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幸兵衛の小言

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怖いのは、「無知」ウイルスと、「無恥」ウイルスの感染だ!

 昨日の3.11に、何か書くつもりでいた。

 ちょうど一年前に書いた甲状腺がんに関する記事のアクセス数が増えたので、その続報的なものも考えた。

 しかし、いくら検索しても、その後に、甲状腺がんについて書かれた記事や、データの更新が見つからず、なんとも暗澹たる気持ちになった。

 ネット上でも、風化が進んでいる・・・・・・。
 その背後には、権力の姿がありそうな気がしている。

 とにかく、今、閉塞感が半端ない。

 イベント自粛期間の延長となり、会社の時差出勤期間も今月末まで、とりあえず延長となった。

 しかし、どこも時差出勤なので、必ずしも電車は空いていない。

 ようやくWHOが、パンデミックと認めた。

 そんな状況において、五輪組織委員会の理事が開催延期の可能性について語ったら、森会長が「とんでもないことを言った」と怒った。

 おいおい、甲子園が中止だよ。

 世界がこんな状態で、中止や延期を視野に入れないほうが「とんでもないこと」だろう。

 とはいえ、国民と都民の税金を含め、三兆円の運営経費をかけている大イベントには、さまざまな利権がぶら下がっているから、そう簡単にやめられない、ということなのだろう。

 中止か、せいぜい二年後の開催が良いとは思うが、IOCの最終判断が5月なら、強引に開催する可能性は高いだろうなぁ。


 今、町はなんとも不思議な状況になっている。

 Wワーカーの私は、会社が休みの日に飲食関係のアルバイトをしているが、その店の近くにあるモールのフードコートが、中高生にたまり場になっている。
 テーブルを三~四人で囲んでカードゲームなどをしている。

 学校と、どちらが衛生的なのか・・・・・・。

 昨日あたりは、そのアルバイトの店も忙しかった。

 平日にも関わらず、家族連れが土日のような時間帯に多かった。

 そろそろ、閉塞感に耐えられなくなってきているのだろうなぁ、と実感している。

 くどくなるが、インフルエンザよりも被害が量的に大きいとは思えない新型コロナウイルス。しかし、見えないことによる恐怖感は、私にだってある。

 でも、休校は正しい施策だったのだろうか・・・・・・。

 なにがなんでも東京五輪を開催したいがための、小手先だけの対策の一つとしか思えない。

 いまだに五万人近い人が避難していて、何が「アンダー・コントロール」なのか。

 原発事故は、民主党政権下で起きた。

 しかし、あの事故を招いた大きな要因は、事故発生の五年も前に、専門家でもある議員が電源喪失のリスクヘッジを提言したのにもかかわらず、自民党のある人物が、必要なしとしたからでもある。

 LITERAの3.11付けの記事から、引用する。
LITERAの該当記事

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁するだけだったのである。

まさに福島で起きた“バックアップ電源機能不全”の実例を指摘されても安倍は…

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。
「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 あらためて、このやりとりは、2006年のこと。

 相手の質問にまともに答えず、まったく頓珍漢なことをひっぱり出す応答は、今も変わらない。
 要するに、聞く気のない話、やる気のないことには、詭弁を弄してでも突っぱねるのが、この男のやり方なのだ。

 もし、あの時、専門家でもある吉井議員の指摘に耳を貸し、バックアップ電源の対策を施すことのできる人物がリーダーであったなら、と思わないではいられない。


 新型コロナウイルス対策にしてもそうだが、安倍晋三という人は、専門家を生かすことが下手すぎる。いや、初めから専門家の言うことなど聞く気がないのか。

 自分は何でも知っている、とでも思っているのか、この人は。

 記事でも書いたが、台湾のリーダーとは、大きな違いだ。

 リーダーは、組織でも国でも、そのメンバーにとって大きな存在だ。

 優秀なリーダーなのか、そうじゃないのか。

 今の日本のリーダーは、いったい何をやってきたのか。

 嘘をついてまでの五輪誘致、とんでもない人物の閣僚任命、桜を見る会と前夜祭に関する常識的な商慣習を否定しての事実隠蔽、そしてあのモリカケ問題など、新型コロナウイルス感染より以前から、この男は多くの国民の信頼を失っている。

 少し古くなるが、同じLITERAの2016年の記事に、あの男が通った大学の教授が語った言葉が載っていた。
LITERAの該当記事

 引用する。

 安倍首相の出身学部である法学部で当時、教鞭をとり、安倍首相も授業を受けていたはずの加藤節名誉教授は、こんな厳しい言葉を投げかける。

「大学の4年間などを通して、安倍君は自分自身を知的に鍛えることがなかったんでしょう。いまの政権の最大の問題点は、二つの意味の『ムチ』に集約されていると私は思っています」

 そのうえで、加藤名誉教授は2つの“ムチ”とはignorant(無知)とshameless(無恥)のことだと説明する。母校の恩師とは思えない手厳しさだが、加藤名誉教授の批判はそれだけに止まらない。安倍首相が2013年3月の参院予算委員会で憲法の最高権威である故・芦部信喜氏を「知らない」と言い放ったことを挙げて、さらにこう指摘している。

「(晋三氏は)政治学科ですし、憲法もしっかり勉強しなかったんでしょうね。しかし、改革を訴えているのに、(芦部を)『知らない』なんて言うべきではない。まさに無知であることをまったく恥じていない」

 このインタビューは、昨年から「AERA」(朝日新聞出版)誌上で断続的に連載されているジャーナリスト・青木理のルポ「安倍家三代 世襲の果てに」に掲載されたもの。

 私でさえ、芦部信喜の名は知っている。


 多くの国民にとって今いちばんの問題は、先の見通しが立たないことだろう。

 そして、そんな不安を招いている元凶は、間違いなく、リーダーたるべき人間の「無知」と「無恥」だと思う。

 企業勤務者の休業補償は8330円で、フリーランスが4100円というのには、驚いたし、腹が立った。
 東京の最低賃金の4時間分なんだと。おかしいでしょ、それって。
 
 一億総活躍社会、なんてスローガンが、単にその場の思いつきであったことが、よく分かる。

 それにしても、厚労省のみならず、霞ヶ関の官僚も、ずいぶん、以前とは違ってきたものだ。
 忖度ばかりではなく、病的な気がする。

 永田町や霞ヶ関で、新型コロナウイルスよりも怖い「無知」ウイルスと「無恥」ウイルスの感染が、拡大しているのではなかろうか。

 この感染の方が、ずっと怖い。

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by koubeinokogoto | 2020-03-12 21:45 | 責任者出て来い! | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛