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幸兵衛の小言

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 時事通信のネットニュース、時事ドットコムでは、毎日「首相動静」を載せている。
 11月20日の内容に驚いた。

 「桜を見る会」問題で、まさに今、政府への追及に拍車をかけるべき時、内閣記者会(クラブ)のキャップが、夕食をともにしているのだ。
時事ドットコムの該当記事

午後6時34分、官邸発。同39分、東京・平河町の都道府県会館着。同所内の中国料理店「上海大飯店」で内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談。

 この時期に、なぜ?

 菅が、東京新聞の望月衣塑子記者に対し、この記者クラブに抗議文書を出したことでも明白だが、記者クラブは、まさに内閣を擁護する仲良しクラブ的存在なのだろう。

 中華料理屋で、どんな懇談があったかは察するに余りある。

 その後すぐ、産経は、鳩山政権時代の「桜を見る会」でも、鳩山の支持者が招待されていた、とまぜっかえした。

 
 LITERAが指摘しているが、産経は、続けざまに、ニューオータニで朝食会をした野党議員のことを取り上げ、5,000円より安い、などと、訳の分らない記事を掲載している。
LITERAの該当記事

 他の新聞の、追求するトーンも下がってきたように思う。


 おいおい、このチャンスをものにしないで、どうする。

 LITERAが書いているように、「桜を見る会前夜祭」をめぐる問題は、安倍の全関連団体の収支報告書にまったく記載がなかったところから始まっており、そこから政治資金規正法違反や公職選挙法違反などの疑いが濃厚なのである。

 今こそ、歴史上最悪の内閣を葬り去るチャンスではないか。

 テレビ局のトップや、内閣記者クラブへの懐柔などに、負けないメディア人もいるはずだ。


 香港の若者や、フランシスコ教皇に学ぼうとせず、何が、ジャーナリストか!

 
# by koubeinokogoto | 2019-11-25 21:27 | 責任者出て来い! | Comments(0)

 関西電力の贈収賄事件は、起こるべきして起こった事件。

 関電社長の会見での醜態や、賄賂の金額がニュースを賑わわせているが、その根っこにあるのは、悪法「電源三法交付金」だ。

 これまで何度も書いてきた。

 原発は一度立地すると、その地方自治体がやめることができない構造になっている。
 それは、この「電源三法交付金」という“麻薬”が原因である。

 四年前の記事と重複するが、どんな悪法なのか、あらためて確認した。
2015年7月7日のブログ

 地元に暮らす人が原発再稼働を望み、原発の増設まで要望するのは、そうせざるを得ないようにしている国の問題であり、現状維持を図る‘原子力村’の悪巧みのせいである。

 電源三法をあらためて確認。

 “原子力教育を考える会”による「よくわかる原子力」というサイトでは、非常に丁寧に原子力や放射能、原発のことが説明されている。使われているデータは今では若干古いものも含まれてはいるが、原発をめぐる基本的な仕組みは変わらない。同サイトから「電源三法」と交付金について引用したい。
「よくわかる原子力」サイトの該当ページ

電源三法交付金

 いわゆる電源三法とは、1974年6月3日に成立した次の3つの法律をさしています。
•電源開発促進税法
•電源開発促進対策特別会計法
•発電用施設周辺地域整備法

 電力会社は販売電力量に応じ、1,000キロワットアワーにつき425円を、電源開発促進税として国に納付しています(電源開発促進税法)。このうち、 190円が電源立地勘定で、235円が電源多様化勘定(2003年10月法改正により「電源利用勘定」に名称変更)となります。2003年予算で、この税の総額は4855億円になります。(電源開発促進税率は、今後段階的に引き下げられる予定。)
 もちろん最終的にこの税金の負担は、消費者が電力料金に上乗せされて支払っています。
 納められた税金は、特別会計に組み込まれ、発電所など関連施設の立地及び周辺市町村に対し交付金などの財源にあてられます(電源開発促進対策特別会計法)。



 我々の電力料金には、この交付金分も含まれているのだ。その交付金がどんな性格のものか、引き続き引用。

そもそも「電源三法交付金」とは・・・・迷惑料

 交付金制度の制定は1974年。そのころ通産省(当時)資源エネルギー庁の委託で作られた立地促進のパンフレットには、次のように書かれていました。
 「原子力発電所のできる地元の人たちにとっては、他の工場立地などと比べると、地元に対する雇用効果が少ない等あまり直接的にメリットをもたらすものではありません。そこで電源立地によって得られた国民経済的利益を地元に還元しなければなりません。この趣旨でいわゆる電源三法が作られました(日本立地センター「原子力みんなの質問箱�)。」 つまり本来三法交付金は、原発が地域開発効果を持たないことに対する補償措置以外のなにものでもないのです(清水修二福島大教授「原発を誘致する側の論理」1988)。しかし、「雇用効果がない」などとあからさまにいってしまうと、元も子もないので、その後の歴史の中で「地域振興」というまやかしの姿が与えられてきました。そして現在の交付金のしくみでは、電力やエネルギーとは全く無縁の「地域振興」がまさに目玉になった内容へと変身しています。


 東京や大阪などの都会の電力をまかなうために、自然や共同体の破壊をいう「迷惑」のために交付されているのが、電源三法による交付金である。

 もう少し、この交付金の問題について紹介。
従来の交付金は、「箱物」行政の典型で、公民館・体育館など半恒久的な建築物建設にしか使えず、建てることは建てられても、維持運営費などには使えないものでした。その結果、そうした建築物の維持運営費が、自治体予算を圧迫している状況が生じていました。改訂によりほとんど自治体の独自予算のように、何にでも使える交付金になりました。交付金という名前の、甘いアメを用意して、原発を誘致してもらおうという作戦でしょう。 またこの改訂で、これまでこの交付金の対象であった火力発電所の立地地域を、対象から外しました。原発立地の地元へのアピールをより鮮明にするためだそうです。
 個々の自治体にどれくらいの交付金が支払われるかというと、出力135万kwの原発が建設される場合が、資源エネルギー庁のホームページに紹介されています。

   ◎建設費用は約4500億円。建設期間7年間、という前提
   ◎運転開始10年前から、10年間で391億円。
   ◎運転開始後10年間で固定資産税も入れて計502億円。

 この説明で分かる通り、交付金は時限制である。これは、交付金を継続的にもらうためには、どんどん原発を増設させることを目論んでいるからだ。まさに“麻薬”的な存在だ。

 電気事業連合会のサイトにも、「電源三法交付金」を説明するページがある。
 こんなことが書かれている。
電気事業連合会サイトの該当ページ

電源三法の振興効果

電源三法交付金は、発電所立地地域の産業基盤や社会基盤を整備する上で大きな役割を果たしています。例えば、道路や公園、上下水道、学校、病院など文化や福祉の向上を図る公共施設、商工業や農林水産業、観光などの地場産業の施設整備や人材育成など地域社会の発展を推進する礎を、地域に暮らす住民の方々と相談しながら築いていきます。
 たしかに、箱モノはたくさんできるだろう。無駄なものを含め。
 しかし、それは、安全を犠牲にした“悪魔の取引き”によるものである。

 いつ事故があるか分らない不安な日々へや、海を奪われたことへの“迷惑料”であり、さまざまな電力会社の横暴への“口止め料”である。

 “地域に暮らす住民の方々”と相談しながら、なんて書いているが、違うのだ。

 原発立地のキーマンとのみ相談し、交付金による税収の一部は、電力会社に還流する。

 高浜町から関西電力への3億円など、この悪法で潤った町の金庫には、まったく問題にならない額。

 そんな金があるから、贈収賄事件にもなる。

 安全を自然を犠牲にすることへの見返りに、国が迷惑料を払っている、なんておかしいでしょう。

 その迷惑料は、我々の税金であり、電気料金から払われているのだ。

 もう、こんなこと、やめにしよう。

 原発を廃止し、自然を取り戻す中で、安心した生活、仕事を生み出すことは大変かもしれないは、その方がずっと人間らしい。

 福井の原発が止まったって、大阪の電気は止まらないのは、実証済み。

 関西電力贈収賄事件について、メディアは「電源三法交付金」という悪法についての議論を喚起し、その廃止を訴えるべきではないか。


 
# by koubeinokogoto | 2019-10-03 09:57 | 原発はいらない | Comments(0)
 台風15号の影響で、まだ千葉の多くの人々が、日常を取り戻せていない。

 なかでも、鋸南町の被害は酷く、まだ多くの家で停電が続いている。

 今になって一部のメディアは、その被害の様子を取り上げているが、対応の遅かった政府や県を非難する声は、あまりにも少ない。

 相変らず、嫌韓報道ばかり。

 他の国の政府のことより、自らの国の政府の問題を論じるべきではないのか。
 

 電車の計画運休まであって、大型台風被害への対策は事前にできたはずなのに、国民の生命の危機を無視して出来上がった、内閣。

 その顔ぶれには、驚いた。

 まるで、冗談としか思えないほど、安倍お気に入りの“とんでも”大臣ばかり。

 案の定、違法献金やら、暴力団との関係など、出るわ出るわ、その悪行の実態が。

 LITERAが、吉本問題の時と対照的な、新閣僚に対するメディアのスルーを指摘している。
 引用する。
LITERAの該当記事


安倍内閣の大臣3人が“暴力団との密接交際”発覚も不問、テレビも報道せず!ほっしゃん。が「吉本の芸人との違いは?」
2019.09.19 10:16.

 内閣改造からちょうど1週間の昨晩、さっそく「タマネギ内閣」の新閣僚から公選法違反の疑いが濃厚な疑惑が飛び出した。安倍首相の側近である高市早苗総務相が、選挙中に国と取引をおこなう契約業者から献金を受け取っていたというのだ。

 報道によると、2017年におこなわれた衆院選の選挙期間中に、高市氏が代表を務める自民党奈良県第2選挙区支部が、当時、警察庁や防衛省と取引のあった奈良市の寝具リース会社から30万円の献金を受領。公職選挙法では、国政選挙において国と利益を伴う契約を結ぶ当事者による寄付を禁止しており、あきらかに公選法違反にあたるだろう。

 そもそも高市氏をめぐっては、やはり総務相だった2016年に計925万円の「闇ガネ」疑惑が浮上するなど、カネにまつわる疑惑が数々持ち上がってきた(詳しくは過去記事参照)。ハナから大臣失格者なのだ。

 しかし、この「タマネギ内閣」では、高市総務相だけではなく、複数の閣僚も問題が噴出。しかも、そのいずれもが暴力団など反社会勢力と密接交際をしていたなどというとんでもない話なのだ。

 その筆頭が、“魔の二階派”に所属し、今回初入閣を果たした武田良太・国家公安委員長だ。内閣改造から間もない13日、「週刊朝日」Web版が「武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金」と報道。記事によると、武田氏は2009年と2010年に、指定暴力団山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代として合計120万円を受け取っていたというのである。

 その上、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、警察関係者が「(武田氏の周辺では)とかく反社会的勢力の影がチラついていた」と指摘。1996年の衆院選では武田氏の支援者だった右翼団体幹部が選挙区内の飲食店店長を、武田に投票しないと店を営業できなくすると脅迫し公選法違反で逮捕されるなどの事件があり、「その後の選挙でも福岡県警は武田陣営を徹底マークしていた」(福岡県警関係者)という。

 支援者が公選法違反を犯し、地元警察からもマークされていた人物を、よりにもよって全国警察組織を監督する立場である国家公安委員長に登用する──。まるで悪い冗談のようだが、“黒い交際”疑惑はほかにもある。“IT担当相なのに違法動画に高評価”として話題となった竹本直一・科学技術担当相だ。

 昨年3月、「FRIDAY」(講談社)が「岸田文雄 自民党政調会長 山口組元幹部との「親密写真」が流出」と題し、指定暴力団中野会の副会長だった人物と岸田政調会長が握手する写真を掲載したのだが、じつはこの写真が撮られたのは、竹本氏の後援会が開催した「新春賀詞交歓会」でのこと。つまり、竹本氏のパーティに指定暴力団の元副会長が参加していたのである。しかも、この元副会長と竹本氏が一緒に写った写真もSNSに掲載されていたというのだ。

 さらに、同じく初入閣した田中和徳復興相をめぐっては、財務副大臣だった2006年に指定暴力団稲川会系組長が取締役を務める企業にパーティー券を販売していた疑惑が2011年に発覚したが、今週発売の「週刊文春」では、田中氏は国会議員になる前から稲川会系の組長と親密だったと指摘。なんと初当選後にはその組長の息子を秘書として雇用するなどしていたという。

 違法献金の総務相、暴力団と懇意な国家公安委員長、組長の息子を秘書にする復興相、加えて、加計問題で安倍の先鋒役を務め、教育勅語を礼賛する極右で、メディアへの圧力はお手の物の萩生田が文科相という、筒井康隆の小説でもありえないような冗談内閣。

 つい最近までメディアが騒いでいた吉本の問題と比べ、なぜ、吉本はメディアに批判され、安倍内閣の閣僚は非難を浴びないのか、という素朴な疑問を感じる人は多いだろう。

 同じ芸人として、そういう疑問を明らかにした人がいる。

 吉本芸人でありながら安倍政権に鋭い批判をつづけている星田英利=ほっしゃん。が「二階幹事長は閣僚の暴力団との交友報道を問題視しない考え」というニュースをリツートした上で、〈これを問題にしないのだったら、吉本の芸人さんとの違いは?あれもOKってことなんだね?誰か教えて。〉〈もちろん間違っても、“じゃあ芸人たちも”って話じゃないよ。芸人たちも大問題です。だからこの人たちは桁違い、はるかに大問題でしょ!〉とツイートしていたが、その通りだろう。

 本サイトでは、ワイドショーで今回の台風災害における政府の初動対応の責任を問うことがタブー化していると指摘したが(詳しくは過去記事参照)、最近のワイドショーの政権ネタといえば、小泉進次郎環境相の一挙手一投足を好意的に報じるくらい。チョ・グク氏の話題はしつこくやるのに、けっして安倍政権のスキャンダルや疑惑の追及には踏み込もうとしないのだ。この異常なまでの政権への気の使いようを見ていると、忖度どころではない、何かとてつもなく強い圧力がかかっているとしか思えないのだが……。

 その強い圧力に、どのメディアも反論できない今の日本のメディア。

 香港や韓国なら、大規模ストライキが起こるような、とんでもない新閣僚たちの悪行。

 しかし、テレビなど大手メディアは、自国の政府閣僚の問題はスルーして、他国のことや、弱い者いじめばから。

 安倍は、ラグビーワールドカップを利用して、政権批判などをメディアができない空気づくりに徹する。

 千葉にワールドカップの会場があったら、いったい、どんな状況になっていたのだろうか、などとも思う。

 大型台風接近にも関わらず、安倍が取り組んでいたのは、酷い内閣づくりであった。

 任命責任を問う、勇気あるメディアはないのか。

# by koubeinokogoto | 2019-09-20 22:27 | 責任者出て来い! | Comments(2)
 共産党の志位委員長と、れいわ新選組の山本代表が、会談をした。
 
 時事ドットコムから引用。
時事ドットコムの該当記事

共産・れいわ、「野党連合政権」へ協力=消費税廃止、改憲阻止も
2019年09月12日17時49分

 共産党の志位和夫委員長は12日、れいわ新選組の山本太郎代表と国会内で会談し、共産が提唱している「野党連合政権」実現へ協力していくことで一致した。消費税廃止を目指し、来月に予定される増税の中止や、安倍政権による憲法改正の阻止に向け、連携することも確認した。

 会談後の記者会見で、志位氏は「れいわ新選組が消費税廃止という旗を掲げて誕生したことを心から歓迎している」と表明。山本氏は「野党が力を合わせ、未来が見える話し合いを始めないといけない」と応じた。
 共産は立憲民主、国民民主両党などにも政権協議を呼び掛けているが、連合の支援を受ける両党は慎重姿勢を崩していない。連合の神津里季生会長は12日の会見で「目指す国家像が違う共産党と一つの政権を担うのはあり得ない」と強調した。

 来月の増税には、正直間に合わないだろうが、基本政策として、消費税廃止を訴え続けることは重要だ。

 所得税と法人税の不公平を是正することで、消費税増税は必要がない。

 それにしても連合は、いったい誰のために存在しているのだろう。
 
 連合会長は共産党とは目指す国家像が違う、と言うが、連合はどんな国家像を目指しているのか。

 かつての労組と、連合は大きく違う。

 総評が、いわゆる左派化したことの反動で、連合は共産党と決別した。

 連合の中身は、もはや、働く人々の総体を見ていない。

 分りやすいのは、原発再稼動を目指す電力総連が含まれている、ということだ。

 立憲民主党と国民民主党とでは、原発への見解が異なる。

 まず、この二つの党がまとまることはないだろう。

 連合参加の労組は、今後の選挙で自主投票となる公算が強い。

 政治との決別が進む。

 では、果して、働く人々は、どう政治と関わっていくべきなのか。

 千葉でこれだけの台風被害にあっている時、NHKも含め、臨時ニュースは、若旦那政治家の閣僚入りのこと。

 20年前の東海村での臨界事故の際、小渕政権は四日間組閣を延期した。
 妥当な措置だと思う。

 では、今の総理大臣は、これまで大災害が発生した時、どうだったのか。

 2014年8月の広島豪雨の際、緊急連絡を受けたにも関わらず、ゴルフをしていた。

 2018年7月の西日本豪雨の時には、赤坂自民亭で宴会。

 そして、2019年9月、台風15号による千葉のライフライン切断において、国民の安全確保など念頭になく、組閣に夢中。

 そんな政府、いらないでしょう。
 
 政治に参加せざるを得ないのだ、選挙権のある国民は。

 この度の香港の人々のような行動を、日本人はできないなら、一人一人の一票を積み上げるしかない。

 野党連合で、このとんでもない政府の暴走を止めなければならない。

 その野党連合は、共産党とれいわ新選組の両党が核になって、立憲民主党の一部が手を組むことからのみ可能性があると思う。

 安部政権がどこを見ているか、何を大事にしているか。

 ここ数年の政府の姿、その責任者の姿を見れば明白。

 次の衆院選が、大きな節目になる。


# by koubeinokogoto | 2019-09-13 21:27 | 頼れる人たち | Comments(0)
 長崎の悲劇から、74年の今日、被爆者代表の山脇佳朗さんが、素晴らしい訴えをされたようだ。

 毎日新聞から引用。
毎日新聞の該当記事



全ての分野で核兵器廃絶の態度を 被爆者代表、首相に要請 「平和への誓い」全文
.毎日新聞2019年8月9日 12時20分(最終更新 8月9日 12時46分)
.
 長崎は9日、米国による原爆の投下から74年となる「原爆の日」を迎えた。長崎市の平和公園であった平和祈念式典で、被爆者代表の山脇佳朗(よしろう)さん(85)が「平和への誓い」を読み上げた。

「平和への誓い」全文

 1945年8月、アメリカが広島・長崎に原爆を投下し二十数万人の命が奪われました。私は当時11歳、爆心地から約2キロの自宅で被爆しました。

 母と4人の弟・妹は佐賀へ疎開していて難を免れましたが、父は爆心地から500メートルの工場で爆死していました。私たちは兄弟3人で焼け残りの木片を集めて焼け落ちた工場のそばで父の遺体を荼毘(だび)に付しました。しかし焼けていく遺体を見るに耐えきれず燃え上がる炎を見ながらその場を離れました。

 翌日、遺骨を拾いに行きました。でも遺体は半焼けで完全に焼けていたのは手足の一部だけでした。「せめて頭の骨だけでも拾って帰ろう」と兄が言い、火箸で頭の部分に触れたら頭蓋骨(ずがいこつ)は石こう細工を崩すように割れ白濁した半焼けの脳が流れ出したのです。兄は悲鳴を上げ火箸を捨てて逃げ出しました。

 私もその後を追って逃げ出したのです。私たちはこんな状態で父の遺体を見捨ててしまいました。原爆で火葬場も破壊されたため、家族や身内を亡くした人々は私たちと同じように無残な体験をしなければならなかったのです。

 それだけではありません。辛うじて生き残った人々は熱線による傷や放射能による後遺症に悩まされながら生きていかねばなりませんでした。

 私は原爆の被害を受けて二十数年後、急性肝炎、腎炎を発症し今なお治療を続けています。更に六十数年後には胃がんに侵され2008年、2010年にがんを摘出する手術を受けました。あの時、私と一緒に行動した兄と弟もがんに侵され治療を続けています。

 あれから74年、被爆者の私たちは多くの方々と「核兵器廃絶」を訴え続けてきました。また、60歳を過ぎて英語を独学で学び、2015年11月長崎で開催されたパグウォッシュ会議では世界の科学者に英語で「核兵器廃絶」に力を貸してくださいと訴えました。しかし、ロシア、アメリカなどの国々に今なお1万3880発もの核兵器が保有されていると言われています。

 更にアメリカはロシアとの間に締結している中距離核戦力全廃条約からの離脱を宣言し、失効しました。2月にはトランプ政権になってから2回目の「臨界前核実験」を行ったと報じられています。これは「核兵器の廃絶」を願う人々の期待を裏切る行為です。

 被爆者は日を追うごとに亡くなっています。私はこの場で安倍総理にお願いしたい。

 被爆者が生きているうちに世界で唯一の被爆国として、あらゆる核保有国に「核兵器を無くそう」と働き掛けてください。この問題だけはアメリカに追従することなく核兵器に関する全ての分野で「核兵器廃絶」の毅然(きぜん)とした態度を示してください。もちろん、私も死ぬまで「核兵器廃絶」を訴え続けます。

 それが74年前、広島・長崎の原爆で失われた二十数万人の命、後遺症に苦しみながら生き残っている被爆者に報いる道だと思います。

 私は第二次世界大戦によって310万人の命を犠牲にした日本が、戦後に確立した「平和憲法」を守り続け、戦争や核兵器もない世界を実現する指導的な役割を果たせる国になってほしいと念願し「平和への誓い」と致します。

Please lend us your strength to eliminate nuclear weapons from the face of the earth and make sure that Nagasaki is the last place on Earth to suffer an atomic bombing.Thank you.

(この世界から核兵器を廃絶し、長崎を最後の被爆地とするために皆さんの力を貸してください)

2019年8月9日

被爆者代表 山脇佳朗

 
 至極まっとうな、世界で原爆の犠牲となった唯一の国の責任者への訴えを、今一度。

“被爆者は日を追うごとに亡くなっています。私はこの場で安倍総理にお願いしたい。

 被爆者が生きているうちに世界で唯一の被爆国として、あらゆる核保有国に「核兵器を無くそう」と働き掛けてください。この問題だけはアメリカに追従することなく核兵器に関する全ての分野で「核兵器廃絶」の毅然(きぜん)とした態度を示してください。”


 まったく同感だ。

 二年前にも、当時の被爆者代表、深堀好敏さんの「平和の誓い」を紹介した。
2017年8月10日のブログ

 深堀さんは、四十年余り前から、生き残った者の使命と感じ、仲間と原爆写真を収集してきた方だ。

 
 二年前の深堀さんの言葉の一部を、再度引用したい。(朝日新聞より)

 たった一発の原子爆弾は7万4千人の尊い命を奪い、7万5千人を傷つけました。あの日、爆心地周辺から運よく逃げ延びた人々の中には、助かった喜びも束(つか)の間、得体(えたい)のしれない病魔に襲われ多くが帰らぬ人となりました。なんと恐ろしいことでしょう。
 私は「核は人類と共存できない」と確信しています。2011年3月、福島第一原子力発電所の事故が発生し国内の原発は一斉に停止され、核の脅威に怯(おび)えました。しかし、リスクの巨大さに喘(あえ)いでいる最中、こともあろうに次々と原発が再稼働しています。地震多発国のわが国にあって如何(いか)なる厳しい規制基準も「地震の前では無力」です。原発偏重のエネルギー政策は、もっと自然エネルギーに軸足を移すべきではないでしょうか。戦後「平和憲法」を国是として復興したわが国が、アジアの国々をはじめ世界各国から集めた尊敬と信頼は決して失ってはなりません。また、唯一の戦争被爆国として果たすべき責務も忘れてはなりません。

 1945年の8月6日と9日、そして、2011年3月11日・・・これまで三度も核による甚大な被害を蒙っている国、それが日本。

 なぜ、それでも原発を再稼動しようとしたり、核廃絶活動へ背を向けようとするのか。

 アメリカの言いなりに、欠陥戦闘機を莫大な税金で買う国。

 年中行事として、戦争特集が放送されるこの時期、今一度この日本という国の将来を、どんな考え、情熱、了見を持った人物に託すべきかを考える良い機会ではあるかもしれない。

 少なくとも、首相官邸を使って、自分の結婚報告をするような、道理の分らぬ人物になぞは、未来を委ねたくない。
 
# by koubeinokogoto | 2019-08-09 21:47 | 戦争反対 | Comments(0)

人間らしく生きることを阻害するものに反対します。


by 小言幸兵衛