと仲良く食事をともにする百田などの取り巻き。

 そのような首相も、その仲間も、歴史に尊敬できる人物として名を残すことなどできない。
 残されるのは、汚名だけである。

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by koubeinokogoto | 2018-01-29 23:31 | 戦争反対 | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛